鳥海山は山形県と秋田県の県境にある山です。
日本海から始まる稜線は2236mの標高まで長く美しい稜線を引いています。
鳥海山を初めて見たのは1999年の7月、東がわの法体の滝から象潟に向かう途中でした。山の半分は雲に隠れていましたが、まだたっぷりと雪を山肌に蓄えていたのが印象的でした。
その後、新潟-小樽フェリーの船上などあちこちから姿を見てきましたが、一番美しく見えるのは男鹿半島から見た鳥海山ではないかと思います。山頂部分は小さなピークが幾つもあってやや煩わしい印象がありますが、すそ野は標高0mの海岸線から山頂まで緩やかな曲線を描いています。
これほど長く美しい曲線は、日本には富士山以外にないでしょう。
今回歩いた道は、日本海側の吹浦口と象潟口です。
象潟口の方が利用者は多い様で、道幅が広くよく整備されています。森林限界の上の稜線の道なので景観もこちらの方が良さそうですが、曇天だったのでどの様な景観が見られるかは不明です。
鳥海湖の辺りで二つの道は合流します。
鳥海湖は噴火口の跡にできた湖です。湖と書かれていますが大きさから言えば池と言うほどの小さな水たまりです。
堆積した土砂が湖の形をいびつにしていますが、火口そのものはきれいな円形をしています。
晴れていれば湖面に鳥海山の頂が写る位置にあります。
鳥海湖を過ぎると火山らしい地形となります。
文殊岳、行者岳、七高山と続くのは火口壁の上の道です。谷を挟んで最高地点の新山があります。
新山と火口壁のあいだの谷が西がわに向かって下って行くと千蛇谷となります。それほど規模は大きくありませんが、8月でも雪田が残っていて、その上を歩かされます。