地名 | 到達時刻 | 所要時間 | |
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湯の沢峠 | 06時08分 | ||
米背峠 | 08時05分 | 117分 | 1時間57分 |
曲沢峠 | 09時32分 | 87分 | 1時間27分 |
お坊山 | 10時47分 | 75分 | 1時間15分 |
笹子雁ヶ原摺山 | 12時42分 | 115分 | 1時間55分 |
笹子峠 | 13時31分 | 49分 | 49分 |
国道20 | 14時58分 | 87分 | 1時間27分 |
初狩駅 | 16時50分 | 112分 | 1時間52分 |
一日の歩行時間 |
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10時間42分 |
日付:2012/06/11 |
夜半まで本降りの天気でしたが、明けると雨は止んでいました。
雨水をたっぷりと葉に受けた樹木の下を歩くと、雨が降っているのと変わりのない水滴が落ちてきます。
稜線に出て直ぐに短い登りがあります。登り切ると、そこが湯の沢峠のお花畑と書かれている草原でしたが、季節が合わないので、花を見ることは出来ません。
この辺りで日が差してきて、今日は晴れるかと期待を持ったのですが、日差しと青空を見たのは2日間の山旅でこの一瞬だけでした。
大蔵高山、ハマイバ丸が南下する場合の登るピークで、この二座以外には顕著なピークはなく、なだらかな稜線歩きか、下り道です。
このため、思っていた以上に足がはかどります。
ハマイバ丸と天下石の中ほどで、樹高3m、幅5m程もある大きなミツバツツジの満開の姿を見ました。このルートには、数カ所、ミツバツツジの群生と呼びたくなる処があります。
下り一方の道なのですが、雨が降って斜面を泥に変えているので、下りでもそうとうにきつい道に代わっていました。20mほどの高低差の下りでは、20度以上の下り坂で、階段もロープもなく、足場となる木の根や手すりとなる草の根もほとんど無く、スキーの横滑りの要領で5mほど滑って下る様な時もありました。
一度、滑って転倒しかけましたが、よほどに気を付けないと、転倒、そして泥斜面を滑落、と言う事態になるでしょう。下手な岩場よりも滑落の可能性は高そうです。最も滑落しても下は土と草の地面で、崖でもないので、大けがをする心配はとても少ないと言えそうです。
曲沢峠は、「山と高原の地図 大菩薩嶺」には三叉路と書かれていたのですが、実際には四叉路で、なまえの通り(旧)大和村曲沢に下る道が付いています。ただしこの道は草に半ば埋もれていて、果たして下まで降りられるのか分かりません。標識には荒れた道と書かれてありました。
曲沢峠までは下りが殆どの山稜歩きだったのですが、ここからは一高一低、登っては下る小ピークをいくつも越えて行く道です。
坂は上りも下りも急です。
お坊山、米沢山を越えると、直ぐに岩のクサリ場が現れます。
晴れた日はどうか分かりませんが、雨天で岩が濡れて滑り、土は泥となって足を置いても支えになりません。
登るよりも下るのが難しいのが登山ですが、このクサリ場がまさにそうでした。岩の凹凸が少なくのっぺりとした岩で、手がかり足がかりとなる木や草もわずかしかありません。自然にクサリに頼って下らざるを得ないのですが、クサリに体重をかけすぎても危険なので、勢い慎重にならざるを得ません。
穂高や後立山など様々な岩場を歩いてきましたが、歩きにくさ、下りにくさでは“雨天の”ここの岩のクサリ場が一番ではないかと思ったりしました。
岩場を過ぎてほっとしていたら、今度は土路面の長い斜面の下りです。
一本道の下りで、手がかり足がかりが全くありません。ただ、幸いに虎ロープが一本垂れています。
このロープを唯一の手がかりにして下ります。
ロープに体重を預けたくないのですが、足に重心を移しすぎると直ぐに滑るので、油断が出来ません。
せめてジグザグに切ってくれれば楽に登り下りが出来るのにと、思うところです。
最後の登りが笹子雁ヶ原摺山の頂です。
頂は三叉路があり、笹子駅の方角に直接降りられる道と、旧道の笹子峠に降りる道が分かれています。木に覆われていて展望は得られそうにないですが、雲に覆われていたので、真っ白でした。
頂からの道は凄い急坂ですが、登山者が多いのか階段が設けられています。
歩幅が人に合わせてある歩きやすい階段です。山でよく見られる人の体を無視した土留めの階段ではありません。
直接笹子島での旧道に出るのかと思っていたら、トンネルの上を通る、本当の古い甲州街道の笹子峠に抜けました。ここを数分下ると旧道の笹子トンネルの前に出ます。
この笹子峠を武田信玄や近藤勇と言った英雄豪傑も通ったのでしょう。標高は1000mを少し越えていました。
今の甲州街道を車や自転車で通ると、難所らしい難所には全てトンネルが掘られているので楽な道に思えてしまうのですが、昭和の初期までは標高1000mの高い峠を越えていたようです。
笹子峠からは車道歩きですが、矢立の杉に遊歩道があり、数百メートルだけ車道から離れます。
矢立の杉の先で落石の除去工事を行っていて、1m近い大きな岩が路面にゴロゴロ転がっていてこれは通れないから引き替えさせられるかと思っていたら、そこは徒歩の手軽さで、ショベルカーを止めているすきに脇を通して貰えました。
甲州街道に出ると、恐ろしいほどの交通量で、さしている傘がトラックやダンプが横を通る度にあおられて飛んで行きそうになります。
事情があって、笹子駅を通り過ごし、6.2km先にある初狩駅まで歩いてから中央線に乗りました。