剣山(標高1955m)は日本百名山の一座です。西日本では二番目の高峰です。草木に覆われたなだらかな山容は、北アルプスの鋭い山容の剣岳とは異なっていて、山容から剣の文字が選ばれたのとは違うと言われています。一例としては平家物語にも出てくる安徳天皇が壇ノ浦では入水せずに生き残り、阿波国の祖谷に隠れ所持していた三種の神器の内の宝剣を剣山に埋葬したと言われる説があります。見ノ越の登山口からの標高差は約400m、登るとすれば物足りなく感じる登山者もいるでしょう。そのようなときには隣の山の次郎笈への登山路を取ると中々歩きゴタエのある山道となります。
登山口はさすがに観光の名所らしく立派です。1車線の国道438を20km以上も走らなければならないにもかかわらず、どの駐車場も一杯です。駐車場には無料でトイレがあり、水も飲めるので、車中泊している登山者が多くいます。
登山道はまず剣山神社の参道を通った後から山に入ります。参道の脇に湧水が有るので、飲み水として補給します。苦みがなく美味しい水です。
登山道は複数有りますが、最短距離で登る道はやや勾配がきつい道です。他の道の勾配はなだらかで登山と言うよりはハイキング感覚で歩けます。リフトがあるので手軽に登れるからでしょう。
さすがに2000m近い高山と思えるのは、トリカブトの紫色の花を見つけたときです。トリカブトやリンドウが花を咲かせています(九月下旬)。
山頂には小屋というか売店があり、使用を終えたらしい気象観測の鉄塔などもあり風情に欠けます。山頂はなだらかな丘の様な地形です。寝転がったら気持ちが良さそうですが、人が歩ける範囲は決められているのでそうしたことは出来ません。
山頂に立つと正面に次郎笈(じろうぎゅう)(標高1930m)が見えます。山容が立派なのと距離が近いので寄り道をしましょう。次郎笈へは一度コルを下ってから登るのですが、坂はさほどきつくはありません。歴史的な伝承と標高の高さから剣山の陰に隠れて名前の知られていない次郎笈ですが、頂きに立って名山の資格が十分にあると感じました。
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