第2日目 西穂高岳-奥穂高岳-北穂高岳

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行程

地名到達時刻所要時間
西穂山荘06時18分
西穂高岳08時15分117分1時間57分
天狗のコル分岐10時42分147分2時間27分
奥穂高岳13時02分140分2時間20分
穂高岳山荘13時55分53分53分
北穂高小屋16時29分154分2時間34分
北穂高小屋テント場17時04分35分35分
一日の歩行時間
10時間46分
日付:2010/10/06

山行記

西穂高岳までの道

日本アルプスというのは北も南も早朝は晴れて、昼過ぎには曇ってしまうようです。昨日も昼過ぎから雲が山を覆い隠してしまいましたが、この日もそうで、早朝は山が全て雲海の上に浮かんでいて見事な景観を見せていたのですが、昼前から曇ってしまいました。

西穂山荘には昨夜、沢山の宿泊客が居て、この登山者のほとんどが奥穂高岳を目指すものと思っていました。日の出すぎに歩き出すと、すでに先行している人の後ろ姿がちらほらと見えます。
西穂山荘は樹林帯にある山小屋ですが、西穂高岳に登り始めるとすぐに森林限界を超えハイマツ帯となります。眺望が楽しめるわけです。

西穂独標までは足だけで歩ける道です。
左手に笠ヶ岳、正面には西穂高岳から伸びる岩の稜線、右手に霞沢岳が見られます。
景観ですばらしいのが背後の乗鞍岳を借景とした焼岳です。距離が近いので噴煙が見えます。
右手の下をのぞき込むと、雲が上高地を覆い隠しています。赤い屋根の人工物が全て隠された上高地は美しいものです。

西穂独標を過ぎると岩場となり、脚だけでは登れない箇所が出てきます。
西穂高岳の最後のころの登りはクサリ場があります。
山頂にはすでに人が何人かいて、「登りはいいけど下りが怖い」と、ここから西穂山荘に戻る話をしています。全員が往復する様でした。
大きな荷物を背負っていたから目立つのか、何処まで行くのですと聞かれたので、槍ヶ岳と堪えると、あの岩場を歩いてゆくのですかと、驚いた顔をされました。

西穂高岳の山頂からの眺望は良く、特にここまで見られなかった奥穂高岳と前穂高岳の姿が白眉です。特に釣り尾根が美しく、歩いてくれと訴えている様です。

西穂奥穂の岩の道

岩場歩きで難しいのはルーティングで、その点、西穂奥穂の岩場は白ペンキでルートがマーキングされているので楽です。三点姿勢さえ確実に取れれば誰でも歩けるだろうと思います。

辛いのは途中に水場が無いことでしょう。西穂山荘から穂高岳山荘までの間の分の水を背負って岩場を登り下りしなければなりません。

西穂高岳から奥穂高岳までは全て岩場で、それも登り一方や下り一方ではなく、登っては降り登っては降り、先に進むので、1時間かかってもほとんど標高も位置も変化がないことがあります。GPSを持っているとよく分かります。

いい加減に岩場歩きにうんざりしてくる頃がジャンダルムで、雲を空かして奥穂高岳の山頂らしいピークが見え隠れします。
もうすぐ岩場ともおさらばだと喜ぶのですが、その前にいくつもの岸壁があり、時間の経過の割に奥穂高岳が近づいて来ません。

ようやく岩場が終わるのが奥穂高岳の山頂です。
ジャンダルムの方角からひょっこり顔を出してやってきたので、山頂で休憩を取っていた人たちが皆こちらを注目していて、「ジャンダルムに登って来たのですか」とか「ジャンダルムはどうですか」と聞いてくるのですが、こちらはジャンダルムという言葉の意味が分かりません。「ジャンダルムとは何ですか」と逆に聞き返す始末で、呆れられたようです。そのうち、奥穂高岳からジャンダルムを往復してきたと言う男性が現れて色々話し始めたので、解放されることが出来ました。

奥穂高岳

奥穂高岳の山頂は円錐形で平らな場所は無いのですが、さすがに人気の高い山で人がびっしりと取り囲んでいます。
喧噪はきらいなので、距離を置いて休憩を取ってから、穂高岳山荘を目指して降ります。

この辺りでは多少用心をしていて、また岩場が始まるのではないかと思っていたのですが、山荘の直前にハシゴが二基あるだけで、後は脚だけで歩ける楽な道でした。もう岩場はないと楽な気分になりました。
穂高岳山荘は水の安い山小屋で、他の山小屋が1L200円なのに対して1L150円でした。

奥穂北穂

奥穂高岳から涸沢岳までの道も脚だけで歩ける道でペース良く進んでいたのですが、涸沢岳を越えるとまた岩場が始まります。

西穂奥穂の岩場に比べると、ぐんとスケールは小さい様で、登りも下りも標高差はそれほどありません。深い霧で目で確認は出来なかったのですが、歩いた感覚ではせいぜい10mから20m位の岸壁では無かったでしょうか。
霧が深く、白ペンキのマーカーを見落とさない様に、この点は慎重になりました。

北穂高小屋

北穂高岳の山頂とおぼしき岩の影が霧を空かして見えるのですが、登山道がその岩のピークに近づく気配がありません。持ってきた国土地理院の地図の情報に誤りがあるのではと不安になった頃、右手の岩の影に赤や黄色のテントがうっすらと見えてほっとしました。
ところが、テント場から北穂高小屋までが結構な距離があります。テント場を見て気が抜けてしまっていたので、この日一番きつく感じる登りとなりました。10分ほどです。

北穂高小屋には沢山の宿泊客が居て、テント場にも10張り以上のテントがあります。
単純に、この人の大半が槍ヶ岳まで行くのだろうと思っていたのですが、そうではありませんでした。

地図

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