栃木県と福島県にまたがる南北10kmの火山群の総称が那須連山です。三本槍ヶ岳が最も古い火山30万年前に噴火、次いで朝日岳や南月山が20万円前から10万年前に噴火、現在火山活動をしているのは茶臼岳です。
那須連山の主峰は茶臼岳で山裾に若干の植物が生えているだけで中腹から山頂まではごく僅かの高山植物が見られるだけとなります。茶臼岳は平野部から見上げると特徴的な溶岩ドームが見られます。最後の大きな噴火は室町時代に起きています。
最高峰の三本槍ヶ岳は古くに火山活動を終えた山なので山頂まで緑色をしています。名前の由来は会津藩、那須藩、黒羽藩の三藩が領地の確認をするために山頂で槍を立てたことです。
主なピークは茶臼岳、朝日岳、三本槍ヶ岳、南月山、中の大倉山です。道が四通八達しているので季節や天候、体力と相談して歩けます。
一番利用者の多い登山道は峠の茶屋から入るルートでしょう。鞍部の茶屋峠の下まで車道が延びていて、県営駐車場もあります。茶屋峠から左にゆくと茶臼岳、右にゆくと朝日岳・三本槍ヶ岳、そのまま直進をして下ると三斗小屋に至ります。距離的に短いのは茶臼岳です。左に折れる登山者が多く見られます。道は岩場ですが特に危険を感じる箇所はありません。山頂直下に岩の急斜面があります。山頂は深く窪んだ噴火口を半周して至ります。眺望は良く、眼下には那須高原、南には南月山へ至る稜線、北には中の大倉山の山塊が見られます。
ロープウェーの山頂駅があるので、登ってくる人は多いです。
茶屋峠を右に折れると三本槍ヶ岳へ通じる道となります。岩で出来たヤセ尾根を通り、一部クサリ場もあるのでこちらのルートを取る方はそれなりの装備と経験が必要です。ヤセ尾根の先は朝日岳があります。眺望の開けた頂ですが、一番の見物は茶臼岳の溶岩ドームでしょう。
三本槍ヶ岳へは岩峰を幾つか越え、湿地帯を抜けると急勾配の山頂直下の道になります。頂からは朝日連峰や飯豊連峰など北の山々が見られます。眼前には中の大倉山が控えています。季節によってはゴゼンタチバナとウサギギクの花と言った高山植物にも出会えます。
南月山の登山口は沼原池の近くにあります。近くに観光地の沼原湿原があり、開花の時期には大勢の方が訪れるので、広い駐車場を持っています。登山道は最初はなだらかな勾配の道を歩きます。中腹から勾配がキツくなり、やがて白笹山のピークに至ります。ここから鞍部を通って南月山にたどり着けます。南月山は山頂こそ森林限界を越えていますが、山頂直下は樹林帯です。ここから日の出平までは緩やかな勾配の鞍部があり、火山礫や火成岩の軽石が地面を覆っています。
甲子温泉大黒屋の駐車場から登り始めるとスギとヒノキに覆われた神社があります。ここはほぼ国道289と同じ高さに有り、国道からの踏み跡が付近の登山道と繋がっています。
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甲子温泉大黒屋の駐車場を通り抜けると登山口が有り、甲子山もしくは甲子峠へと登れます。急勾配の斜面を登りますが登山道はジグザグに切られているので、歩く勾配はそれほどきつくはありません。
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甲子山と三本槍ヶ岳の縦走路の中ほどにある無人無料の避難小屋です。平成20年の建築で、まだ室内には木の香りがします。
三本槍ヶ岳と大峠を挟んで北西に延びる稜線は大倉山、三倉山を経て唐沢山の1692mのピークをもって終わりとなります。大峠からのアプローチは大変に時間が掛かるために、このピークに登るのは利用者の少ない音金の稲荷神社登山口からの登山者に限られています。地図には唐沢山と書かれていますが、現地の表示は空沢山となっていました。
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大峠から空沢山に続く稜線の最高峰が三倉山です。この稜線の上に葉北に一ノ倉、南西に大倉山の小ピークがあって、小さくアップダウンを繰り返す登山道が設けられています。殆どの登山者は大峠からのアプローチをしています。三倉山の山頂付近は高山植物は少ないですが、途中の工程の大峠から大倉山にかけての登山道は花にあふれています。
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那須連山の最高峰の三本槍ヶ岳から古道の大峠まで、見晴らしの良い稜線の道を歩きます。5月一杯残雪に覆われていますが、5月下旬から高山植物の花が咲き始め、那須連山の屈指の花の楽しめる登山道となっています。
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江戸時代初期に開かれた会津中街道の最大の難所が大峠です。西に流石山、東に三本槍ヶ岳が迫った鞍部は、いかにも古道の峠の雰囲気を持っています。
林道大峠線で大峠の直ぐ下まで車で移動できるので、大峠からの入山者は峠の茶屋県営駐車場に次いで多くいます。
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那須連山の最高峰(1916.9m)です。「槍ヶ岳」の名称の由来は、この山頂を国境としていた江戸時代の会津藩、黒羽藩、白河藩の三藩が端午の節句に国境を確認するためのおのおの登って来て槍を立てたことに由来しています。
東、北、西に視界が開けていて、天候が良く空気が澄んでいる日なら、東に日光連山や尾瀬の山々、北に磐梯山や飯豊連峰や朝日連峰が見られます。
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江戸時代初期に会津中街道が開かれたときに、設けられたのが三斗小屋宿です。街道を往来する旅人の宿場としての利用はもちろん、那須岳信仰の参拝者にも利用されていました。十数軒から最盛期には二十数軒がありました。昭和30年代に最後の一軒が立ち退き、廃村となりました。戊辰戦争の戦跡でもあります。
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主峰の茶臼岳と最高峰の三本槍ヶ岳のほぼ中ほどにあるピークです。森林限界を越えた山容は那須連山の中で最もアルペン的な山容を持っています。峠の茶屋県営駐車場から登山道を上ってくると、森林限界を越えた地点で正面にその美しい山容を見せてくれます。
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三斗小屋温泉と茶臼岳の下の牛ヶ首を直線的に結ぶ登山道が通っているのが姥ヶ平です。姥ヶ平のすぐ南には姥ヶ平下分岐があって、沼原湿原への道が分かれています。
姥ヶ平は明治の噴火で植物が一時絶滅してしまったところです。現在はハイマツやシャクナゲなどが点々と生えていて、植物の回復途上にあります。
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主峰の茶臼岳と朝日岳(正確には剣ヶ峰)の鞍部にある無人無料の避難小屋です。那須湯本から登ってくる登山道はこの峠を越えて三斗小屋温泉へと通じています。大変に西風の強い箇所としても有名です。
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三斗小屋温泉から延命水の分岐を経て峠の茶屋跡避難小屋までの登山道は、三斗小屋温泉の利用者に良く歩かれています。高低差が少なく歩きやすい遊歩道的な道です。
三斗小屋温泉から峠の下までほぼ標高1500mの等高線に沿って歩きます。
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那須連山の主峰です。成層火山の上に溶岩ドームが乗っています。東北本線を黒磯駅の辺りから見上げると、特徴的な茶臼岳に視線が集まります。山頂には温泉神社の奥の院が祀られています。大きな噴火口が一つ、小さな噴火口と極小さな噴火口がそれぞれ一つずつあります。
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主峰の茶臼岳と日の出平の鞍部が牛ヶ首と呼ばれています。峠の茶屋跡とロープウェー山頂駅を茶臼岳を登らないで結ぶ遊歩道の分岐ともなっています。ベンチが多数も受けられていてハイカーの格好の休憩ポイントとなっています。ここから見上げた噴煙を噴き上げる茶臼岳は圧巻です。
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主峰の茶臼岳から南に派生した尾根は南月山、白笹山のピークとなりますが、それらのピークと茶臼岳の間にあるなだらかな広がりが日の出平です。沼原湿原に至る道が分岐しています。
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那須連山にある高層湿原です。発電用の沼原池が作られたり開発の波にもまれている湿原ですが、それでも沢山の花が咲いています。車でのアプローチがしやすいので多くの観光客や写真家が訪れています。
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茶臼岳の南に延びる尾根で一番顕著なピークが南月山(みなみがっさん)です。名称の由来は出羽三山の月山から取られたものですが、本来は那須連山の主峰の茶臼岳を南月山と称していました。茶臼岳に名称が変わったので南月山の名前が南にあるこのピークに移ったようです。
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古道の会津中街道を三斗小屋宿跡までたどるルートの登山口となるのが、沼原湿原(ぬまっぱら)です。登山者の利用は大変に少ないですが、沼原湿原を巡る観光客や写真家の車が多く駐車しています。週末には大型バスが乗り入れることもあります。水洗トイレが併設されています。
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