第3日目 畦ヶ丸-加入道山-大室山-犬越路

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行程

地名到達時刻所要時間
菰釣山避難小屋06時17分
城ヶ尾峠07時35分78分1時間18分
モロクボ沢ノ頭08時41分66分1時間6分
畦ヶ丸往復09時32分51分51分
加入道山11時52分140分2時間20分
大室山分岐13時13分81分1時間21分
大室山往復(休憩含む)13時42分29分29分
犬越路避難小屋14時38分56分56分
一日の歩行時間
8時間21分
日付:2012/11/09

山行記

畦ヶ丸

この日は犬越路まで歩けばよく、行程が短いので外が白むのを待ってから起きて出発の準備をしました。出発はちょうど日の出の時刻で、丹沢の稜線が朝日で赤く染まっています。11月の山旅では朝が遅いというのが良きにつけ悪しにつけ特徴となります。夏の登山の様に午前5時頃に歩くというのは、真っ暗なので出来にくくなっています。

朝日は周囲の山に隠れているらしく、周りの稜線の一部がオレンジ色となっているほかは、日は当たらずに、くすんだ様な色合いとなっていました。

昨日の大棚ノ頭から菰釣山にかけての稜線と同様に、菰釣山から畦ヶ丸までの稜線も小ピークが幾つもあって、登り下りをさせられます。一つ一つのピークの高低差はそれほど無いのですが、数が多いことと傾斜がきついことでそれなりに体力を使います。

モロクボ沢ノ頭に三叉路があって、ここから丹沢縦走路を離れて畦ヶ丸まで往復します。モロクボ沢ノ頭から畦ヶ丸までは砂岩の崩れた様な傾斜の道があって、少し歩きにくくなっています。ロープが一筋垂れ下がっていて、登山者の補助をしています。

畦ヶ丸の山頂の手前に避難小屋があり、室内には大きな薪ストーブが備え付けられていました。
畦ヶ丸(1292m)の山頂からは眺望はありませんでしたが、丹沢縦走路に戻る途中の道の上から、紅に色づく谷筋や雪を頂く富士山が見られました。

それにしても、畦ヶ丸という山名は興味を引かれます。
豪快な土佐樵の住む里として知られている魚梁瀬の北に貧田丸、また八王子市の最高地点に醍醐丸と言う山がありますが、山名の末尾に「丸」を着けるのは、幼名に「牛若丸」と着けていた時代の名残が、山を擬人化したときに入ってきたのでしょうか。船舶でも「咸臨丸」など現代でも擬人化して「丸」を着ける習慣が残っています。

大室山

モロクボ沢ノ頭の分岐から、また縦走路を東に進みます。
よほどこの辺りは登山者が少ないのか、白石峠の手前のピークでは登山道がかき消える様に見えなくなってしまいました。ピークに登っている途中だったのでかまいませんが、下っているときに見失ったら戻って登り直さなければなりません。そうなると、やっかいです。

加入道山(1418m)も山頂は特徴の無い山で、眺望もありません。
避難小屋は、規格品の様に、菰釣避難小屋と同じ作りをしていました。

この日の最高所が大室山(1587m)です。
畦ヶ丸から加入道山、大室山と徐々に標高を上げて行きます。大室山の西斜面は所々が笹藪となっていて、樹木の生育を阻害しています。そのおかげで、まばらな樹林をすかして周囲の景観が望めます。
ただし、山頂の眺望はありません。

犬越路

大室山から犬越路までは一途の下り道です。下り道もこれだけ傾斜がきついと足が痛くなってきます。
幸いに下りでしたが、出来ればこの道は上りたくないものです。
それにしても、翌日に1600mを越える檜洞丸、蛭ヶ岳を登るのに、こんなに高度を下げてしまうのはもったいない気がします。

下り道は樹木で覆われていて、眺望はわずかしかありません。特に正面方向はよく見えないので、犬越路はまだ先だろうかと考えていたら、ひょっこりと犬越路避難小屋の屋根が木立をすかして見えました。
菰釣避難小屋からあっけないほどの近距離にありました。
8時間くらいでは歩いた気がしないのですが、この先に小屋が無いのでやむを得ません。

犬越路は甲州と相州の双方からの登山道が延びてきて交差している場所です。
そのためか、15時を過ぎた頃に、檜洞丸から下ってきた登山者を数組見かけました。挨拶の声をかけてもむっつりと押し黙って峠を通り過ぎて行くのは、登山者が膨大な数に上る丹沢山地だからかもしれません。

犬越路の名称の由来は、武田信玄が相州打ち込みの時に、この峠を越すのに犬を先頭に歩かせた事に因むとも、元々は大犬越路と呼ばれていたのが「大」の文字が取れて犬越路と呼ばれる様になったとも言われています(大犬は山の神、つまりオオカミのこと)。

犬越路は大室山と檜洞丸のあいだの鞍部の峠ですが、甲州へ下る道も、相州へ下る道も、笹で覆われていて歩きにくそうに見えました。人気の高い登山道では、年に1度は笹の刈り払いを行うのですが、この辺りの山の登山道は毎年刈り払われている気配はありませんでした。

峠はすこぶる眺望のよいところで、特に東の檜洞丸に連なる稜線が見事です。

犬越路避難小屋

犬越路避難小屋も菰釣避難小屋と殆ど同じ作りをしています。
土間があり、土間に真ん中にはテーブルとイスが置かれていて、1/3が板の間で就眠スペースとなっています。ほかの小屋との違いは、他の小屋には毛布と布団が置かれているのですが、この小屋には何も無いことくらいでしょう。
トイレは小屋の外にあります。

地図

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