福島県と群馬県の県境にある尾瀬沼、尾瀬湿原を中心とした地域の総称です。福島県側には燧ヶ岳、群馬県側には至仏山があります。関東地方と東北地方にまたがる地域です。ここでは東北地方にしました。
尾瀬沼の畔に立つ燧ヶ岳は福島県に属します。湖畔から見上げる燧ヶ岳は端正な円錐形をしています。燧ヶ岳の登山口は幾つかありますが、最も多いのが御池から入山するルートでしょう。
御池から登り始めるといくつかの小さな湿原を通り抜け、ミノブチ岳に至ります。小さな湿原の多くは6月というのに干上がっています。ミノブチ岳から燧ヶ岳まで残雪が多くありますがアイゼンの必要はありません。俎グラまでは比較的楽な道のりです。
俎グラの山頂からは北東に平ヶ岳、南西に日光連山が一望できます。振り返ると会津駒ヶ岳の大きな尾根が見られます。しかし西の展望だけは柴安グラがでんと構えていて見られません。
すぐ隣の柴安グラを往復しても時間はたいしてかかりません。
復路は元来た道を戻っても良いし、長英新道を下るのも良いです。長英新道は森林の中の道で景観はありませんが、終点から尾瀬沼を一周できる遊歩道を歩くことが出来ます。静かな湖面は一見の価値がありますが、沼の北がわの道は殆ど木道で出来ていて、登山者には物足りなさを感じさせます。沼の南岸の道は湖面に燧ヶ岳が映えます。
このルートは沼山休憩所で路線バスに乗り換えて御池へ向かいます。
見晴新道は大雨の影響でかなり荒れています。
このルートは日帰り登山で登るよりは、燧ヶ岳を越えて至仏山へ至る登山者が利用するようです。道は土石流が流れたらしく、巨岩巨木が道を塞いでいます。しかし人はたくましいもので、すぐにこの荒れたルートを歩ける様にマーキングがなされていました。このため登り道が分からなくなると言うことは無いです。
中腹まで土石流跡のルートを通り、山頂に至ります。
ナデッ窪登山道は残雪の多い春から夏にかけては通行止めとなりますが、9月には通れる様になります。
岩がゴロゴロしていますが、岩場歩きになれた方ならそれほど苦にはならない道です。ただ初心者は避けた方が良いです。名前のごとく窪地を通る道なので風を遮ってくれます。
長英新道は森林の中を淡々と歩いて行く登山道です。勾配はやや急なところもありますが、歩きやすい道です。御池ルートを上って下りはこのルートを取るのが賢明です。
尾瀬湿原から燧ヶ岳と至仏山が対峙しています。
至仏山は群馬県に属しています。
至仏山は蛇紋岩という超塩基性の岩石の山なので、一般的な高山植物が生えにくく、オゼソウ、ホソバヒナウスユキソウ、タカネバラなどの蛇紋岩に適した植物が見られます。山頂は岩肌で出来ています。尾瀬湿原の見晴台の様な山で、眼下に湿原を一望できます。
山頂には立派な石碑が建てられています。
森林限界は遙か下なので景観は見放題です。天候に恵まれていれば尾瀬湿原を挟んで対峙する燧ヶ岳を見られます。
登山ルートはいくつかあります。
一番利用者の多い登山ルートは尾瀬ヶ原から取りかかる山ノ鼻山道ですが、このルートは5月6月は通行止めの入山規制がされています。また登山も一方通行で登りは山ノ鼻ルートを取っても下りは鳩待峠ルートを取ることになります。入山直後は木道の登りでハイキング感覚で歩けます。しかし1600m付近には「ここから森林限界」と書かれた標識が立てられているあたりから岩場(蛇紋岩)の道となります。蛇紋岩はつるつる滑る岩肌を持っているので滑って歩きにくく、勾配も急なのでクサリ場が設けられています。
鳩待峠の道は日帰りで手軽に至仏山に登れるルートです。
最初、小至仏山を目指します。かなりの急勾配の道が続きます。道の廻りはシラビソの樹林ですが眺望が少しあり、燧ヶ岳の三角錐の山容が見られます。
小至仏山を過ぎると勾配は緩やかとなり楽になります。蛇紋岩の上の道となるので滑りやすいです。森林限界を越えているので前後左右に眺望が楽しめます。緩やかな坂道をしばらく歩くと至仏山に至ります。
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エリア » 尾瀬(燧ヶ岳・至仏山)