八ヶ岳は夏沢峠を境に北八ヶ岳と南八ヶ岳に分けられる山脈です。北八ヶ岳は夏沢峠以北を指し、天狗岳から縞枯山、北横岳、蓼科山までは北八ヶ岳と呼ばれます。。南八ヶ岳は編笠山から権現岳、赤岳、横岳、硫黄岳までを含み、夏沢峠までのピークを指します。
南八ヶ岳の主峰は標高2899mの赤岳です。古い火山のため、浸食が激しく鋭い山稜をしています。赤岳から横岳、硫黄岳の区間が赤岳登山の核心部でしょう。赤岳から横岳にかけては岩稜を歩き、ハシゴ場、クサリ場が設けられていて、初心者が恐怖のあまり立ち往生していて、よく登山渋滞を引き起こします。
赤岳の登山道で最も利用者の多いのは美濃戸口から入山するルートでしょう。このルートは直接赤岳に至るルートと、硫黄岳に出てから赤岳に至るルートの二つがあります。
美濃戸口から硫黄岳を経て横岳、赤岳へ至るルートの紹介です。
美濃戸口から赤岳鉱泉までは距離にして約2.5kmの半分が未舗装の林道を歩きます。この林道は山小屋の方が使っている様で行き止まり箇所に4WDのジムニーが数台止まっていました。赤岳鉱泉から硫黄岳まではきつい登り坂で、廻りはシラビソの森に覆われています。土の路面で雨の日や雨の直後などはどろんことなります。標高約2629m付近で森林限界を越え視界が開けます。硫黄岳はお盆を伏せた様ななだらかな坂に囲まれた広大なエリアで霧や雲に巻かれたら道に迷いそうです。山頂とおぼしきところには道標が立ていて、北には蓼科山に連なる北八ヶ岳の稜線と頂が見て取れます。東側に噴火口がありますが、山頂からは火口はよく見えません。硫黄岳から夏沢峠へ下るルートからなら良く見えます。頂の表面は月の表面の様に灰色がかっています。
硫黄岳から横岳までの道はコマクサの人工的に植えられている区間で七月下旬には満開の花を楽しむことが出来ます。コルの道はだだっ広く大きなケルンが積まれています。霧に包まれて方向を見失ったときに、このケルンは役に立つでしょう。
横岳は初心者がハシゴ場やクサリ場に慣れる第一歩と位置づけられている様で、沢山の登山者で賑わっています。殆どの方が岩峰に不慣れなので、横岳のクサリ場、ハシゴ場は登山渋滞をよく引き起こします。横岳の山頂からは赤岳へ至る稜線がはっきりと見られます。一筋の登山道が山頂まで延びているのが印象的です。
横岳から下ってコルを赤岳に向かって登る道は急勾配です。岩の道です。七月上旬にはこの道の脇にミヤマノエンドウが花を咲かせています。急登坂を登り切ると赤岳山頂小屋があり、すぐ側に赤岳の山頂があります。
山頂からは北に北八ヶ岳の稜線が見えその先端にユニークな山容の蓼科山が見て取れます。南を見ると富士山が見られます。東は中央アルプス、北アルプスが見られます。
横岳を過ぎると赤岳のコルまで下り坂が続きます。赤岳山頂への道は岩場の急登坂路です。
美濃戸口から行者小屋を経て赤岳山頂へ至るルートの紹介です。
美濃戸口の赤岳山荘はテント場が無く、駐車場の空いているスペースにテントを張ります。一張り500円です。
美濃戸口から行者小屋までの道はシラビソに囲まれている沢沿いの勾配の緩やかな道です。午後4時頃になっても10名を超える登山者が登って来ます。それも複数のグループが登ってきます。登山者が多い割には未整備区間が多く、大きな石がごろごろしていたり、枯れた沢を歩いてみたりします。
行者小屋は人気の小屋で、午後3時にはテント場は一杯となります。早めに着くことが必要でしょう。
行者小屋から先の道は岩場の急な坂道で、赤岳山頂直下でキレットからの道と合流します。山頂は岩峰の一座で、視界が広やかです。ただ、スペースは狭く登山者がゆっくりとくつろげる場所ではありません。
真教寺尾根ルートは赤岳登山ルートの中では最も難易度の高い道と言われています。小海線清里駅が起点となりますが、中腹まで車道が通っているのでタクシーを使う手もあります。車道を歩いて美し森山までゆっくと登山口があります。美し森山はハイキングコースのようでリフトが設けられています。山道を歩いて行くと標高1903mに賽の河原が現れます。火山には付きものの賽の河原ですが、ここの賽の河原は様子がおとなしくおどろおどろしい感じがしません。
真教寺尾根の樹相はシラビソが主でそれに混じってコメツガやダケカンバが見られます。日差しは届かず鬱蒼としています。標高2412m付近からクサリ場が現れて来ます。標高2631m付近のクサリ場はとても長く、岩場も険しいので鎖なしで登るのは困難です。クサリ場を過ぎると岩場の急登坂路となり赤岳山頂に至ります。
阿弥陀仏岳コースの紹介です。
登山口は美濃戸口から少し離れた別荘地の中にあり、とても分かりづらいです。登山口を示す標識も立っているのですがまばらであまり役に立ちません。入山すると尾根に取り付くまでの急峻な坂道を登りますが、距離は短いです。稜線を登って行くと御小屋山分岐と書かれている道標が立っていて目印となります。御小屋山は稜線上の一つのピークですが道標は立っていません。
標高2296mにある不動清水のあたりまでは、平坦で歩きやすい道になります。シラビソのダケカンバの混じった樹林の尾根道で、地面は蘚苔類で覆われていて青々としています。シラビソと蘚苔類の組み合わせは夏沢峠以北の北八ヶ岳とよく似ていますが、雰囲気はやや違っていて、北八ヶ岳の樹林の方がよりウェットの様に感じます。御小屋尾根の樹林にはウェット感が薄く、からりと乾いている印象です。
不動清水から勾配は急となります。ザイールが1本垂れている箇所もあります。土の路面で雨の日や雨天直後は滑って歩きにくいです。阿弥陀仏岳まではハイマツ漕ぎの道となります。小さな岩峰があります。阿弥陀仏岳から赤岳へは深いコルを下り登りします。コルへ下る道はクサリ場やハシゴ場があり、道の悪さと相まって初心者には厳しいでしょう。阿弥陀仏岳は途中から文三郎尾根に合流します。
県境尾根コースの紹介です。
県境尾根の登山口は野辺地駅から八ヶ岳へ少し入った所にあります。数台の駐車スペースがあります。カラリと空気の乾いた野辺地は良いところです。
県境尾根登山道は利用者の少ない道です。週末でも殆ど人を見かけません。山火事対策として樹木を切り倒して平らにする防火線が登山道と重なります。防火線の道は意外に長く時間を取られます。
防火線の頭を過ぎると、道は踏み跡程度となり、ところどころでは踏み跡も消滅してしまっています。小さなピークを幾つか越えます。登り一方の下りの少ない道です。標高2148m付近で清里口登山道と合流をします。このあたりは樹林地帯ですが、木が疎らなのか日が差して明るい雰囲気です。標高2193m付近にある小天狗と言うピークは樹林が無くて赤岳を見ることが出来ます。標高2373m付近から勾配が急となります。大天狗ノピークはシラビソに覆われていて眺望は得られません。
大天狗から道が悪くなり、岩場に参道が設けられたり、クサリ場、ハシゴ場が随所に現れてきます。長い梯子を登って行くとそこが赤岳の山頂です。
硫黄岳から夏沢峠へ下るルートの紹介です。
夏沢峠は峠らしい地形です。明治時代から昭和初期にかけて実際に生活道路として使われていたそうです。硫黄岳からの坂道は急で右手に硫黄岳の爆裂火口を見ることが出来ます。
峠には二軒の山小屋があります。
小淵沢駅から編笠山、権現岳、キレットを通る登山道の紹介です。
このルートは赤岳登山よりも南八ヶ岳を縦走するのに用いられることが多いです。小淵沢駅から登山口のある富士見平まっでは徒歩で約3時間かかります。路線バスはないので歩くかタクシーを利用する様になります。車道歩きは眼前に編笠山や権現岳が見えるので歩いていて張り合いがあります。観光地らしく別荘と思われる建物が多く、狭い舗装林道風の道路に瀟洒な喫茶店やレストランがぽつんぽつんと建っています。甲信の両国でよく出会うのが武田信玄由来のの伝承ですが、八ヶ岳山麓には伝承ではなく、考古学的に発掘されたらしい、武田軍の軍用道路が信玄棒道と言う名で保存されています。これを横切り登って行きます。某道の名の通り、八ヶ岳山麓の山襞を直線的に作られています。
富士見平から登山道になります。急な坂道で数カ所僅かな面積の平がある程度の道です。編笠山の山頂は石で覆われていて眺望が得られます。南を見ると南アルプスが一望できます。北は天候が良ければ八ヶ岳連峰が見られるでしょう。山頂を下って行くと乙女平の青年小屋にたどり着きます。
青年小屋から権現山までは約1時間30分ほどです。ちょっとした岩場の道で経験者なら苦も無く登れますが初心者には厳しいかもしれません。クサリ場もあります。急峻な坂道を登り切ると稜線に出ます。痩せた尾根で西側は崩落した様な崖となっています。小石を投げ込んでもカランカランと落ちる音はしても地面に衝突する音は聞こえませんでしたので、相当な標高差の崖のようです。痩せた岩の尾根にはハイマツが茂っているところもあれば、森林限界を超えてハイマツはなくなり、七月上旬にはイワベンケイやハクサンイチゲ、イワヒゲ、ゴゼンタチバナ、コイワカガミなどの高山植物が花を咲かせている一帯もあります。
権現小屋が見えてくると、その先が権現岳の頂です。岩の頂で狭く、周りの岩場を含めても10名とは人が座れないでしょう。
権現岳を過ぎると本格的な岩場の道となります。殆どの岩場は足だけで登れますが、ところどころにハシゴ場やクサリ場があります。この岩場にはチョウノスケソウが白い花を付けています。キレットを下って行くとやがてキレット小屋にたどり着きます。この周辺は人工的に植えられたコマクサの花が見られます(標高2458m付近)。
キレットからは岩場の急峻な登り道です。チョウノスケソウが白い花を咲かせています。ヤセ尾根の岩稜の上の道をつめて行くと赤岳山頂に至ります。
南八ヶ岳と呼ばれる山域の最北端のピークです。爆発で吹き飛んだ噴火後が、東がわに火口壁として残されています。硫黄岳が噴火で山頂を吹き飛ばすまで、八ヶ岳の標高は3000mを超えていたと推定されています。
docomo 4本
名前の通りに横に長い山頂を持つ山です。山頂は岩峰がノコギリの歯の様に林立しています。赤岳から硫黄岳まで縦走する場合の難所となっています。北斜面に保護されているコマクサの大群生があります。
docomo 4本
阿弥陀仏から美濃戸口、ないし舟山十字路までの登山道がある尾根です。整備はされているものの、樹木の枝の刈り払いが追いつかない様で、道が隠れて閉まっている箇所も有ります。急峻な斜面が阿弥陀仏岳の東斜面にあり、そこを登り下りします。
docomo 3本
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