地名 | 到達時刻 | 所要時間 | |
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クチャンベツ沢 | 05時37分 | ||
沼ノ原分岐 | 07時02分 | 85分 | 1時間25分 |
五色岳 | 10時26分 | 204分 | 3時間24分 |
忠別岳 | 12時26分 | 120分 | 2時間 |
五色岳 | 14時00分 | 94分 | 1時間34分 |
沼ノ原分岐 | 16時03分 | 123分 | 2時間3分 |
クチャンベツ沢 | 17時08分 | 65分 | 1時間5分 |
一日の歩行時間 |
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11時間31分 |
日付:2007/07/10 |
上川森林事務所で教えてもらった鍵の番号でゲートを開けて進むと、行止が駐車場でした。
インターネットが普及した今日、電話で鍵の番号を教えてくれるなら、その番号を誰かがネットにアップしてしまえば、秘匿している意味が無くなると思うのですが、それでも鍵をかけておく理由はよく分かりません。
登山口の入山届けのノートに書き込んで、歩き始めます。
勾配の全くない平坦な道を歩いてから丸木橋で沢を二回渡ってしばらくすると、階段状の上り坂となります。針葉樹の林の中の道で薄暗いですが、オオバミゾホオズキやゴゼンタチバナの花が見られます。
天気は晴れていました。
階段状の坂道を40分ほど登ると沼の原湿原に出ます。
うっそうとした針葉樹林から疎らに樹木の生える湿原に出るので、ひどく明るく感じます。まばらに生えているエゾマツが景観にアクセントを付けています。
池塘のあいだを木道が通っていて、遠く忠別岳の頂が水面に反射をして見えます。
湿地の中には樹木は育たないので、池のあいだを歩いている時は樹木に景観が邪魔されません。テント場のある大沼までは池塘と湿原の中の道でした。
大沼には一張りのテントが張られています。
大沼を過ぎると徐々に樹木が多く見られるようになります。
足下にはミヤマリンドウやイソツツジ、水芭蕉の花が見られますが、数はわずかです。
沼の原と五色ヶ原のあいだの鞍部にぐっと下ってから登り返します。
鞍部から登る斜面は雪解け水が流れているのか、湿地を好む花が多く見られました。エゾコザクラソウとチングルマの花が大きな群生を作っていました。まだ蕾も見られたので、最盛期は先のようです。
雪田を渡り、ダケカンバの疎らな林を抜けると、こんどはキバナシャクナゲの群生が現れます。
殆ど傾斜のない草原状の上の道を進んで行くと、そこはお花畑で、チシマノキンバイソウやウコンウツギ、トカチフウロウやミヤマキンポウゲの花が見られます。
登山道は雪解け水の流れる沢の脇をたどっています。豊富な水があるので、植物も群生を作りやすいのでしょう。ハイマツが途切れると、エゾノツガザクラやチングルマが見られます。
標高1600m付近は森林限界を越えていると言えるのかどうか。
背丈の高いハイマツが地表を覆っています。登山道はハイマツを切り開いて設けられていて、日の差す登山道の路肩にはチングルマが、地面が真っ白になるほどに花を咲かせています。
道は緩やかな登りですが、殆どの区間で木道が敷設されています。
なだらかな山容の五色岳が見えてくると五色ヶ原の中央部分です。ハイマツはわずかとなり、地表はチシマザサが覆うようになります。
やがて笹が無くなると一面のお花畑になります。
白い地面はキバナシャクナゲの大群生、ピンクの地面はエゾコザクラソウの大群生です。地表の先まで数キロメートルありますが、見える範囲が全て花で覆われている風景は大雪山以外では見られないでしょう。
水辺にはエゾノリュウキンカが濃い黄色い花の群生を作っています。他に群生を作っている花は、ジンヨウキスミレ、ウルップソウ、ハクサンイチゲやチングルマなどです。
五色岳の頂は平たい石が積み重なった小さな場所です。
正面に忠別岳が見えますが、西風が雲を湧かせていて、隠れがちです。足下にはコケモモやイワベンケイの花が見られます。
五色岳から鞍部に下ると、背丈ほどのハイマツの中を歩かされます。
道は付いているものの、ハイマツの枝が道に張りだしているので、手でかき分けないと先に進めません。ハイマツ漕ぎに相当の体力を奪われます。
ハイマツは五色岳の下り斜面だけで、鞍部に出ると岩礫となります。コケモモやイワウメ、コマクサなどの花が見られます。
鞍部を忠別岳に登り始めると、花の種類も数も増えてきます。ハイマツに覆われた地表ですが、ハイマツの切れ目にはイワヒゲやイワブクロ、チシマキンレイカ、エゾオヤマノエンドウの花が見られます。
忠別岳の山頂は白い花で覆われていました。
エゾノハクサンイチゲが一番多い花で、チングルマやキバナシャクナゲも群生を作っています。
山頂に達したと同じくらいに雲が湧いてきて視界を隠してしまいました。山頂から北に少し進んでみましたが旭岳や白雲岳の姿は雲に隠れて見えません。南西に見えるはずのトムラウシ山も雲に隠れていました。
忠別岳の西がわは切れ落ちた岸壁です。西風が壁に当たって吹き上がり、雲を湧かせているので、雲が途切れると言うことはありませんでした。
忠別岳の花を堪能した後、五色岳に戻り、元来た道を下りました。