第3日目 至仏山-鳩待峠

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行程

地名到達時刻所要時間
見晴05時20分
山ノ鼻06時44分84分1時間24分
至仏山09時19分155分2時間35分
オヤマ沢田代分岐10時26分67分1時間7分
鳩待峠11時25分59分59分
一日の歩行時間
6時間5分
日付:2013/09/27

山行記

尾瀬湿原

昨日同様の午前5時台の出発。
この日は、至仏山に登ったあとは、鳩待峠に下るだけなので気が楽だ。
昨日来の雨は上がったものの、空には厚い雲がかかっていた。寒波でも来ているのか、早朝の気温は5℃だった。風速が15m/s以上あるので長袖のシャツだけでは寒さがしのげない。防寒具としてカッパを身につけた。

尾瀬湿原はキツネ色となっていた。
紅葉黄葉にはまだ早く、花の季節は終わっている。風景を楽しむのには中途半端な季節だろう。最も、本格的に紅葉黄葉が始まる時期は、気温はぐっと下がって氷点下となるはずなので、テント泊は寒さが骨身にしみるだろう。
テント泊で尾瀬を楽しむのなら、防寒具が少ないと言う装備の手軽さという点では、9月が限度だろう。

尾瀬湿原は東西に長く、南北に狭まった湿原だが、北や南から半島の様に樹木に覆われた突起が出ている。単純な湿原の景観では無く、樹木が適度に混じっているのが景観のアクセントとなっていて、魅力を増しているらしい。

正面に延びる木道の先に、至仏山の山肌が僅かに見える。
竜王十字路、中田代三叉路と進むにつれて、すれ違う人が多くなる。

山ノ鼻の前は、山荘から出てきて歩く準備をしているハイカーでごった返していた。
普段、この程度の歩いた距離では休憩は取らないのだが、この日は寒さで体がこわばっているのが分かったので、至仏山に登る前に体をほぐすために休憩を取った。

至仏山

至仏山の一番の特徴は、蛇紋岩で出来ている山肌だろう。
蛇紋岩は橄欖岩の変成岩で、超塩基性の岩石で、金属成分を多く含み、植物の生育を妨げるので、森林限界が低くなっている。

茶色い色をした蛇紋岩が登山道の上を覆っていた。
割れている蛇紋岩を見てみると、色は茶色では無く濃い灰色をしている。

至仏山の森林限界は1600mほどのところにあった。ユニークなのが、ここから森林限界ですと書かれた指導標が立っていたこと。こんな指導標のある山は至仏山だけだろう。

北海道や東北北部の山では、標高2000m以下の森林限界は当たり前だが、群馬県と言う南にこれほど低い森林限界を持つや間があるのも面白い。
森林限界の低い山は、早くから視界が開けるので、歩くのが楽しくなる。ただ、この日は雲が邪魔をして眺望は限定的にしか得られなかった。

至仏山の山頂が近づくと、雲は晴れてきたが強い北風が吹いてきた。
山頂で休憩を取るには体感温度が低すぎるので、素通りをして小至仏山のピークまで移動をしてから休憩を取る。この辺り、登り口の山ノ鼻で休憩を取ったおかげで余裕があった。

鳩待峠の道

至仏山から小至仏山までは岩稜の道で、高低差はあまりない。ただ、蛇紋岩で出来た道は濡れていなくても大変に滑りやすい。

小至仏山からしばらくは急な坂道となる。
この頃には空は晴れていて、雲は見られなくなった。シラビソの林の向こうに、燧ヶ岳の三角錐の姿が見える。

燧ヶ岳の右にはアヤメ平が空き地の様な景観を見せている。その右に、鬼怒沼山など日光から連なる山が見えるが、山名までは分からなかった。

鳩待峠まで数百メートルという地点で、バランスを崩して転倒をする。躓いたわけで無く、足を取られたわけでも無かった。山旅はあと数分で終わるというので、気がせいてバランスを崩したらしい。右肩から倒れたが、幸い怪我は無かったものの大変に痛かった。

鳩待峠発のバスと乗り合いタクシー

鳩待峠からは路線バスが戸倉まで運行している他に、乗り合いタクシーが数台客待ちをしていた。
定員10名前後のワンボックスカーのタクシーで、下山者の数が10名前後となると、出発をするらしい。料金の支払いは、バスのチケットと共通だった。
さすがに田舎だからなのか、この辺はおおらかな感じがする。

路線バスが入ってきたので、乗り合いタクシーは慌てて出発をした。乗り心地はさすがにタクシーの方が良いだろうが、ワンボックスカーのタクシーなので、バスとそれほど大きな差は無いだろう。バスに乗りたくても強制的に乗り合いタクシーに乗せられるのは抵抗を感じるが、おかげで戸倉発沼田行きのバスは、予定よりも一便早いバスに乗ることが出来た。

地図

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