第1日目 音金稲荷神社-三倉山-大峠-三斗小屋温泉-隠居倉-三本槍ヶ岳-大峠-日暮滝駐車場

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行程

地名到達時刻所要時間
音金の稲荷神社登山口06時28分
三倉山10時15分227分3時間47分
大峠12時55分160分2時間40分
三斗小屋14時30分95分1時間35分
熊見曽根16時14分104分1時間44分
三本槍ヶ岳17時19分65分1時間5分
大峠18時13分54分54分
駐車場18時47分34分34分
日暮滝展望台駐車場19時36分49分49分
一日の歩行時間
13時間8分
日付:2014/08/03

山行記

三倉山

稲荷神社の鳥居の横に大倉山登山口と書かれた大きな木柱が立っている。マイナーらしい登山口だったので見つかるかどうか不安だったが、これなら見落とす心配は無い。駐車スペースは1台のみ。無理をしても2台が限度だろう。
登山口からしばらくは廃道となった林道を登って行く。落葉樹の森なので薄暗い。

林道を終えると尾根の上に出るまで急坂道となる。
尾根の上に出る地点が廃道となった旧道との分岐となっていることが、国土地理院の1/25000の地図から分かった。ここから多少眺望が得られる。

尾根の上の道を登って行くと、ミズナラ、やがてブナの木が見られる様になるが、数はそれほど多くは無く、針葉樹のサワラが多く見られた。林の下の林床にはサワラの幼木が目立って多い。

地元の山岳会が立てたらしい空沢山の中間地点を過ぎると、勾配がややきつくなってくる。雲の殆ど見られない晴天なので、樹間から日が差してきて暑い。
登り開始の登山口の気温が18℃だったが、標高が上がっても日差しがきついので22℃に上がっていた。

空沢山は以外に登りでのある山で、着いたときにはホッとした。空沢山から三倉山までが逆に楽に感じた。
空沢山を越える辺りからブナやミズナラが見られなくなり、変わってダケカンバとコメツガが見られる様になった。亜高山帯の針葉樹というとオオシラビソかシラベばかりを見てきたので、コメツガの林というのが珍しく感じた。

標高約1800mから森林限界を抜ける。当然に見晴が良くなる。
三倉山の山頂に着くと、この山は大峠からの登山者が多いらしく、数名がすでに着いていた他、大倉山からの稜線の上には、引き返して行く登山者、登ってくる登山者が多く見られた。
以前に流石山に登った時には人の気配の少ない山だったので、大倉山も登山者は少ないと思っていたので、この多くの登山者は以外だった。

流石山

三倉山から大倉山まではアップダウンの小さな稜線を歩いて行く。森林限界の上の道なので、見晴がすこぶる良い。見物は茶臼岳から三本槍ヶ岳に連なる岩稜で、北アルプスの槍穂連峰を彷彿とさせる姿だ。
この方角から見た那須連山は、面白いことに茶臼岳が途方も無く大きく見える。山頂の溶岩ドームが今にもはち切れそうだ。
茶臼岳の右にはなだらかな稜線が南月山、白笹山と続いていて、右端に沼原池のまん丸い水たまりと、それから一団と落ち込んだところに深山ダムの水たまりが見える。どちらも人工湖なので風情は今ひとつだ。

大倉山を越えると小さな池塘もある湿地性の鞍部に下る。この辺りは地形的に面白い。花もこの鞍部から多く見られる様になってくる。特に多かったのがオオギボウシとハクサンフウロウの花だった。タテヤマウツボグサは花の時期は終わりに近いらしく、散った跡の方が多いくらいだったから、1週間早ければもっと多くの花が見られただろう。

流石山の頂は、だらっとした平坦な稜線の上の草の禿げた部分に標識が立っているだけで、面白みに欠ける。

三斗小屋経由隠居倉

最低でも12時間は歩きたいので、大峠から三斗小屋に廻る。
流石山から大峠への道は急坂で、登りよりも下りの方がきつく感じるくらいだ。花が沢山咲いているのだが、見る余裕が段々と無くなっていく。大峠では休憩を取る予定では無かったのだが、さすがに下りでバテたので休むことにした。その代わり三斗小屋温泉の休憩は無くして岩稜の上に出るまで休まないことにした。

大峠から最低地点の沢の渡渉点標高約1300mまで下って行く。気温が上がってきて25℃となった。下りは何とか過ごせたが、沢からの登り返しは、この気温はこたえた。この辺りの樹木は殆どがブナとなっている。幹の太い立派な木が多く、それが葉を一杯に広げていて日陰を作ってくれていた。沢を越える際の清涼感がたまらない。

温泉宿が二軒軒を並べる三斗小屋温泉を過ぎて隠居倉の登りに取り付く。
決して急さかでは無い隠居倉の登りだが、気温が高いので足が先に進まない。途中、GPSを操作しながら歩いていて、頭がボートしてしまったらしく噴気口に向かって歩いてしまったことがあった。風が逆風だったからよかったが、噴気口が風上にあったら噴気を真艫の吸ってしまったかもしれない。

隠居倉の稜線で見られたニョホウチドリとテガタチドリのお花畑は終わっていて、代わりにヒメシャジンやホタルブクロが大きな群生を作って花を咲かせていた。

三本槍ヶ岳・大峠

1900m峰と名付けられた岩峰を越えて清水平の下りに掛かると雲が湧いてきた。この雲はあっと言う間に広がってしまうが、時折風で部分部分が晴れてくれた。
さすがに午後3時過ぎ最奥の三本槍ヶ岳に登る登山者はいないので、静かな登山道を上って行く。
午前中に登った三倉山から流石山の姿をここから見返すのを楽しみにしていたのだが、雲に隠れて見られなかった。

大峠に下って行くと、中程までは殆ど花が見られずに拍子抜けをした。それでも、大峠までの行程が半分を切った頃から花が見られはじめた。興味深かったのが真っ白のヒメシャジンを見つけたことだ。駆け下ったので一カ所でしか見なかったが、探せばもっとあるだろう。

この尾根では、ミネウスユキソウが咲いている。流石山では見なかった花だ。花の時期は終わりに近いらしく、茶色に花の部分を変色させているのが殆どだった。他に流石山で見られなかった花には、ハクサンオミナエシ、ミヤマコゴメグサがある。

大峠から北に下って林道に出る。最初は廃道となった荒れた林道で、その先に現役の大峠林道が現れる。
終点に10台以上の車が止められる駐車場があるが、ここまでも整備されているとは言え未舗装の砂利ダートの林道がある。殆どの登山者は、車でここまで登ってくる様だが、尖った岩が露呈していたり、うかつに車で走るとオイルパンやブレーキパイプなど下回りにダメージを受けそうだ。
林道を歩いている内に日が暮れて真っ暗となった。日本アルプスなどの登山道の暗闇は平気なのだが、里に近い山の林道はどういうわけか不気味さを感じる。

ダート区間を過ぎ、日暮滝展望台の駐車場まで下って長い一日が終わった。

地図

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