戸隠山(標高1904m)を奥の院とした戸隠連峰は、中世から江戸時代にかけて、修験道と密教の山として信仰を集めていました。現在もその当時の名残の五地蔵山と言う名称があります。戸隠連峰は岩の屏風の様な特異な景観をしていて、北アルプスから眺めても一目で分かります。戸隠連峰を東に見ると連峰の最高峰高妻山(標高2353m)があり、その稜線の先には乙妻山(標高2314m)があります。高妻山は日本百名山の一座です。
高妻山の登山口は戸隠牧場(標高1190m付近)にあります。駐車場を突き切って進んだところが登山口です。このあたりは舗装路です。駐車場から入山するにはゲートの脇を通り過ぎます。牧場からは五地蔵山が遠望できます。牧場内をのんびり歩きやがて登山道となり,沢沿いの道を歩きます。数回徒渉をしますが、目印を見ていないと道を見失うかもしれません。徒渉の時、川の中の石を踏みますが滑りやすいので注意が必要です。標高1496m付近に細い滝があり、その脇にクサリ場が設けられています。滝を登り切ると最後の水場の氷清水(こおりしみず)があり、地図には一盃清水と書かれています。標高1576m付近に、斜めに岩の上を歩く鎖場があり、この鎖場は岩場歩きになれた人には鎖の必要も無い程度の箇所ですが、下は数十メートルの崖で滑りやすい岩の上を歩くので恐怖感を抱きやすい箇所です。岩がゴロゴロしている登りをつめて行くと二不動の分岐にでます。避難小屋が建てられていまが、一般的な登山者の利用は禁止されています。二不動から樹林の中を歩きますが、時折視界が開け眺望が得られます。五地蔵山へ登る間は幾つものピークを上り下りして行きます。五地蔵山(標高1996m)は稜線上のいちピークですが山麓から見上げると立派な山容を誇っていますが、山頂の標識のあるところよりも最高地点はもう少し先にあります。五地蔵山の最高地点は絶好の展望台で北アルプス、南アルプス、富士山まで遠望できます。目を東に転ずると黒姫山が見られます。
五地蔵山を越えると人の背丈を超える高さの笹尾根を登ります。稜線歩きは眺望が開けていて、頸城三山の焼山、火打山、妙高山が見られます。最後のピークを過ぎると高妻山が厳しい勾配を持った登山道を見せています。高妻山の山頂は岩場で視界が開けていて、北アルプスの後立山連峰が一望できます。眼下には飯縄山が見えます。遠く富士山も見られます。
高妻山から乙妻山へ至るには、岩の崖を下ります。高妻山と乙妻山の間のコルには池が涸れた跡があります(標高2241m付近)。乙妻山の頂には三角点はありますが、乙妻山の山頂と記された道標はありません。乙妻山の頂きも森林限界を越えているので眺望はすこぶる良いです。ただ、高妻山の方角だけは視界が遮られています。
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