ウェンシリ岳(1142m)の登山口は、今は閉鎖されてしまいましたが、氷のトンネルが8月でも見られることで観光地となっていました。登山口にはキャンプ場と駐車場があり、1999年にわたしはここでヒグマとばったりであったことがあります。
道北では貴重な1000mを越える山で、ウェンシリ岳から北の1024mピークまで稜線の縦走路も設けられている、高山的な登山の楽しめる山です。稜線の上のピークの幾つかは、森林限界を越えていて、コケモモなどの高山植物が見られます。
アイヌ川登山口から入山するのが一般的です。ウェンシリ岳から東に延びる尾根に取り付きますが、登り口からかなり急峻な坂道があります。
ウェンシリ岳の名前の由来はアイヌ語で、「wen-shir(悪い・山)」をカタカナ表記したものです。ウェンシリと言う呼び名は北海道各地にあります。一般的には「崖のある山」を指すことが多いようです。
このウェンシリ岳には崖と言うほどの地形はありませんが、氷のトンネルができる山の斜面は勾配が恐ろしく急です。また、この斜面は頻繁に雪崩が発生するので高木が育ちません。この谷を崖に見立ててwen-shirと呼んだのかもしれません。
(参照「北海道の地名」)