地名 | 到達時刻 | 所要時間 | |
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黒部ダム | 07時47分 | ||
くろよんロッジ | 08時29分 | 42分 | 42分 |
黒部平 | 09時36分 | 67分 | 1時間7分 |
東一ノ越 | 12時41分 | 185分 | 3時間5分 |
一ノ越 | 13時50分 | 69分 | 1時間9分 |
室堂バスターミナル | 14時29分 | 39分 | 39分 |
室堂バスターミナル(休憩、雨宿り) | 15時33分 | 64分 | 1時間4分 |
雷鳥沢 | 16時13分 | 40分 | 40分 |
一日の歩行時間 |
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8時間26分 |
日付:2012/09/03 |
扇沢にあれほど多くいた人は全員がケーブルカーに乗って室堂に向かう様でした。
黒部ダムに降りたのはわたし一人です。
天気は久しぶりに晴れていて、空気は秋の早朝らしい冷たさを持っていましたが、太陽は夏の日差しをまだ送っていました。
ケーブルカーに乗る時間にせかされているのか、黒部ダムを見る人はわずかしかいません。前回通ったときには雨でろくろくダムを見ることもなく通り過ぎたので、ダム湖やダムの観光放水などを見ながらのんびりと先に行きます。
ダムの放水は日本各地で見てきていますが、黒部ダムの放水は名物らしく迫力を感じます。
ダム湖湖畔の歩道はコンクリートで舗装されていて、ブナなどの広葉樹林と針葉樹林の美しい混合林の中を通っています。途中、吊り橋があったりダム湖越しに絶壁が見えたりして、変化に富んだ道です。
くろよんロッジは白壁の総二階の大きな建物で、この大きさの山小屋が満室になることがあるのだろうかと、心配になるほどです。
わたしの様に先を急ぐ登山者には、くろよんロッジの位置で一泊すると言うことは考えられません。午後遅くの便で黒部ダムに到着しない限りは利用の仕様も無い様に考えられます。
タンボ平に登る道の入り口はくろよんロッジの敷地内にあるのですが、ショベルカーが入り口に置かれていたために見つけられずに、右往左往をしてしまいました。
黒部平の分岐までは晴れた太陽の下を歩くことが出来たのですが、分岐を過ぎた辺りで雨が降り出しました。
雨脚は強くなるばかりです。
タンボ平の道は悪路で、大きな石がごろごろしていて歩きにくいことといったらありません。
左右に茂る草木や笹は道を覆い隠し、背丈を越えることもあります。
歩いていて道を間違えない様に、時々GPSを出しては、現在位置と進行方向の確認をします。
後で知ったのですが、最近もここで道に迷った男性がいて遭難騒ぎとなったそうです。
タンボ平の道は、所々で沢を横切るのですが、沢筋の道は土石流で押し流されて寸断されています。クサリ場やハシゴ場が設けられていますが、それらも流されていたりして、なかなかの難路です。
タンボ平を上り詰めて行くと、比例して勾配が厳しくなって行きます。
霧と雨で視界が利かないうちは気づかなかったのですが、雷殿の分岐で休憩を取っているときに雨が小降りとなり霧も晴れたときに、辺りを見回すと、圏谷(カール)の地形であることが分かりました。
鍋の底の様な圏谷底は平坦でまぁまぁ歩きやすいのですが、圏谷壁にかかると急な勾配の道となるのが普通です。ここもそうで、東一ノ越にかかる坂道は、雨天と言うこともあって難儀しました。
以前に薬師岳から立山へ縦走したとき、獅子ヶ岳の辺りから立山の方を見て、気分の良さそうな尾根の中腹を通っている道を見つけたのですが、それが東一ノ越から一ノ越にかけての道です。
歩いて見ると、実際に気持ちの良い道で、圏谷によく似た地形の中程を通っています。
傾斜はさほどきつくはなく、のんびりと歩ける道です。
地図で見ると、この「御前谷」は圏谷の様相をしているのですが、歩いて見た限りでは、圏谷ではなさそうです。あるいは、圏谷が浸食によって外観を変化させているのかもしれません。
人でごった返している一ノ越も、豪雨では人もまばらです。
それでも、この雨の中、立山の雄山を目指して登って行く、登山者やハイカーがいます。
一ノ越を室堂に下って行くと、多くの人が登って来ます。位置と時間から見て一ノ越止まりの人と想われるのですが、ひょっとすると、雄山に今日の内に登ってしまい、夜は室堂か雷鳥沢辺りに戻って宿を取るつもりなのかもしれません。
このとき、雨にもかかわらず、半袖の登山者が多く見られました。
雨の中、早着してもすることもないので、室堂で時間をつぶすことにしました。
室堂バスターミナルになにがあるわけでもないのですが、雨風はしのげます。行き交う人を見ているだけでも面白いものです。
バスターミナルには、以外に日本人観光客は少なくしかいない様で、話し方から中国人が一番多いようです。数年ほど前までは、中国からの観光客は服装を見れば分かったのですが、ここ数年は日本のファッションが浸透しているらしく、外観からは国が分からなくなりました。
ただ、中国の人は、声量の抑揚が、場所柄によって変化させると言う習慣がないようで、どこでも怒鳴る様な大声で話しているので分かります。この点は、アメリカ人と似ています。
室堂も飽きてきたので、雨が止むのを待って、雷鳥沢のテント場に下る事にしました。バスターミナルから雷鳥沢までは、下り道で、途中、地獄谷の煙が流れてきて目や鼻を刺激します。
テント場の受付をしたときに、雷鳥沢ヒュッテの温泉に日帰り入浴ができる事を聞いたので、早速入ることにしました。
雷鳥沢ヒュッテの温泉は、山小屋の温泉とは思えないほど立派なものでした。湯船は大きく20、30名は入れそうです。シャンプーやリンスまで備えられています。
入浴時間は日によって若干変わるのですが、この日は最終の受付が18時30分で19時までに出れば良いという事でした。