層雲峡からロープウェーとリフトで登れる黒岳と、銀泉台まで層雲峡からシャトルバスが運行している赤岳までの道は、大雪山では珍しい日帰り縦走路です。
わたしはシャトルバスの銀泉台発車の時刻に間に合う自信が無かったので、早朝のうちに自転車を銀泉台に置いてから歩きましたが、歩く速度に自信のある健脚登山者なら、まず間違いなくバスの発車時刻前に銀泉台に着くはずです。
7月中旬の表大雪は夏とは言えまだ随所にたっぷりと雪を残していて、その雪の白さが青空と、新緑の青や、火山礫の濃い灰色と見事なコントラストを作り出しています。
空の青、雪の白、大地の黒の三色を背景に、ピンク、黄色、白、紫などの高山植物の花の色が映えています。この桁外れの高山植物の景観は北アや南ア、八ヶ岳などの本州の山では見られないものです。
黒岳から赤岳までのルートの見所は、雲の平のお花畑と北海岳から白雲分岐のあいだのお花畑でしょう。
雲の平にはチングルマとキバナシャクナゲの大群生があります。正面に雪田を山襞に付けた北鎮岳が見えます。北鎮分岐のすぐ北の斜面には、エゾタカネスミレの群生があります。
北海岳と白雲分岐のあいだには、キバナシオガマやエゾオヤマノエンドウ、ハクサンシャクナゲの大群生が見られます。