地名 | 到達時刻 | 所要時間 | |
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短縮登山口 | 06時34分 | ||
カムイ天井 | 08時14分 | 100分 | 1時間40分 |
前トム平 | 09時55分 | 101分 | 1時間41分 |
トムラウシ山 | 11時28分 | 93分 | 1時間33分 |
短縮登山口 | 16時56分 | 328分 | 5時間28分 |
一日の歩行時間 |
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10時間22分 |
日付:2007/10/03 |
当時、北海道に住んでいたわたしは、この月末に離道することが決まっていたので、最後に登る山にトムラウシ山を選びました。
予定では8月の夏休みに登るはずでしたが、8月中旬に西クマネシリ岳で左膝を壊してしまってから、9月一杯医者に通って治療とリハビリに努めていました。
これだけ養生をすれば大丈夫と、トムラウシ山に登に来ました。
前泊は、トムラウシ自然休養林野営場に取ろうと思ったのですが、炊事場で新しいヒグマの糞を見つけたので取りやめて東大雪荘に変えました。
手軽な料金でおいしい食事、広々とした浴槽など、よい温泉宿です。
早朝、7時前に短縮登山口まで車で移動をして、登りにかかります。
秋分の日を境に、緯度の高い北海道の昼は急激に短くなります。秋の登山は出発が遅いと、下山前に日が暮れてしまいます。
天候は晴れ、朝日がまぶしいです。
短縮登山口から登山道の本線にでて、最初の目標のカムイ天井に向かいます。
この辺りの樹相は針葉樹はトドマツが多く見られます。落葉広葉樹も多く、黄葉紅葉の盛りでした。下草は笹が多く、ハイマツも広葉樹のあいだに生えています。笹や松の葉は、秋でも緑の色をしているので、黄葉紅葉の葉と混じると、美しい色彩を作り出します。
カムイ天井は黄葉したダケカンバが斑に生える笹の原でした。
見通しがよいのですが、正面に見えるのは前トムラウシで、トムラウシ山は隠れています。
カムイ天井を過ぎるとカムイサンケナイ沢の下ります。
沢は涸れているようにも見えましたが、岩のあいだを水が流れていました。徒渉箇所にはコマドリ沢と大きく黄色いペンキで描かれています。山岳ガイドにもコマドリ沢と書かれていました。
沢を渡ると上り坂です。
登り切ったところにロックガーデンがあり、ナキウサギの生息地です。このときもピキピキ盛んに鳴き声をあげていました。
登る途中で大きく新しいヒグマの糞が落ちていました。朝露で崩れた様子もないので、ひょっとすると今朝のものかもしれないと思い、ぞっとしました。
ロックガーデンから森林限界を越えます。
周りはハイマツに覆われた緑の山襞となります。ハイマツの中に灌木があって、紅葉しているのが美しいです。
正面に見えるトムラウシ山はうっすらと雪化粧をしていました。
この辺りが前トム平です。
前トム平を過ぎると、トムラウシ公園に下ります。
この辺りで、雲が湧いてきて太陽の日差しを隠してしまいました。空気が冷たくなります。
トムラウシ公園の辺りは、既に紅葉は終わっていました。秋枯れた薄茶色の草が地表を覆っています。
トムラウシ公園から南沼までの登りがあり、さらに山頂の登りがあります。
登山道の一部は雪に覆われていて、岩陰などは吹きだまりとなっていて、足を踏み言えると腰まで雪に埋まります。
冬と言うほど大げさな積雪ではありませんが、秋と呼ぶには雪が多いようです。
南沼テント場にテントが一張りありました。
山頂の下で、目の前をチョウゲンボウが飛んでいます。ノネズミかシマリスを狙っているのでしょう。
山頂から見下ろすと、南沼やヒサゴ沼の辺りは雪が斑に着いています。
山頂の天気は高曇りで、雲が湧いていましたが、西には視界がありました。
旭岳から白雲岳に続く表大雪の山も白い雪を中腹まで付けています。
東の石狩連峰や南の十勝連峰は見られませんでした。
さて、下り。
山頂から直ぐしたの南沼の平地に降りるだけで左膝に痛みが出てきました。病院で治療を受け、登山も控えていたのですが治ってはいなかったようです。
トムラウシ公園までは痛みをこられて何とか降りられました。
この後は、登りと下りが交互にあるのが、膝の痛みには幸いしました。登りでは全く痛みを感じないからです。
前トム平のロックガーデンを降りたところで、あまりの痛さに岩の上にうずくまりました。
ちょうど、この辺りはナキウサギの生息場所です。夕方となって警戒心が薄らぐのか、あちこちの岩の上に小さな姿のナキウサギが見られました。
ようやく登山口にたどり着いたときには、既に日は沈んでいて残照だけが頼りでした。
駐車場で着替えを終えると、辺りは真っ暗となりました。