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日光連山(男体山・女峰山・太郎山)(山小屋)

日光連山は男体山2486mを主峰に、女峰山2483m、太郎山2368m、大真名子山2376m、小真名子山2323mが連なっています。日光白根山とは湯の湖をを堺に対峙しています。男体山は日本百名山の一座です。女峰山から志津小屋をへて男体山に至る縦走路が設けられています。男体山の表の山麓には二荒神社があり、男体山山頂に二荒山の奥の院があります。男体山の山容が一番良いのは中禅寺湖の南岸にある半月山の展望台からでしょう。中禅寺湖越に男体山が見られます。

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男体山の登山道は二つあります。最も利用者が多いのが南面した表側の二荒山神社から入山する二荒山神社コースでしょう。狭いですが駐車場があり、入山料金は500円です。登山口から少し離れると大きな駐車場があるので、マイカーを止めることは紅葉シーズンを除けば駐車に苦労は無さそうです。
表参道は奈良時代の末期、男体山に初めて登頂した勝道上人が歩いた道をほぼたどっていると言われています。勝道上人の男体山登頂については、弘法大師(空海)の性霊集に書かれているので事実と思われます。
二荒山境内に登山口があります。入山届を行って登山道に入ります。一合目までは階段を上り、三合目から四合目までは工事道路を歩きます。四合目の鳥居から登山道に入ります。四合目は落葉広葉樹林に覆われていますが、路面は土の道でとても滑りやすく、張られたロープが手助けとなります。
標行1959m付近から振り返ると、樹木の間から中禅寺湖が見られる様になります。八合目には滝尾神社が安置されています。標高約2318m九合目までは高木が茂っていて、眺望はあまり楽しめません。標高2355m付近から森林限界を越え、廻りは低木となり眺望が開けます。
山頂までは低木に覆われています。山頂に入るには鳥居をくぐります。山頂には二荒山大神の銅像が設置されていています。平成年間に建てられた比較的新しい銅像なので、まだ神さびていません。数十年を経過すればどっしりとした銅像となるでしょう。山頂は岩で出来た禿山で見晴らしは良いです。1本の道標が立っていてこれが目印です。

利用者の少ない志津小屋登山道ですが、二荒神社登山道よりも距離が短く高低差も低いのでそこそこの登山者が利用しています。中禅寺湖から志津小屋までの道はやや複雑で、国道120を中禅寺湖畔を通り、戦場ヶ原の対岸にある奥鬼怒林道へ入り、すぐに右に回ります。その後、荒れた舗装路を進んで行くと行止となり、数台の車が止まれば一杯となってしまう小さな駐車スペースがあります。ここから少し入ったところに志津小屋があります。国道120から約8.6kmあります。
七月下旬、志津小屋から登り始めると標高1891m付近で視界が開けます。(志津乗越)しかしすぐに樹林帯に入ります。登山道は掘りの様に雨水にえぐられている他に倒木が登山道を通せんぼしている箇所が幾つもあります。表口の登山道は花が見られませんでしたが、志津登山道は標高2425m付近でゴゼンタチバナの花が見られます。あたりは樹林帯で視界は山頂直下まで得られません。

女峰山は複数の登山道が設けられています。一番高低差の少ないのは霧降高原かなのルートで、日光駅から定期バスが運行されています。霧降高原のスキー場は廃止となっていて、ゲレンデの脇に小丸山まで階段が設けられています。小丸山まで登ってくる方は殆どが観光客で、小丸山を越えてシカゲートを開けて先に進む方は僅かです。シカゲートの先は岩稜となり、廻りは樹林帯です。すぐに赤薙山の頂に着きます。ここまでは多少のハイカーが登って来ます。
赤薙山を過ぎると岩稜のヤセ尾根を歩きます。眺望の良さそうな尾根道ですが、景観を得られるかは運次第でしょう。赤薙山の先に水場があります。秋は涸れることが多いと聞いていたのですが、天候次第ではこんこんと湧き出ています。稜線を歩いていると直角に曲がり、その先が女峰山山頂です。
山頂直下にロープが垂らされています。頂はハイマツに覆われた岩の峰で小さな祠が建っています。

女峰山-小真名子山-大真名子山-志津小屋まで縦走路が設けられています。歩く人の少ない道です。
女峰山を少し西に進むと帝釈山のピークがあります。帝釈山を過ぎると富士見峠まで一途な下り道となります。九月下旬の時期ではまだ紅葉には早いようです。気の早い落葉広葉樹だけが色を染めています。
帝釈山から富士見峠への下り道は強烈な印象の残る道で、道が雨水で流され削られていて道の底をなしていない区間が多いです。傾斜は急ですがジグザグに道が切られていないので、つま先に体重がかかってつま先が痛くなります。
富士見峠から小真名子山の登りは、火山特有の岩礫のごろごろした坂道で、足場が極端に悪く、登るのが大変です。斜面の途中で時々振り返ると、綺麗な円錐形をした女峰山・帝釈山の姿が頂を雲に隠した姿を見せてくます。
標高2323mの小真名子山(こまなご)の山頂には電波の反射板が建っていて、この建築物が遠くからの小真名子山の目印となっています。山頂の標識は電波反射板とは森を挟んだところにあるので、建造物に風情をこわされることはありません。
小真名子山から大真名子へのコルへの下りも帝釈山の下りと同様の道ですが、コルが富士見峠よりも標高が高いので、下る距離が短いので多少楽です。コルから大真名子山の登りには、日光連山でよく見られる大規模な土砂崩落の「薙(なぎ)」のすぐ上部を通る箇所があります。元来の登山道は薙で流されて消滅してしまったらしく、肩の部分に巻道の様に踏み跡があります。薙は数キロ先まで落ちているので先端は霞んで見えます。肩の巻道を通るときは足が少しすくみます。大真名子山の頂は女峰山よりも大きく立派な祠が建てられています。祠の裏手には衣冠束帯をした平安貴族らしい銅像が立っています。
大真名子山の山頂下には千鳥返しと呼ばれる岩場があって、クサリが垂れています。危険と言うほどのクサリ場ではありません。坂道をぐんぐん下って行くと志津乗越に達します。

太郎山の登山道は二筋あります。
志津乗越からの登山道は車道を1時間ほど歩きます。この登山道は殆ど利用者がいないようです。標高の高い山王峠からの登山道が人気の様です。
道の傾斜は急で荒れるに任せている印象です。山頂に近づくにつれて岩場が多くなります。山頂の直ぐ下に湿地と池があります。地図にはこの湿地を直進する様に書かれているのですが、用心のために迂回路を取った方が良いでしょう。
太郎山の山頂は、狭いですが岩に囲まれた広場状となっています。南は樹林があるので眺望は得られませんが、東から北、西にかけては開けています。山ばかりの風景ですが、最奥に白根山の山頂だけが顔を出しています。

太郎山から山王峠へ下る登山道の入山口にある駐車場は狭く早朝には一杯となります。この道は標高差があまりありませんが、途中、山王烏帽子山のピークがあり、急勾配の坂道を上り下ります。鞍部から山頂までの標高差は100mをやや越えています。山王烏帽子山を下ってコルに至ると、いよいよ太郎山の斜面となります。比較的なだらかな斜面で登るので楽です。太郎山から見ると西峰の先端が切れ落ちた様な斜面で急勾配の道に見えるが実際に歩いて見ると、緩やかな勾配の歩きやすい道です。
太郎山の山頂からは日光白根山が幾つもの山並みの奥に鎮座しているのが見えます。

山王峠湯の湖の間には登山道と言うよりもハイキング道と言った方が相応しい小径がついています。
ハイカーの道らしく良く整備されていて、勾配も緩やかです。
途中にある涸沼は名前の通りに涸れている沼ですが、廻りを山に囲まれた盆地性の土地にあります。中心が涸れた沼の後で、その周りに笹の原が広がっています。点々と落葉広葉樹が生えているのが景観のアクセントとなっています。周りの山の標高は全て2000mを超えてるが、沼の位置も1700m以上有るので、それほど高い山には見えません。山や沼の広葉樹が紅葉黄葉で色付いたらさぞ綺麗でしょう。
湯の湖側の途中に切込湖、刈込湖があって風情を感じさせてくれます。二つの湖は細い水路でつながっています。二つの湖を過ぎるとシラビソにアスナロが混じっているユニークな樹林帯に入ります。案内板にはこの一帯は自然に任せて人の手が加えられない様に措置していますと書かれていました。
刈込湖から日光湯元までは下り一方の道では無く、小峠と言う小さな峠を越えます。木道と階段が設けられた観光歩道の道なので歩きやすく出来ていますが、岩の露出が多く見られます。国道120に出ると湯本温泉へ下る道筋がちょっと分かりにくくなっています。

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志津小屋

男体山の北側の志津乗越にある無人の避難小屋。

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Yuichi Mizunuma H.N.う

Yuichi Mizunuma (H.N.zen)
当サイトの執筆・撮影とシステムの製作等全てを行っています。
2007-2013にかけて、北海道利尻礼文から九州屋久島まで日本の主要な登山道を歩いてきました。日本百名山は2013年9月に全山登頂を達成。

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2013年まで、春夏秋冬、北海道から九州沖縄まで、ツーリング・登山・サイクリング・パドリング(カヤック)をしています。年間のテント泊数は40泊から60泊程度、日帰りを含めると年間80日くらいはアウトドアにいました。

現在は八王子市に居住中、今後は八王子市から離れることはありません。

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