阿蘇山は世界規模のカルデラです。カルデラが出来た際の大噴火の痕跡は鹿児島県を除く九州全県と海を隔てた山口県まで及んでいます。現在活動している活火山は中岳(標高1506m)で、定点カメラで監視されています。遊歩道が整備されているので、誰でも手軽に活火山の噴気を見ることが出来ます。俗に阿蘇五山と言われますが、四座は中岳の周囲に固まっていて、根子岳(標高1337m)だけが半独立峰的に位置していて、登山口も別個にあります。日本百名山の一座です。
阿蘇山のカルデラを作った最後の巨大噴火は約9万年前に起こっています。その後、中央火口丘が活発な火山活動をしており、3万年前以降は北東部の中岳や高岳などの成層火山の活動が起こりました。7300年前から中岳成層火山の噴火が現代まで続いています。
北の仙酔峡登山口らロープウェーのケーブルに沿って、コンクリート製の階段が設けられています。途中で見かけた指導標には仙酔峡から高岳山頂まで4.85kmと書かれていました。この登り道は、途中に一部砂利の道がありますが、ほぼ全区間舗装です。この道は登山道ではなく、ハイキングの道でもなさそうです。観光客のための道でしょう。ロープウェーの山頂駅から歩道を上って行くと、阿蘇岳の噴火口が見下ろせる展望所にたどり着きます。荒涼とした風景の中の歩道で、道の先の火口壁の上にコンクリートで出来たトーチカのような建物が見えます。噴火の際の避難場所です。
遊歩道はここまでで、ここから中岳、高岳の道は登山道になります。活火山なので樹木は全くなく、すこぶる良好な眺望が得られます。中岳から高岳の火山礫に覆われた稜線から仙酔峡に通じる道があります。この道は登山道で、火山礫がごろごろしています。かなり傾斜のきつい箇所もあって、観光客の通過は無理でしょう。
高岳から岩場の道を下ります。厳しい岩場のあるルートです。
根子岳登山は阿蘇の中央火口丘から離れたところにあります。釣井尾根と書かれた指導標が車道の奥に立っています。小さな標識ですが、人の目の高さと、足下の高さの2つがあるので、見落とすことはないでしょう。入山口の辺りは幹の細い広葉樹に、下草がぼうぼう生えていました。
登山口から少し斜面を登ると防火線の様な草地にかかります。樹木が切られて草地となっている斜面の真ん中に登山道が延びています。登った尾根の上はススキに覆われていました。この尾根には別の入山口からの登山道が通っていました。
道は細く土の路面です。
ススキの尾根道はやがて樹林の中の尾根道となります。この尾根道は高度感のあるヤセ尾根での様に見えます。樹木の丈はあまり高くなく、人の背の倍はありません。斜度がきつくなると、土の路面が滑る様になります。木の枝に捕まってロープのように登ったり、木の根に足をかけて登ります。ロープか鎖があれば楽に登れるような箇所なのですが、そうした設備はありませんでした。あまり整備はされて居ないのでしょう。足下には、笹が目立つようになります。ガレ場注意の標識の先に、ロープが張ってあります。慎重に登り、笹の中の小道を歩いて行くと、山頂にたどりました。山頂には小さな岩と三角点があります。
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