第3日目 笠取小屋-雁坂峠-破風山-甲武信小屋

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行程

地名到達時刻所要時間
笠取小屋05時24分
雁峠05時48分24分24分
古札山07時42分114分1時間54分
水晶山08時32分50分50分
雁坂峠09時24分52分52分
西破風山12時00分156分2時間36分
木賊山14時53分173分2時間53分
甲武信小屋15時21分28分28分
一日の歩行時間
9時間57分
日付:2011/05/21

山行記

雁峠

笠取山の麓にあるのが雁峠です。この峠は丹波山から登ってくる道はあるのですが、秩父に抜ける道がだいぶ昔に無くなっている様です。峠とは名ばかりの越えることの出来ない道です。なかなか景色が良くベンチもあるので休憩にはうってつけでしょう。
雁峠を過ぎると標高2000mを越えるまで一気の上り坂です。かなり急な斜面をジグザグを切って登ります。

古礼山

雁峠から登ると最初のピークが燕山。狭い頂上部に小さな盛り上がりが幾つかあってどれが最高所かわかりにくい頂です。
燕山から先も登り道です。坂道にうんざりしてきた頃にひょっと現れるのが古礼山の頂への道と巻道の分岐です。
登り口にベンチがあったりしますが頂の樹林はまばらで富士山や足下に広がる山並みを見ることが出来ます。
古礼山から先の道は踏み跡程度の急坂となります。沢山の人が登っている頂には見えませんでした。

水晶山

古礼山の北側の踏み跡を下ると鞍部に出ます。「また登りか!」と思うまもなく水晶山の頂に到着です。
古礼山から水晶山までのアップダウンはわずかでした。
この頂も樹木に覆われていて眺望は無し。立派なベンチが3つほどあるだけです。

雁坂峠

この日のハイライトとなったのが雁坂峠です。水晶山を下ってゆくと次第に樹木がまばらとなりやがて笹藪の稜線のうえにでます。稜線が視界を遮っているのですが進むにつれて開けてゆきます。「おお!この景色は凄い!」と感激するのが丁度峠の上という心憎い道です。
雁坂峠が日本三大峠というのはここの案内板で知りました。日本武尊(やまとたけるのみこと)も通ったと書かれていますが、尊の存在が有史前の幾人かの人の業績を集積したもの、と言う説もあり、実在のほどが分かりません。甲州と秩父を結ぶ古街道の3つの峠の内、今でも秩父に抜ける道を持っているのがこの峠です。峠とは言っても相当に厳しい斜面で、上古からよくもこんな坂道を人は往来してきたものだと感心させられます。

雁坂巓

雁坂峠から見上げる様にそびえているのが雁坂嶺です。
頂の西側の下り道の樹木がなぜか立ち枯れていました。広範囲にわたって見事なくらいに全部の木が枯れていたので最初は山火事にでも遭ったのかと思ったのですが、炭化した木が見あたらないので違うようです。松食い虫の様な害虫の被害に遭ったのかと考えたりしましたが分かりませんでした。立ち枯れの樹林帯がこのあとも数回出てきました。奥秩父主脈の特徴の一つになるのかもしれません。

破風山

破不山と書いている地図もあります。屋根の破風に山容が似ているから破風山と名付けられたので破不山は誤りなのですが、地名がこの様に変化してゆくのかの良い見本の様な気がして興味深いです。
下って鞍部に付くと避難小屋がありました。外には3畳くらいの大きなテーブルがいくつもあったので、その上に寝転んでひなたぼっこをして休みました。

木賊山

この山は国土地理院の地図には載っていません。戦前の深田さんの散文に甲武信岳から木賊山に歩いたという記述があるので、名称は昔からあったようです。
甲武信小屋へ抜ける巻道との分岐から残雪が深くなり、膝まで没します。雪道はずいぶん縁がなかったので歩き方を思い出すまでは危なっかしい歩き方をしていました。

甲武信小屋

この日は甲武信小屋が目標だったのでこれで山歩きは終わりです。小屋に着いたのが15:20でした。
日没まで3時間あまり、就眠時間までは4時間以上あるので時間が余ります。

体力が尽きる

この日は早朝の出発直後から足取りが重く歩くのが大変でした。前日の疲れが取れていなかったようです。
行程が笠取小屋から甲武信小屋と短かったことも原因の一つの様で、歩く時間が短いので気持ちの緊張感が緩んでしまい疲れが蓄積しやすかったみたいです。破不山から先の残雪区間は一歩登るのも大儀でした。明日は歩けないかと思うくらいに心配になりましたが、疲れはこの日がピークだったらしく、翌四日目は甲武信岳、国師ヶ岳、金峰山を越えて大日小屋まで12時間あまりを歩き通しました。

地図

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