地名 | 到達時刻 | 所要時間 | |
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北穂高小屋テント場 | 05時50分 | ||
北穂高岳 | 06時03分 | 13分 | 13分 |
長谷川ピーク | 07時48分 | 105分 | 1時間45分 |
南岳小屋 | 09時13分 | 85分 | 1時間25分 |
槍岳山荘 | 12時21分 | 188分 | 3時間8分 |
槍ヶ岳 | 12時40分 | 19分 | 19分 |
槍岳山荘 | 12時58分 | 18分 | 18分 |
槍平小屋 | 15時37分 | 159分 | 2時間39分 |
白出小屋 | 17時33分 | 116分 | 1時間56分 |
新穂高温泉 | 18時54分 | 81分 | 1時間21分 |
一日の歩行時間 |
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13時間4分 |
日付:2010/10/07 |
前日の西穂山荘でもこの日の北穂高小屋でも、気温は氷点下5℃でした。テントは外も内も凍り付きます。
天候は晴れとは言い難く、雲海の上に山が島の様に浮いていますが、遙か高いところにも雲があって、青空は見えません。厚い雲らしく、常念山脈の方角に、わずかに朝焼けが見られました。
テント場から北穂高岳までは10分ほどで、岩場を歩きます。
北穂高岳からは南岳の岸壁の上に槍ヶ岳が見えます。雲の間から朝日が差す様で、まだらに日を受けた槍ヶ岳が面白い表情をしていました。
山小屋泊まりの登山者がすでに歩き出しています。
北穂高小屋まで降りてから先に進もうと思ったら、道がありません。いやな予感がして下を見下ろすと、岸壁の下りに白ペンキのマーカーが点々と付けられています。
「やられた」と言うのが正直な感想です。また今日も岩場歩きかと思うとげっそりしましたが、歩いてみると大キレットの岩場は素直で歩きやすく、難所にはクサリかハシゴが設けられています。しかも北穂高岳からA沢のコルまでは下りの一本調子なので、体も頭も降ることに専念できます。
早朝、霜がまだ岩に着いていて溶けていなかったので、2回ほど足を滑らせて手だけで岩場にぶら下がりましたが、三点姿勢が取れていればどうと言うことはありません。ただ、不必要な恐怖感を持たないようにと、ぶら下がった時は下を見ませんでした。そのために、数十メートルの岩の上でぶら下がったのか、足を伸ばせば下の岩に届く様なところでぶら下がったのかは分かりません。
南岳の岸壁の難所はほとんどがハシゴで登れるのでそれほど気も使わずに南岳小屋に達します。
南岳から槍ヶ岳までは登り下りはあるものの脚だけで歩ける楽な道です。
昨日からの疲れが大喰岳の登り辺りで出てきて、辛く感じました。また珍しいことに、歩いている間に肩や腕に筋肉痛を覚えました。岩場で手足を酷使したための様です。
槍ヶ岳の登頂の道は良く考えられていて、登りと下りの二筋があり、登山渋滞の緩和を図っています。
この日は前に2人の登山者が居たのですが、先頭の人が岩場に不慣れな様で、クサリ場やハシゴの途中で止まってしまうことがしばしばで、余計な時間を食ってしまいました。彼が最後尾から登っていれば5分は短縮できたでしょう。
山頂に着いた時には雲で覆われていて何も見えません。
頂は人が10人も座ると一杯になる様な広さですが、想像と違って平面でした。山の印象からとがっているものと思っていました。
飛騨乗越から飛騨沢の圏谷底をジグザグに降って槍平に進みます。
槍沢の圏谷も見事ですが、飛騨沢の圏谷もすばらしく、圏谷底の真ん中を歩けるというのが良いです。
圏谷底の道というと黒部五郎岳が有名ですが、あの山の圏谷底には沢水が縦横に流れていてやや騒々しさを感じます。その代わり、黒部五郎岳の圏谷底には巨石が散乱して景観のアクセントとなっていますが、飛騨沢の圏谷底に巨石はなくのっぺりとしています。
この日、体力的には槍平か白出沢辺りが限界だったようです。
槍平からがっくり歩くペースが落ちて、白出沢からの車道歩きはほとんど拷問に感じました(最も車道歩きが大嫌いなので疲れている以上に苦痛を感じたのかも知れません)。
辺りがとっぷりと暮れた頃にようやく新穂高温泉に着きました。