美しい山岳景観を持つ標高2889mの双耳峰の鹿島槍ヶ岳、三つのピークを持つ標高2670mの爺ヶ岳、五色ヶ原から見ると根張りの大きな立派な標高2821mの針ノ木岳を含むエリアです。鹿島槍ヶ岳は日本百名山の一座です。江戸時代、富山藩(金沢前田家の支藩)の山回で立山の後ろにある山が後立山とよばれ、その山が鹿島槍ヶ岳であることが分かりました。明治時代以降に山岳登山が盛んになってくると後立山連峰の名前が生まれました。
鹿島槍ヶ岳は南峰、北峰を持つ双耳峰で、主峰は南峰です。北峰へは吊り尾根尾根を伝って1時間強ほどの時間で往復が出来ます。
登山道は複数あり、最も利用されているのが、扇沢から冷池山荘、爺ヶ岳を経て山頂に至るルートです。
入山口は路線バスが通る扇沢です。黒部アルペンルートへ通るトロリーバスの基地となっています。バス停・扇沢トロリーバス駅から少し下ると登山口があります。また、この周囲には広大な駐車場もあります。扇沢から稜線まではジグザグを切った急登坂路を登ります。途中の沢では九月下旬にはアザミの花が満開となっていて、目を休ませてくれます。扇沢の登山口から種池山荘に至るまでが稜線への登り道となります。
種池山荘の稜線の取り付きから爺ヶ岳まではなだらかな稜線歩きの道で爺ヶ岳の山頂を巻く道があります。標高2670mの爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳南峰まではなだらかな稜線歩き、鹿島槍ヶ岳の吊り尾根から北峰までが岩稜歩きとなります。吊り尾根は馬の背の様な狭い道を歩きますが、北峰の登り道はさほど苦になりません。
山頂からの眺望は南峰の峰が優れています。北峰は南峰が遮蔽物となり戸隠連峰などが見えるだけです。特に山岳展望に興味のある方、ピークを踏まずにいられない方以外は北峰への登山はお薦めできません。
北からのアプローチは五竜岳からの縦走路となります。
岩山の五竜岳から南下するとキレット小屋があります。テント場の無い山小屋ですが、小屋の前にテーブルとベンチが置かれていて休憩や水補給にはうってつけの場所です。ここを過ぎると八峰キレットがあり、登山の難所とされています。ただ、クサリ場やハシゴ場が設けられているので、通ることに不安感さえ無ければ難所とはならないでしょう。八峰キレットを越えると急勾配の岩の道となります。岩場の道は南峰へと通じていますが、釣り尾根に北峰の分岐があります。
爺ヶ岳は単独では登られることの無い山です。鹿島槍ヶ岳へ登る登山者が通過点として登るくらいでしょう。山頂は三つあって巻道が下を通っているので登る登山者は更に減ります。
針ノ木岳は単独で登られる事の少ない山です。谷を挟んだ五色ヶ原からみたこの山は根張りのどっしりとした山容を誇っています。針ノ木岳から北に延びている岩稜があり、小さな岩峰がいくつも発生しています。岩峰の北の端がスバリ岳です。
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