2泊3日飯豊連峰縦走

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概要

日程:
2013/08/11 ~ 2013/08/13
登頂:
飯豊山
天候:
初日晴れ、二日目晴れ、三日目晴れ。
2泊3日飯豊連峰縦走

飯豊連峰を、南東端の三国岳から飯豊本山、大日岳、北股岳、朳差岳と西北に向かって縦走をした二泊三日の山旅の記録です。入山口は弥平四郎、下山口は大石ダム(東俣)です。

東京から飯豊山会津側の登山口までの電車のアクセス

東京から会津地方側の登山口まで、公共交通機関を利用したアクセスは、大きく分けると東北本線を利用、上越線を利用、高速都市間バスを利用、の3つがある。このうち、高速都市間バスが一番に料金が割安なのだがわたしはこの手のバスが苦手なので今回の山旅では利用の対象から外した。上越線を利用する場合は新潟駅から山都駅、もしくは野沢駅までの列車の便が極端に少ないのがネックとなる。そのため今回の山旅では東北本線を利用する事にした。

東北本線の利用の場合、新幹線を使うか在来線の普通電車を乗り継ぐかの選択となる。
新幹線を使った方が早いに決まっているのだが、上野駅、もしくは大宮駅から新幹線に乗車したとしても磐越線の乗換駅の郡山駅に着くのは午前8時過ぎとなる。郡山駅から山都駅、もしくは野沢駅まで磐越西線に乗るわけだが、郡山駅から喜多方駅までの便は1時間に1便以上あるものの、喜多方駅から西に向かう便が極端に少なくなる。このため、新幹線を利用しても山都駅、もしくは野沢駅に着くのは昼前となってしまう。

これに対して在来線の普通電車を乗り継いだ場合、始発で首都圏を出れば、午後1時過ぎに山都駅、もしくは野沢駅に着くことが出来る。夏の季節には青春18切符が利用できるので、乗車料金は1日2300円と割安となる。

山都駅-川入のバスの発車時刻は8時50分と13時40分の2便だけだから、新幹線で移動をしても、普通電車で移動をしても、乗ることの出来るバスの便は同じとなる。
今回の山旅では、普通電車を利用して山都駅まで移動をした。最も、山都駅発川入行きのバスが運行中止となっていたので、午後3時1分の電車で野沢駅に移動をした。こうした電車の移動も追加料金なしで出来るのが青春18切符の良い点だろう。

川入登山口の通行止め

東京から普通電車を乗り継いで山都駅まで来ると、ここで初めて川入登山口が利用できないことを知った。登山口に至る舗装林道が7月18日、19日の大雨で通行不能となったらしい。入山後の翌日に聞いた工事関係者の話によると、現時点(2013/8/12)での開通日は未定でおそらく年内の開通は不可能だろうと言うことだ。

又聞きだが喜多方市職員筋の話では、川入までの道路の通行止めはホームページに掲載してあると言うことだが、山都駅-川入間のバスの案内のページには通行止めについては全く触れられていなかったので、事前に知ることが出来なかった。帰宅後に調べてみると、通行止めのページが単独で作成されていて、バスの運行関係のページからリンク等が張られてはいなかった。これでは川入までのバスを利用しようというユーザーに役立ちにくい。行政側が通行止めという様な情報をアップする際には「ユーザーの検索の動向」を考えてリンク等を張るなどの措置を取って貰いたいものだ。
喜多方市の飯豊山情報(通行止めのお知らせ)

川入までの通行止めを知らずに山都駅に降りる登山者は多いらしく、この前日にも3人の登山者が降りたもののバスが運行されていないので川入に行くことが出来ず、やむなく山都から弥平四郎までタクシーで行ったという。タクシー料金は約8000円だったそうだ。

また、この日(2013/8/11)、祓川山荘で一緒になった2人組の登山者も同様に川入から入山しようと山都駅に降りたがバスが無いので、西会津町の野沢駅まで廻ってから、西会津町営デマンドバスで弥平四郎まで送って貰ったと言う。午後1時の便だったそうだ。

西会津町営デマンドバスと弥平四郎登山口

わたしが山都駅で川入へのバスの運行が無く飯豊山に入山できないと聞いたときに、西会津町弥平四郎へのバスも出ていないと教えられてしまったので、途方に暮れてしまった。とりあえず、飯豊山に入山するための方法を考えようと、広くも無い山都の市街を1時間ほどをかけて歩いた。

最初に浮かんだ案は、北がわの小国から入山をして、大グラ尾根を飯豊本山に登り、飯豊本山から連峰の縦走を開始しようというものだった。飯豊山荘から大グラ尾根を歩くコースは一度往復したことがあり、そのときにバス停があることを見ているのでバスが運行していることはまず間違いない。早速、小国町役場に電話をかけ、町営バスの小国駅-飯豊山荘間のバスの運行時刻を確認すると、小国駅始発は午前8時という。今日中に山都駅から小国駅に廻ることは可能なので、これで明日以降の予定が立った。

次に浮かんだ案が、野沢駅-弥平四郎間のバスの運行を確認すると言うことだった。西会津町の役場に電話をすると、当直と言う方が電話に出たが、「デマンドバスの運行状況は担当者で無いと分からないので折り返し電話をいたします」と言うことだった。役人というのは威張ったもので、特に地方の郡部ほど甚だしいというのがわたしの印象なのだが、西会津町役場が格別なのか、会津という地方の美風なのか、これほど懇切丁寧な応対を“役場”で受けるのは初めてだった。

数分後、西会津町の役場から折り返しの電話があり、要領を得た回答があった。
一つは、野沢駅から弥平四郎までのデマンドバスは、1日に3便運行されていると言うこと。
二つは、今日の便は午後4時発が最終で、このバスに乗るには1時間前までに乗車の予約を電話で入れる必要があること。
三つは、予約を入れる先の電話番号 0241-48-1300 だった。
幸い、時刻は午前2時半過ぎだったので、予約を入れるのに間に合った。
乗車場所が野沢駅、目的地が弥平四郎、野沢駅への列車の到着時刻を電話で告げて予約を入れる。

西会津町の町営デマンドバスは町役場のWebSiteに情報が掲載されているが、町外の人にはとても分かりにくい内容となっていて、どこまでバスで移動できるか、運行のスケジュールはどうなっているのか、コンテンツを読んだだけでは把握が出来ない。
西会津町の西会津町民バスのURL。

上記のURLからデマンドバスの時刻表のPDFファイルのリンクが張られているが、この時刻表がまた大変に分かりにくい。
わたしの乗車した8/11は日曜日で休日の時刻表で動いていた。野沢駅発弥平四郎行きのデマンドバスの発車時刻は、午前10時、午後1時、午後4時の3便だった。平日はもっと頻繁にバスの便があるらしい。

乗車時間は約45分。
バスと言っても使用している車はマイクロバスでは無く、トヨタのワンボックスカーで乗車定員は10名ほど。
信じられないのがバス料金の安さで、野沢駅から弥平四郎まで僅かに300円だった。この料金は一律らしい。町営のバスなので営利を追求していないらしいが、乗車した感覚からは、バス料金は1000円くらいは払っても良いと思った。町民に対しては福利厚生という目的もあるので割安のバス料金でも良いとは思うが、わたしの様に町外の者で、目的も飯豊山登山というレジャーの場合は、規格外の別料金を取っても、支払う方は違和感が無いのでは無いかと思う。
全国の郡部に所在する地方自治体の財政が悪化している今日、この辺の支出と収入のバランスは、検討するに値するだろう。

いずれにしても、西会津町営デマンドバスのおかげで、初期の計画通り初日に飯豊山の登山道を歩くことが出来た。

飯豊山縦走路と日程

今回の山旅は飯豊連峰の南東端の三国岳から西北端の朳差岳(えぶりさしだけ)までを縦走した訳だが、当初の予定は初日が川入登山口にある御沢野営場にテント泊、二日目が御西小屋泊、三日目が朳差小屋泊、四日目に大石ダムに下山と言うものだった。山中に二泊する無理の無いプランだ。
祓川小屋で同宿した他の登山者は、二日目の予定は全員が(飯豊)本山小屋泊を予定していたくらいだから、御西小屋まで足を伸ばすわたしの方がやや健脚の日程を組んでいたことになる。
三日目に朳差小屋とやや歩く時間が短いのは、この日に飯豊連峰最高峰の大日岳を御西から往復するつもりだったためだ。

実際に歩いて見ると、飯豊山縦走路は起伏が穏やかで高低差が少なく,驚くほどのペースで歩くことが出来た。
つらいくペースの上がらないのは祓川小屋から三国岳までの登りと切合小屋から飯豊本山までの登りだけで、飯豊本山にたどり着いてしまえば、大石山までは一気に歩き通せるほどなだらかな道となっていた。

二日目に御西小屋に昼過ぎに到着したのでその日のうちに大日岳までの往復を済ませることが出来た。
三日目には、御西小屋を出発して朳差小屋から大石ダムまで一気に降り、米板線越後下関駅に終電前に着くことが出来た。
大日岳を往復したので2泊3日となったが、もし大日岳に登らず、前日泊を弥平四郎の大阪屋旅館に取り、初日に弥平四郎から入山をすれば、その日のうちに御西小屋までは楽に歩き通せたはずで、ペースを上げれば海花皮(かいらぎ)小屋まで歩けるかもしれない。御西小屋、海花皮小屋のどちらに泊まっても、翌二日目には下山できるので、飯豊山の縦走は、健脚なら1泊2日で実行が出来るらしい。

標高

最高地点:
2,122 m
標高差:
入山地点514 m から最高地点までの標高差1,608 m
標高差:
最低地点43 m から最高地点までの標高差2,079 m
累積標高:
9,687 m(登り:4,593 m|下り:5,094 m)

地図

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