国道273を挟んで、西に石狩連峰とニペソツ山、東にクマネシリ岳と西クマネシリ岳がそびえています。
これらの山域を東大雪と呼ぶのですが、特徴的な山ばかりです。
北海道一の大河の石狩川の源流のある石狩岳、半独立峰で三角錐の一点で山容がまとまっている北海道では珍しい姿のニペソツ山。おっぱい山と呼ばれることもあるクマネシリ岳と西クマネシリ岳はどちらも四角張った岩峰です。クマネシリ岳が1585m、西クマネシリ岳が1635mとそれほど高くないのに東大雪を代表する山の一つに数えられるのも、特徴的な姿からでしょう。
クマネシリ岳と西クマネシリ岳は並んでそびえている山ですが、縦走路はありません。
それぞれ、単独で登られています。
ただ、西クマネシリ岳は北のピークのピリベツ岳(1602m)とのあいだに道が開かれています。
今回登るのは、西クマネシリ岳とピリベツ山です。
クマネシリはクマ・ネ・シリで、山頂の平に見える山の意です。
国道273から三の沢林道を入って行くと、途中に西クマネシリ岳登山口があります。駐車スペースはありますがわずかな広さで数台が止められるだけです。
入山届けの箱はありません。
登山道から山頂のすぐしたまで、廃道となった営林作業用の車道を歩きます。
雨水で浸食された道で、沢の様になっていますから、大抵の登山道の方が歩きやすい道です。
山頂の下にちょっとした岩場があります。山頂は森林限界の上に位置しているので、見晴らしがよいです。
ピリベツ山の道は草で道が半分隠されていて、山頂も樹木に覆われていてぱっとしません。
国土地理院の1/25000の地図の表記には半濁音の「ピリベツ岳」とありますが、現地の指導標の表記は濁音の「ビリベツ岳」でした。
足寄市街を流れる利別川の支流に美里別川(ビリベツ)があります。道道88に沿って北から南に流れる川ですが、その源流にクマネシリ岳や西クマネシリ岳があります。ピリベツ岳はおそらく美里別川の源頭にあると言うことで名付けられたのでしょう。それならビリベツと濁音の方が正確となりますが、アイヌ語の「pir-pe(渦巻く川)」が語源と思われるので、そうするとピリベツと半濁音が正解となります。
(参照、「北海道の地名」)