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焼岳・中尾峠・新中尾峠(その他)

上高地や大正池から西の空を見上げて盛んに噴気を出している山が焼岳です。登山口は三つあり、北側からのアプロートは中尾温泉です。南側の登山口は上高地です。もう一つの登山口は安房峠です。焼岳は日本百名山の一座です。

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中尾温泉の登山口は温泉から結構な距離があります。坂も相当にきついです。車道が設けられていますが、ゲートで閉じられています。ゲートの手前に登山者用の駐車スペースがあります。駐車場から車道を少し歩くと焼岳登山口と書かれた木製の道標が立っていて、沢を丸木橋で渡ります。織田信長や豊臣秀吉が活躍をした戦国時代の後期、この辺りは飛騨国と信濃国を結ぶ峠道があったそうです。なかなか傾斜がきつく登りごたえのある道ですが、この坂道を登ってあえいでいると、昔の人は足腰が達者だったことがよく分かります。
この峠を越えた女性の一人に三木秀綱夫人がいます。彼女は悲しくも島々谷で安曇の住民に殺されてしまいます。秀綱夫人がどの様に越えたか想像するのですが、現代の女性と違って戦国時代の女性は勝ち気で感情の起伏がとても激しい人が多かったようです。足腰も達者だったでしょう。
山腹にヒカリゴケが生えていて、洞窟を覗くとなるほど光っている様に見えます。実際は蛍光塗料の様にわずかな光を反射しているだけで、苔自身が光っているわけではないそうです。ヒカリゴケは薄暗い洞窟の中でほんのりと光っているだけなので、写真に撮ることは容易でなかったのですが、最近のカメラの性能はすばらしく、ISO6400の感度なら簡単に撮すことが出来ます。
中尾峠からの眺望はすばらしいのですが、登山口から峠まで、樹林帯でほとんど眺望は得られません。峠から焼岳へと登ります。登り始めるとすぐに噴気口があります。噴気口の東側は大正時代の噴火で崩れ落ちています。上高地の名所の一つの大正池はこの噴火で出来ました。
焼岳は北峰と南峰がありますが、三角点のある最高点は南峰ですが、眺望の優れているのは北峰です。南峰は立ち入り禁止です。最高点を踏みたいのなら別ですが、眺望を楽しみたいのなら北峰で十分で、危険を冒して南峰に登る必要はないでしょう。焼岳山頂からは、西に笠ヶ岳、北に穂高岳、東に霞沢岳を間近に見ることが出来ます。これらの山を見るには距離が近すぎるきらいがありますが、大展望であることに違いはありません。奥穂高岳から前穂高岳に伸びる釣り尾根が見事です。焼岳の北峰と南峰の間のコルまでは歩くことが出来ま、このコルが安房峠からの登山道との合流する地点となります。ここから火口湖が見られます。北峰からは見えない湖です。他に、北峰の南壁から吹き上がる噴気口も見られます。

焼岳を下りて新中尾峠から北に進むと、最初のピークに噴気口があります。小さな噴気口の様で、立ち止まって静かにしていないとガスの匂いや噴出する音に気づかないでしょう。噴気口のあるところには植物が生えないと思っていましたが、この山は緑で覆われています。ガスの噴出量が少ないのでしょう。

上高地から焼岳北峰までは約2時間から2時間半でたどり着けます。岩場があるのでスニーカーやトレッキングシューズが必要ですが、山頂からの眺望を得られることを考えたら、登ってみる価値があります。
上高地のバス停から焼岳登山口までの道はややこしいです。観光客向けの遊歩道があちらこちらに設けられているためです。梓川沿いを田代橋まで歩いて対岸に渡ると門構え風の西穂高岳の登山口が現れます。ここを左に折れて焼岳登山口に向かいますが、焼岳登山口までは車道歩きとなります。治山や営林の作業用の道路ですが、路面を見ると頻繁に車が通っていることが分かります。
登山道は登り始めは緩やかな勾配の道です。木の根に躓きながら登って行きます。1時間ほど歩くと勾配はきつくなってきます。標高2000m付近から森林限界を越えます。ハイマツと灌木に覆われた山肌を登って行きます。新中尾峠から焼岳へ登るのですが、小ピークを一つ越えます。このピークは噴気口があり、耳を澄ますとゴーというガスの音がします。小ピークを越えると中尾峠となります。焼岳の登山道は岩と石の世界です。途中、硫黄を吹き出している噴気口があり、噴気口の廻りは硫黄の黄色い色で染まっています。山頂からは焼岳南峰が間近に見られます。北に目を転じると穂高連峰を一望でき、その先には槍ヶ岳のすくっと立った姿が見られます。

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Yuichi Mizunuma H.N.う

Yuichi Mizunuma (H.N.zen)
当サイトの執筆・撮影とシステムの製作等全てを行っています。
2007-2013にかけて、北海道利尻礼文から九州屋久島まで日本の主要な登山道を歩いてきました。日本百名山は2013年9月に全山登頂を達成。

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2013年まで、春夏秋冬、北海道から九州沖縄まで、ツーリング・登山・サイクリング・パドリング(カヤック)をしています。年間のテント泊数は40泊から60泊程度、日帰りを含めると年間80日くらいはアウトドアにいました。

現在は八王子市に居住中、今後は八王子市から離れることはありません。

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