栃木県と群馬県の県境にある山で、日本百名山の一座です。標高は2144m。奥深い山地の中の一座なので登山道入口からかなりの距離を歩きます。登山道は二つあり、群馬県側と栃木県側です。表参道は栃木県側で庚申山の奥の院が皇海山だったと言われています。
アプローチが楽なのは群馬県側です。栗原川林道(もちろんダート)を10数キロつめると20台ほど車を駐車できるスペースがあり、ゲートがあります。このゲートは開いていることも閉じていることもあります。ここが群馬県側の登山口です。ただ、栗原川林道は延長34.2kmのダートを繋ぐ林道なので普通乗用車で走るのはかなりしんどいです。林道なので落石や土砂災害でよく通行止めにもなります。
表参道となる庚申山ルートは、栃木県足尾町の銀山平から入山します。林道のゲート(標高843m付近)まで車で行き、ゲートの先は林道歩きをします。林道はガレ場で坂も急です。
登山口は一の鳥居と呼ばれています。途中の標識には必ず一の鳥居まで何キロと書かれているので、覚えておいた方が良いです。一の鳥居から猿田彦神社の跡地までは参道の名残で登山道としては道幅が広く歩きやすい道です。猿田彦神社の跡地には分岐があります。右に折れると宇都宮大学山小屋があり、もう一方の道は庚申山荘へと通じます。
庚申山までは踏み跡程度の道が続きます。途中で踏み跡を見失うと、樹木に着けられたピンクのマーキングを探します。これで道迷いも防げます。それでも道に迷ったときには定石のごとく高い方へ登れば庚申山にたどり着けます。庚申山の山頂はあっけないほど素っ気ないものでした。山頂の左側にわずかに眺望が開けたところがあります。庚申山信仰の往時を示すものは、登山道脇に立っていた文久三年と刻まれた石碑だけでした。
庚申山を越えると長い下り坂となります。途中のピークには御岳、白山、剣ノ山などの名前が書かれた木の札が貼られていました。小さなピークでも名前を付けたことや、岩場や奇巌が多いことから修験道の山であることが分かります。小さなピークですが樹木に覆われていないので視界が開け周囲の風景を楽しめます。上り下りの標高差もそれほどないのでピークから得られる眺望の代償としては安いものでしょう。ピークを一つ越える度に皇海山の景観が大きくなるのが楽しみです。
鋸山の手前のピークから岩山となり、クサリ場や梯子で岩をよじ登る様になります。長い距離を歩いてきた後なので体力を消耗します。鋸山は岩峰で視界が開けます。正面に皇海山の山容が広がります。
鋸山を下り皇海山とのコルで群馬県側からの登山口と合流します。標高は1877m付近です。
皇海山の山頂は樹木に囲われていて眺望は得られません。樹林の中の僅かなスペースが山頂でした。
皇海山から庚申山までのヤセ尾根は絶景のビューポイントで、天候が良ければ日光連山が一望できます。
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