地名 | 到達時刻 | 所要時間 | |
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志津小屋 | 04時08分 | ||
太郎山登山口 | 05時02分 | 54分 | 54分 |
太郎山 | 07時34分 | 152分 | 2時間32分 |
山王峠 | 10時08分 | 154分 | 2時間34分 |
日光湯元温泉 | 12時41分 | 153分 | 2時間33分 |
日光湯元温泉(休憩) | 13時13分 | 32分 | 32分 |
前白根山 | 16時12分 | 179分 | 2時間59分 |
五色沼小屋(五色沼水場経由) | 17時01分 | 49分 | 49分 |
一日の歩行時間 |
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12時間53分 |
日付:2013/09/22 |
この日は歩く距離が長い上に、歩き始めが車道歩きなので、車道区間を日の出前に歩いてしまおうと、午前4時過ぎの出発となった。
志津乗越の駐車スペースには、昨夜、着いたときよりも止まっている車の数が増えていた。駐車スペースには3台しか止められないのだが、その倍以上が路肩に止まっている。
志津乗越から太郎山登山口までの車道歩きは小一時間ほどかかった。太郎山の登山道に入る時間に日の出を迎えたので、少しずつ明るくなってきた。
太郎山登山道は山王峠からの道とこの道があるが、この道は殆ど利用者がいない様だ。道ははっきりとしていたが、雨水で道が削られたいる箇所などはそのまま放置されていたりして、荒れるに任せている印象がある。
傾斜は急で、山頂に登るに従い岩場が出てくる。たいした岩場では無いが、標高差が数十メートルと少し長い岩場だ。岩場で後ろを振り返ると、男体山が朝日を受けて黒々と浮かんで見える。
山頂の手前に湿原が有り、中心には池がある。道は池を横切る様に設けられているが、水深が深くてちょっと入り込めないので迂回する。6月から8月上旬にかけての花の季節に訪れると面白そうな湿原だった。
太郎山の山頂は、狭いが岩に囲まれた広場状となっている。南は樹林があるので眺望は得られないが、東から北、西にかけては開けている。山ばかりの風景だが、最奥に今日目指す白根山の山頂だけが顔を出していた。かなりの距離があることが分かるので、日暮れまでのあの山頂下まで歩くのかと考えると憂鬱になった。
太郎山の西に張り出している西峰のヤセ尾根を降りて行く。視界の広い岩稜で歩いていると気持ちまで良くなってくる。
太郎山の山頂から見た西峰は、先端が切れ落ちた様な斜面となっていたが、歩いて見ると違っていてなだらかな傾斜を持った斜面だった。これだけ緩やかな斜面なら登ってくるのも楽だろう。
下って行くと、数組の登ってくる登山者とすれ違った。やはり、なだらかな傾斜を持っている事と、標高差が少ないことから、山王峠から登ってくるのが太郎山登山の主流らしい。
比較的なだらかな太郎山の西斜面に比べると、山王峠と太郎山のあいだにある山王帽子山の斜面はきつい。鞍部から山頂までの標高差は100mを少し上回ったくらいだ。
山王峠の駐車スペースは車で一杯だった。
太郎山登山の他、光徳牧場や切込湖・刈込湖の遊歩道を歩くハイカーの車が止まっているらしい。
山王峠から日光湯元まではハイカーの世界だった。
山王峠を涸沼に下って行くと、人の多さに驚かされる。
大半はハイキングの格好をしているが、中には観光客そのままの格好で足元を固めないで歩いている人も混じっている。
日光湯元からきりこみこ・刈込湖を経て山王峠を越えるルートは数年前の2月中旬に歩いたことがあるが、積雪期なのでこのときとは歩くルートや景観が全く異なるので、その知識が役に立たない。
あのときは、確か車道の山王峠に雪のために登ることが出来なかったので、道の無い三岳の斜面を無理矢理に越えて光徳牧場へ下った。
涸沼は名前の通りに涸れている沼が、廻りを山に囲まれた盆地性の土地にある。中心が涸れた沼の後で、その周りに笹の原が広がっている。点々と落葉広葉樹が生えているのが景観のアクセントとなっている。周りの山の標高は全て2000mを超えてるが、沼の位置も1700m以上有るので、それほど高い山には見えない。
山や沼の広葉樹が紅葉黄葉で色付いたらさぞ綺麗だろうと容易に想像できた。
冬に歩いたときは、切込湖も刈込湖も凍結していたので湖の真ん中を横切ったのだが、実際の遊歩道は湖の南岸に着けられていた。
二つの湖は細い水路でつながっていて、水は深い緑色をしている。大きな鱒でも住んでいそうだった。
この辺りの樹相はシラビソにアスナロが混じっている。
ユニークなのが、近年になってから人の手を全く加えていない点だろう。倒木があちこちに見られ、下草も茂り放題に茂っている。日本の山の樹林の大半は人の手の加えられているので、原生林は北海道阿寒岳の北東地域と富良野の原生林くらいしか残されていないのだが、ここの森はそうした原生林に限りなく近い姿をしている様に思える。
刈込湖から日光湯元までは下り一方の道と思っていたらそうでは無くて、小峠と言う小さな峠を越えて行かねばならなかった。木道と階段が設けられた観光歩道の道なのだが、岩が多くて以外に歩きにくい。
シラビソとアスナロの自然林の景観も面白いがさすがに飽きてきているので、歩くのが単調となって苦痛を伴う様になってしまった。
湯本スキー場から外山尾根の登山道に取り付く。
白根山に登る登山者の殆どは群馬側のロープウェーを利用すると言っても、栃木側の登山道を利用する登山者も休日は結構いるらしい。
外山の尾根に取り付くまでのガレた急斜面を登って行くと、降りてくる登山者数組とすれ違った。
彼ら彼女ららは異口同音に外山尾根への取り付くガレた道に驚いているらしい。大変な道だとか、滑りやすく怖い道だとか、すれ違うときに声をかけて行く。わたしにとってこの道は二度目なので状況は分かっているし、これまで歩いた山と比べて極端に悪い道とも危険性の高い道とも思えない。
前白根山を越えたところから五色沼に下る道に道を変え、補水を行う。晩秋の山旅では補水に気を遣わされる。と言うのも、夏に取水できる水場も秋には涸れていることが多くあるので、確実に取水できる水場かどうか、地図を見ただけで判断をしなければならないからだ。
ここで利用をした水場は、前白根山の斜面から五色沼に下る登山道脇にあるので、涸れることは無いだろうという予想を立てて立ち寄ったが、水は沢水で、たっぷりの水量を持っていた。
五色沼の湖畔にテントが一張りあった。このことから、五色沼が人の排泄物で汚染されているので、飲料水として適切では無いことが分かる。
五色沼から避難小屋までの標高差は僅かで、距離も十数分歩くだけだった。五色沼避難小屋には先客がいて、韓国人のカップルだった。