地名 | 到達時刻 | 所要時間 | |
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五色ヶ原 | 04時50分 | ||
平の小屋 | 07時24分 | 154分 | 2時間34分 |
くろよんロッジ | 10時55分 | 211分 | 3時間31分 |
黒部ダム | 11時30分 | 35分 | 35分 |
一日の歩行時間 |
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6時間40分 |
日付:2012/09/06 |
払暁、五色ヶ原の朝焼けは、針木岳を黒々と浮かび上がらせます。
東の空がオレンジ色に染まり、てっきり晴れるのかと思いながら出発をしました。
五色ヶ原からの下り道は、しばらくの間木道を通ります。よく整備された木道なのですが、10月の降霜の季節になると、この木道の表面に霜が降りてしまい、滑ってとても歩きにくいものになります。
木道が終わると石がごろごろしているゴーロの降り道に変わります。ゴーロの道は雨水が流れ落ちる沢と見間違いやすく、ガスが深い時など悪天候時には迷うかもしれません。
ゴーロの道が終わると樹林帯です。
下るに従って樹相が深くなります。
下りから平坦な道となってほっとする箇所があり、地図で現在位置を確認すると尾根の上にピークが並んでいるその間の鞍部であることが分かりました。特に標識は出ていませんが刈安峠です。刈安峠の手前(山側)に鉄塔が建っているのが目印です。
鉄塔は電波塔の様でもあるのですが、見たことのない様式なので何ともいえません。
この辺りで雨が降り出し、やがて本降りとなりました。
刈安峠を過ぎると本格的な降り道となります。
ジグザグに切られた道が平の小屋の手前まで続きます。
黒部湖が木立の間から見え隠れするあたりから勾配は無くなり、やがて平の小屋が現れます。
平の小屋は玄関にベンチが置かれていて、雨をしのぎながら腰掛けて休憩を取ることが出来ます。水は小屋の前の水道から得られます。
人なつこい黒毛の犬が飼われています。普段は小屋の中に居るようです。
平の小屋から先はダム湖のほとりを歩く遊歩道の様な楽な道を想像していたのですが違いました。
平の小屋からの前半の道は、あちこちで道が崩落していて、崩落箇所を高巻きに巻いた道が踏み跡となって出来ているのですが、これが油断をしていると谷に落ちてしまいそうな危うい道です。
登り下りも多くあり、あちこちにハシゴが設けられていました。
かなりの体力を要する道です。
ダムの水位はやや下がっていて、ダム湖の岸をみると、10mほど樹木の生えていない岩が露出しています。
平の小屋から少し先に行ったところの水面に、小さな船が浮かんでいました。平の渡し船です。
小屋で聞いたら渡し賃は無料と言うことでした。9月と10月では最終便の時刻が変わるので、もし10月に利用する予定なら注意するようにとアドバイスを受けます。
西岸の道は、2カ所、広い河原を持った沢を横切ります。
国土地理院の1/25000の地図とその辺りを通る道の位置は若干違っているようです。国土地理院の地図の道では沢は横切らず、深く迂回しています。
河原と言うよりも、正確にはダム湖に注ぐ沢の扇状地と言った方が適切でしょう。人造湖にも扇状地が出来るのかと感心してみていましたが、数十年も経れば人造湖も自然湖も区別は無くなるのかもしれません。
河原の中を流れる沢の水量は豊かで、遠くからでも水の音がします。
沢には丸木橋が架けられています。
この丸木橋はよく考えられていて、まっすぐなので、間伐材を利用しているのだと思うのですが、根元は太く先端は細い木を交互に組み合わせて必要な強度を保っています。
御山沢の切れ込みにかかると、対岸にくろよんロッジの白い建物が見えたので「やれやれもうすぐ」と思ったら甘く、御山沢の切れ込みは西に大きく道を迂回させていました。
ただ、この切れ込みの道は高低が少なく歩きやすい道です。
くろよんロッジのテント場には、雨の中、テントが数張り張られていました。
この小屋にも雨の日、濡れずに休憩が取れる場所が設けられています。雨の日に濡れずに休めると体力の回復が図れます。
くろよんロッジから先は観光客の世界となっていました。
傘を差した観光客が遊歩道の上を往き来しています。大きな縦走用のザックを背負った登山者は、ここから先は小さくなって歩いてゆくのでした。