地名 | 到達時刻 | 所要時間 | |
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広河原 | 11時06分 | ||
二俣分岐 | 13時04分 | 118分 | 1時間58分 |
北岳肩ノ小屋 | 15時57分 | 173分 | 2時間53分 |
一日の歩行時間 |
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4時間51分 |
日付:2011/07/10 |
バスの時刻表を、休日ダイヤと平日ダイヤを読み違えてしまい、始発の電車で甲府駅に着いたものの、午前9時までバスがありませんでした。甲府駅から広河原へ行くバスは、直行便や乗り換え便も含めて、平日は午前9時のバスしかないのです。
なにか理由があるのだと思うのですが、甲府駅発広河原行き(ないし芦安行き)のバスは中央線の電車の到着時刻と同調していません。バスの利用者の大半は中央線に乗って来るのだろうと想像できるのですが、不便です。
午前7時前にバス停に着いてからすることもないので、ベンチに横たわって時間を過ごしていると、三々五々駅から登山者が降りてきて、その何割かが広河原行きのバスの出るバス停に歩いてきます。
8時半頃には狭いバス停は登山者とその荷物であふれかえっていました。
芦安から広河原までの道は10年ほど前に走ったことがありますが、昨年、北岳の登山の計画を立てている時に一般自動車の通行が禁止されていることを知りました。夜叉神トンネルから先の渓谷の上を走る区間からの眺望はすばらしく、何度も止まっては見とれていたことを思い出します。今は徒歩なら別ですが、景観がよいからと気ままに車を止めて見ることは出来なくなりました。
乗鞍岳のスカイラインも通った直後に一般車の通行禁止がしかれました。
北海道の幌尻岳の登山道がある林道も、今年から一般車の通行が禁止され、シャトルバスの利用が義務付けられています。
環境保護や事故防止のための措置であることは理解できるのですが、その影に高いバス料金でも登山者は払うだろうという商用主義的な発想が見え隠れするのが気にかかります。
広河原に着いてバスから降りて歩き出すと、バス停の周りのあちこちに、小グループが輪を作って座り込んでいます。午前11時も過ぎると、北岳から下山をしてきた人がバス停に着くようです。
広河原インフォメーションセンターの中を見てみると、過去10年以上前からの遭難者、行くえい不明者の情報を求める掲示板があって、山の生々しさを語っています。
広河原の吊り橋を渡る時に、北岳が沢越しに見えます。この日は、山頂に雲を頂いていました。
広河原小屋の脇から登り始め、最初のうちはなだらかな斜面で楽なのですが、雪渓が見える辺りから傾斜がきつくなり、二俣の分岐から先はあえぐ様になります。
当初は大樺沢の雪渓を登るつもりでしたが、天候が思わしくないので右俣のコースをとりました。右俣を登り始めるとすぐに雷を伴った豪雨が降ってきたので正解でした。あの雨の中の雪渓を登る自信はありません。
日曜日とあって、広河原山荘の周りも下山してきた人で混み合っていましたが、登る人は少ないようです。
右俣はジグザグを切って急斜面を登る道です。
花の北岳のなまえの通り、高山植物の花が咲いている道で、中でもミヤマキンポウゲが斜面一面を黄色い花で埋め尽くしているのはとても綺麗でした。
積雪が多いのか、斜面の雪が溜まるのか、幹が大きく曲がった積雪地帯特有の形状をしたダケカンバが目立ちます。北海道の羅臼岳のウトロ登山道に多く見られるダケカンバです。
北岳肩ノ稜線の上に出る頃に雲が少しずつ晴れてきて見晴らしが効く様になってきました。
鉛色の空の下ですが、最初に見えたのが鳳凰山山で、稜線の上に出ると、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳が見えてきます。
この稜線は花の数は少ないですが、種類の多いところでタカネシオガマやハクサンイチゲ、ミヤマノエンドウなどが小さな群落を作って咲いています。他にもイワウメ、アオノツガザクラ、イワベンケイなど10種類以上の花を見ることが出来ました。
雨が止んだと安心しているとまた降ってきて、降雨の中で北岳肩ノ小屋に着きました。
シーズン直前の日曜日と言うことで、小屋は空いていたそうです。
ここでテント場の受付をして、水を2L買い、雨の中でテントを張りました。
歩き始めてから4時間あまりしか経っていないので、歩いた気がしないのですが、この天候で山頂に登っても眺望が無いので面白くありません。また、翌日は大門沢小屋まで歩くのですが、肩ノ小屋からだと一日歩いて丁度良い距離なので、今日のうちに先に進むと、明日が物足りなくなります。
夜半から気温が下がり始めシュラフでは寒くて寝られなくなりました。先週歩いた八ヶ岳ではシュラフカバーを使わなかったので、このときは持ってこなかったのを後悔しましたが始まりません。持っていた衣料を着ても寒さを防げないので、最後の手段として錫箔を塗ったブランケットをシュラフに巻いて寝ることにしました。カッパが着られれば暖かいのですが、雨でびしょ濡れでした。
これで暖かくなって寝られたのですが、このエマージェンシーブランケットは熱を反射して逃さないので暖かい代わりに、人体が発散する水蒸気も通さないのでシュラフにこもってしまう欠点があります。翌朝、目が覚めた時には、シュラフは水分をたっぷりと吸って重くなっていました。