地名 | 到達時刻 | 所要時間 | |
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新高松小屋 | 07時01分 | ||
宮之浦岳 | 09時20分 | 139分 | 2時間19分 |
黒味岳分岐 | 11時34分 | 134分 | 2時間14分 |
黒味岳分岐(山頂を往復) | 12時37分 | 63分 | 1時間3分 |
宮之浦岳 | 14時34分 | 117分 | 1時間57分 |
新高松小屋 | 16時45分 | 131分 | 2時間11分 |
高松小屋 | 17時41分 | 56分 | 56分 |
一日の歩行時間 |
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10時間40分 |
日付:2009/11/20 |
さすがに11月下旬の西国の果ての屋久島なので、日の出は遅く6時9分に起床したときの小屋の中は真っ暗でした。室温は思っていたよりも暖かで、+8℃でした。外気温は+6℃です。
7時ちょうどに準備を終えて山小屋を出ると、相宿のアメリカ人が縄文杉までのルートを聞いてきたので教え、お互いの無事を祈りました。
天候は高曇りです。青空は見えませんが、密生している木の枝に隙間があると、朝焼けの光が差し込んできます。雲がオレンジ色に光っていますが、太陽は見られませんでした。
標高が高くなると高木が少なくなり、少し視界が開けてきます。そうしたところから、宮之浦岳が雲海の上に浮かび山容を見ることが出来ました。
8時を前にして天候が変わり、小雨が降ってきました。カメラをぬらさないように慎重に操作をします。
高木の数がぐっと減ると、岩峰が林立している屋久島の高山帯に入ったことが分かります。登山道を歩いて来たこれまでは、樹木が繁栄していて見通しが悪く、また地面は落葉樹の落ち葉で覆われていたり、地衣類が緑に覆っていたので、岩の多さに気がつきませんでした。
稜線の上に抜けると一面が屋久笹に覆われていました。
正面に宮之浦岳が見えます。ピラミッド型の端正な山容の山で、正面の真ん中を登山道が登っています。笹で覆われた山肌に、灰色の岩が点々とあるのが印象的です。
新高松小屋から宮之浦岳まではあっけないほど近く、これなら前日、ペースを上げて永田小屋まで足を伸ばしてもよかったかなと思ったりもしました。山頂は岩だらけの小さなスペースです。
花之江河まで3.6kmと書かれた指導標が立っていました。
かなり濃い霧がかかってきましたが、まだ視界を覆うほどではなく、四囲の眺望が見られました。霧が海を隠していると言うこともありますが、宮之浦岳の周りには山しか見えません。海に浮かぶ島の山に登っている雰囲気は感じられません。
宮之浦岳を過ぎると雲が湧いてきて風景を覆い隠してゆきます。宮之浦岳の山頂が雲に覆われる前に登れたのは幸運でした。山頂から南には鋭い三角形をした、屋久笹に覆われた黄緑色の岩峰が雲で見えなくなるまで連なっていました。
宮之浦岳から花之江河までの縦走路は、これらのピークの上を通ったり、中腹を巻いたりしています。
笹の斜面に、人の背丈の倍ほどしかない、針葉樹が点在しています。ちょっと不思議な景色です。
縦走路は歩く人が多いので、はっきりと付けられています。深い霧に囲まれても道に迷う心配はありません。
木道の区間もありますが、大抵を刈り払った土や岩の道です。登山道としては一級の国道と言えます。
黒味岳の分岐の手前で花之江河から入山したらしい、ツアー登山のグループとすれ違いました。
この日、初めて見かけて登山者です。
黒味岳の分岐の辺りは、笹ではなく南国風の常緑樹の林で、赤いテープのマーキングが施されていました。見通しが悪いので、過去に道迷いが発生したのかもしれません。
宮之浦岳から黒味岳にたどり着いたときには完全に雲の中にいました。
屋久島の主峰が宮之浦岳で、それに次ぐ山が永田岳と黒味岳です。
縦走路から西に外れたところに山頂があるので、分岐から山頂まで往復します。
大した距離ではないものの、きつい斜面が雨で泥となっているので、なかなか上へ進めません。
登山道は宮之浦岳とは違っていて、密林のように樹木に覆われていました。岩の露出も多く、滑りやすい一枚岩の斜面にはロープも垂れ下がっています。
登る人が少ないのか、自然の回復力が強いのか、道が左右から張り出してくる樹木の枝や葉で隠されかけていました。
黒味岳の山頂は大きな岩が一つあるきりです。
宮之浦岳に負けない眺望が得られると思うのですが、視界が20mほどしかないので、何も見られませんでした。
黒味岳からは来た道を引き返します。
往路ですれ違ったツアー登山のグループと復路でもすれ違いました。
宮之浦岳も雲に覆われていました。山頂付近で気温を測ると+6℃でした(15:01)。
雨天と言うことで警戒心が緩んでいるのか、復路では往路以上に動物を見かけました。
最初に現れたのがニホンザルです。岩陰から興味深そうにこちらを見ていました。
次いで、短い着けた雄のヤクシカが現れました。さすがに成獣の雄だけに貫禄があります。じっとこちらを見ていましたが、興味をなくしたのか、草を食べ始めました。逃げる気配はありません。
泊まる山小屋を考えて歩いていたのですが、翌日、同じ道を歩くのはおもしろくないので、登山道から離れた自然観察路を取ることにしたので、少しでも距離を稼いでおこうと高松小屋まで足を伸ばしました。さすがに小屋に着いたときには真っ暗となっていました。
小屋は独り占め出来たので、雨具などを気兼ねなく干すことが出来ました。
高松小屋の板の間は狭く、10名の収容は無理かもしれません。トイレも狭く不衛生に感じられ、臭いはとてもきつかったです。
新高松小屋のこの晩の宿泊者は3名だったそうです。小屋の造りもトイレも新高松小屋の方が立派で快適なので、人気があるのかもしれません。