朝日鉱泉から大朝日岳を往復するのは、標高差と往復の距離からかなり厳しいと判断をしていました。
このため万全の体調となるまで、昨年と一昨年は登山を断念していました。
今年は体力気力ともに充実しているので、東北三山登山旅行のあいだの日に登ることにしました。
朝日鉱泉は戦前からある古い鉱泉です。
大正時代の終わりの頃に朝日連峰が登山の大勝となったときから、登山基地として登山者に利用されてきました。
現在でも、路線バスが、朝日鉱泉まで通じています。
ただ、残念ながら、わたしには浴槽につかる趣味が無いので、朝日鉱泉は、これまでも、今回も縁はありませんでした。
今回も登山口として、駐車場を利用させてもらっただけになりました。
朝日鉱泉から入山をすると、最初の目標が鳥原山になります。
次が小朝日岳、そして主峰の大朝日岳を経ます。
朝日鉱泉から大朝日岳に上る道は二筋あります。
一つが先に挙げた鳥原山を越える道で、もう一つが朝日川に沿っている道です。
江戸時代に仙台地方と日本海側を結んでいた道が朝日連峰を通っていましたが、その名残がこの二つの登山道と言われています。
大朝日岳に登るときは、最短距離で登れる沢筋の道を通ります。
大朝日岳から下るときは、道を間違えにくい尾根筋の道を通ります。
民俗学の折口信夫博士の説を実証できる、数少ない例と聞いています。
東北の山らしく、比較的低い標高から森林限界を越え、ハイマツ帯を山頂まで歩くことが出来ます。
樹林を突き抜けた稜線歩きを日帰り登山で楽しめるというのは、うれしいことです。
山頂からは日本海が見えるそうですが、登山の日は雲が厚く、眺望は得られませんでした。