霧島山は日本百名山の一座です。数多くの火山のピークがある他、マールと呼ばれる火口に水が溜まる池が多くあります。霧島山は一つのピークを指すのでは無く、宮崎県と鹿児島県の領域に広がる火山群の総称です。主峰は高千穂峰(標高1574m)ですが、最高峰は韓国岳(標高1700m)です。活火山のピークは高千穂峰の脇に噴火口を持つ御鉢と、新燃岳の二座で新燃岳は平成年間に噴火活動を起こしました。高千穂峰登山口からは中岳、新燃岳、韓国岳、大浪池山と続く縦走路があります。火山の連山らしく各ピークの山頂は樹木が無く、すこぶる眺望が良いです。
霧島山の活動的な活火山は新燃岳と御鉢の二座です。この両山は有史以降、しばしば噴火を繰り返しています。御鉢は奈良時代の788年に噴火、鎌倉時代の1235年、南北朝時代の1350年に溶岩を噴出する噴火を起こしています。その後も噴火を繰り返し16世紀に6回、17世紀に11回18世紀に2回、明治時代に14回、大正時代に3回の噴火を起こしています。噴火はブルカノ式噴火やマグマ水蒸気噴火を続けています。
新燃岳は江戸時代1716年に大規模なブルカノ式噴火を起こしています。その後、1959年、1991-1992年、2008年、2010年には水蒸気噴火を行っています。2011年にはプリイー式-ブルカノ式噴火を起こしています。
高千穂峰は江戸時代から登られてきた山です。坂本竜馬が妻おりょうを伴って登ったことは有名です。
登山道は大きな鳥居をくぐり、山頂へと向かいます。登り始めは遊歩道的な道ですが、やがて石造りの階段となって行きます。樹木が斑に生えていますが、初冬(2009/11/23)と言うこともあって葉が全部落ちています。石の階段を終えるとお鉢の岩礫に道が変わります。地面は赤茶けた火成岩の礫が覆っています。傾斜は急ですが視界はとてもよく、北に韓国岳に続く連山が見られます。
斜面を登り切ると御鉢(標高1408m)の噴火口の縁に出ます。火口壁の上を高千穂峰に向かって歩くと、鞍部を過ぎます。古の霧島神社のあった場所と、案内板に書かれています。この辺りを地図で見ると、鹿児島県と宮崎県の県境が不自然な形をしています。御鉢、高千穂峰と言う神聖な地域を薩摩の国と日向の国の両国で分け合った名残かもしれません。御鉢の噴火口は深くて印象的です。
鞍部を通って高千穂峰の登りにかかると、岩礫、砂礫の斜面に、ジグザグに道が切られています。足の踏ん張りのきかせにくい道です。一歩登ると、体重をかけた足下の砂礫が支えきれずに、半歩下がる様な斜面が山頂まで続きます。
高千穂峰の山頂は360度の眺望が得られます。北に霧島連山の頂が並び、南には大隅半島と薩摩半島に挟まれた錦江湾が見えます。有名な天の逆矛も立っていました。
高千穂峰の登山口から中岳、新燃岳を経て韓国岳まで縦走をします。
高千穂ビジターセンターから中岳までは遊歩道が延びています。木道と木製の階段で出来ている道です。中岳の道は芝草に覆われた道で、樹木というものが見あたりません。活火山だからでしょう。そのため、思い切り見晴らしのよい道となっています。振り返ると高千穂峰が見えます。中岳(標高1334m)の山頂は外輪山の一角です。芝草が禿げて火山礫に覆われた一角が最高所の様で、中岳山頂の標識がありました。山頂からふり返ると、高千穂峰に朝日がかかっていました。高千穂峰の先に錦江湾と桜島が見えます。中岳の噴火口を見ると、水が涸れた火口湖の跡が見えます。水の跡はわずかな面積で、水があったとしても印象の乏しい火口湖だったでしょう。
中岳から新燃岳(しんもえだけ)(標高1421m)までは、芝草に覆われた鞍部を通ります。霧島山や阿蘇山ではおなじみの光景ですが、北海道から本州、四国ではちょっと目に出来ない珍しい風景です。新燃岳は活火山で噴気が見られました。中岳の噴火口の水が涸れているに比べて、こちらの山の噴火口はまだ水を残していました。火口は大きく、外輪は狭く刃物の刃の様に感じます。活火山の新燃岳には、有毒ガスのために、芝草も生えてはいませんでした。火口湖の水は青緑の色をしています。
新燃岳を過ぎると目立ったピークはなくなり、中休みの様な景観のかなを歩きます。韓国岳は霧島山の最高峰だけに、少しだけ急な登りがあります。火山のがれきが路面を覆っているので歩きにくくもあります。韓国岳の頂は数十組のグループがお弁当を広げていました。地元の人のいこいの場所の様です。話を聞くと硫黄山から入山をしているそうで、一番歩きやすいルートの様です。
大浪池山(標高1411m)の外輪山を巡るルートは東と西がありますが、大浪池山の東を廻って県道に降りるルートを選びました。東回りのルートには、大浪池山の三角点があります。大浪池山は東りコースには最高峰があるほか、太陽を背に受けて大浪池が見られます。道はよく整備されていますが、思ったほどには池が見られず、時折、岩場から顔を出して大浪池の全景を見ていました。東回りコースと西回りコースが合流する地点で、大浪池に降りられる道があります。池まで降りてみると、絶壁に囲まれた大浪池の湖畔に立つ事が出来ます。
外輪の低い箇所が県道とつながっていて、そこから県道までは遊歩道となっています。
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