地名 | 到達時刻 | 所要時間 | |
---|---|---|---|
土合駅 | 08時52分 | ||
松ノ木沢の頭 | 11時14分 | 142分 | 2時間22分 |
白毛門 | 12時06分 | 52分 | 52分 |
笠ヶ岳 | 13時14分 | 68分 | 1時間8分 |
朝日岳 | 14時20分 | 66分 | 1時間6分 |
清水峠(白崩避難小屋) | 16時09分 | 109分 | 1時間49分 |
一日の歩行時間 |
---|
7時間17分 |
日付:2013/07/13 |
水上駅で2両編成の長岡行きの電車に乗り換えると、乗客の半分以上は立錐するほどの混雑でした。服装や装備から見てほぼ全員が谷川岳に登るようです。7月の三連休の初日と言うこともありますが、あらためて、谷川岳の人気の高さが分かりました。
土合駅の下りのフォームは地底にあります。話には聞いていましたが、電車を降りてから500段近い階段を登るのには驚きました。もっと驚いたのは、電車を降りた乗客が何のためらいも無く、長い階段を上り始めたことです。さすがに2000m近い谷川岳に登ろうとする人たちです。500段程度の階段は苦も無いようです。
土合駅には駅員が二名出張ってきていて、改札口で料金の精算を行っていました。電子端末を使用せず、また、料金一覧表なども使用せず、記憶と電卓だけで料金を精算しているので、果たして計算が正しいか間違っているのか不安になりましたが、領収書をくれないので後からの確認のしようもありません。
土合駅は、少し意外でしたが、駅前に50台ほど車の止められる駐車場となっていました。ロープウェーの駅のそばの駐車場が満杯な場合にここを利用するのでしょう。午前9時前で半分以上は埋まっていました。
土合橋まで路線バスも走る舗装車道を歩いてからいよいよ登山道の登りにかかるのですが、車道には白毛門の登山口を示す指導標が出ていませんでした。目印は土合橋のバス停だけです。
湯桧曽川にかかる土合橋を渡らずに右に折れて駐車場の奥の登山口を目指さなければならないのですが、気づかずに橋を渡って、湯桧曽川に沿って北に延びる未舗装車道を歩き始めてしまいました。
運良くすぐに気がつき、土合橋を戻って湯桧曽川の東岸に入ります。
白毛門の登山口は、駐車場の奥にあります。
湯桧曽川に流れ込む沢を渡る橋のたもとに、ようやく白毛門の登山口を占める指導標が立っていました。
橋を渡ると、いきなり急な坂。
この急勾配の道は、白毛門の山頂まで続いていました。標高約650mの土合橋から1720mの白毛門の山頂まで標高差1000m以上を登るのでやむを得ません。
高度が1000mを越える頃から雨が降り出してきました。カッパを着るほどの雨ではないので傘をさして登るのですが、岩場が点々と現れるので、片手を傘に取られていると、登りづらいです。
白毛門から朝日岳のルートがどの程度の登山者に人気の登山道か分かりませんが、山頂から下ってくるグループ数組とすれ違います。連休初日でこれほど多くの登山者が降りてくるのなら、それなりの人気の山なのでしょう。
白毛門の山頂が近づいて来て目立つのが、高山植物です。初夏の山は花の季節なのですが、谷川連峰にこれほど多くの高山植物が咲くとは知りませんでした。谷川連峰というと岸壁とロッククライミングの印象が強く、花の山とはあまり聞きません。ただ、谷川岳の一部が石灰岩で出来ていて、そのために独特の植生を持っていることは知っていました。
ジョウシュウオニザガミやニッコウキスゲの様な大きな花が目につきます。
白毛門の山頂は上州の山の展望台でした。
国境の向こう側、北の方角は朝日岳が遮り、西の方角は谷川岳が視界を遮っていますが、上野国が見える東がわと南がわは遮るものがなにもありません。
雨交じりの曇天でしたが幸いに高曇りだったので、至仏山など距離のある山は見えませんでしたが、武尊岳などは一望できました。
白毛門から笠ヶ岳までは、鞍部に下ってから登り返すだけですが、笠ヶ岳から朝日岳までは、小ピークが3つほどあって、登り下りをさせられます。岩の露呈したピークでヤセ尾根と言っても良いでしょう。危険と言うほどではないのですが、不注意に歩いていると転落の危険もあるので、花を見たりはできずに歩くことに集中をさせられます。
笠ヶ岳を越える頃から、標高が高くなったためか、高山植物の花の種類が多く見られる様になりました。
笠ヶ岳避難小屋のある鞍部にはニッコウキスゲの群生が見られます。シモツケソウやイブキジャコウソウのピンク色の花やアズマシャクナゲの白い花が目立ちます。谷川岳と至仏山でしか見られないというエーデルワイスの仲間のホソバヒナウスユキソウもひっそりと咲いていました。
朝日岳からの眺望は、北の巻機山に連なる連山と谷川岳ヶが雲で隠されてしまったので、なにも得られませんでした。
この山頂には小湿原と池塘があります。標高1500mの尾瀬に湿原があるので1945mの朝日岳の山頂に湿原があっても高度からいえばおかしくは無いのですが、水がどの様に供給されるのかなどを考えると、少し意外な感じがします。
見た限りでは、残雪から水は供給されているようです。日本でも有数の豪雪地帯に位置する山ならではでしょう。
このルートで面白いのは白毛門から朝日岳まででした。
登りは急坂の上に眺望が無くつらいものでした。朝日岳から清水峠までは、膝くらいの丈の笹や灌木が覆う尾根の上の道なので、視界がひろやかになれば眺望が得られて楽しいのでしょうが、見通しは1kmほどで、歩いている稜線の先は見えるものの、遠景の山は全く見られません。
傾斜が結構きつい道で、下って行くとつま先が少しずつ痛くなってきました。
単調な下り坂にいい加減に飽きてきた頃に、前方に赤い三角形の屋根を持った建物が見えてきました。
てっきりそれが白崩避難小屋かと思って先を急いでみると、JR東日本の送電線監視小屋でした。避難小屋は少し離れたところに数分の一の小さな建物が建っていました。
谷川岳の山域は全面幕営禁止と聞いていたのですが、どうやら勘違いだった様で、蓬小屋とこの清水峠はキャンプ指定地だったようです。数張りのテントが設営されていました。
ただし、トイレは設置されていないので、幕営している登山者は思い思いに様を足しているとのことです。小屋の周りにはティッシュペーパーが散らばり、糞便の悪臭が漂っていました。