標高2922mの大天井岳(おてんしょうだけ)は単独では登られない山です。槍ヶ岳から東鎌尾根を通り常念山脈の北か南に通り抜けるルートや常念岳から大天井岳を越え燕岳へと進むルートが一般的です。燕岳(標高2763m)は北アルプスでも人気の高い山で山頂下にある燕山荘(えんざんそう)は常にごった返しています。テント場は狭く早着しないとテントが張れません。餓鬼岳は忘れ去られた様な山で、山小屋があるものの登山者は殆ど見かけません。
常念乗越から北上すると横道岳の急登坂路となります。廻りは針葉樹とダケカンバの樹林帯です。登って行くとハイマツに覆われた横道岳稜線上に出て、九月上旬でもコマクサが花を咲かせています。登山道は横通岳の頂を西に巻いて設けられていますが、踏み跡と言うにははっきりとした道が山頂まで付けられています。横通岳の山頂は、白馬岳に似ていて、東側が崩落で欠け落ちています。西側は斜面となっています。
横道岳から大天井岳まで美しいハイマツ帯を通ります。東大天井岳の山頂は巻きます。大天井岳まではダラダラとした道が続きます。大天荘まで来れば大天井岳のピークはすぐ近くです。大天荘ではランチも食べられます。リュックサックを置いて山頂まで往復します。大天井岳からは槍ヶ岳から奥穂高岳の岩稜、左の小さな突起の前穂高岳を一望できます。
大天井岳から燕岳までのルートです。ハイマツの斜面をトラバースします。途中、岩の切れ込みがあり、ハシゴ場とクサリ場が設けられていますが、危険と言うほどのことはありません。大下りの頭までは登りがありますが、そこから燕山荘までは平坦な道です。燕山荘では玄関に入りきれない登山者が、受付の順番を待つために、玄関の外に長い行列を作っていました。大天荘から燕山荘までの所要時間は3時間から3時間半ほどです。燕山荘の建物の大きさに比べるとテント場は貧弱で、張れるテントの数は40張り前後です。
燕岳が人気の山なのは中房温泉から4時間で登れる手軽さがあるそうです。早朝の燕岳の山頂は、燕山荘から往復する登山者で大変に混雑をしています。燕岳の山頂は岩場が幾つか載っているだけの小さなものです。
燕岳のすぐ北に、北燕岳という小さなピークがあります。山頂は登山道から100mほど離れていますが、頂まで往復できる様にペンキのマークが岩に書かれています。燕岳から40分ほど稜線を歩くと、道が右に折れます。ここからは稜線歩きを終え、東沢乗越までの下りとなります。なかなか強烈な下り坂の道で、つま先が痛くなってきた頃に漸く東沢乗越の三叉路が現れます。東沢岳の登りも急峻ですが、歩く時間は燕岳からの下り道よりは短い様です。東沢岳の標高が2497mと低いからでしょう。東岳を過ぎると、餓鬼岳まで岩場が連続します。後半はハシゴやクサリが設けられているのでそれらに頼って歩けますが、前半にはハシゴもクサリも何もないので、登山者が自分で手がかり足がかりを探して、三点保持の姿勢で登り下りをしなければなりません。
岩場の先に餓鬼岳小屋のテント場が現れます。狭いテント場で、5張りもテントを張ったらいっぱいになる様です。テント場の5分ほど先に赤い屋根の(燕山荘と比べて)粗末な作りの餓鬼岳小屋があります。この小屋付近から少し離れたところに餓鬼岳の頂(標高2647m)があります。往復をします。
餓鬼岳から白沢登山口までの道はすごい急坂の道で驚かされました。餓鬼岳から下るとすぐに樹林帯となり、大凪山の標識が立っている箇所までは、所々にジグザグが着られているものの、驚くほどの急な坂ではありません。どこに出もある様な道です。すごい道は大凪山から下の道です。前方に、木立をすかして大町の街並みが見えだしてほっとする辺りから、ガレ場の下り道が始まります。道は、20、30度を超える斜面にジグザグに着けられたり、ところによってはジグザグを切らずに直線的に設けられたりしています。やがて沢に出ます。この沢は滝の多い沢で、滝の高さだけ急勾配の道も続きます。最終水場を過ぎても急勾配は続き、魚止めの滝を過ぎて漸く多少なだらかとなります。絶壁の上の木道、桟道も多くあり、緊張感を持続して歩いていないと、思わぬ事故に遭うでしょう。
沢の高巻き道の登山道なのですが、水量の多い沢のために、道が所々で土崩していて無くなっています。そうした箇所は、沢歩きとなります。水流の中を歩く様なことはありませんが、数カ所徒渉をします。魚止めの滝を過ぎると勾配が緩やかとなり、紅葉の滝を過ぎると、平坦の道となります。ひょっこりと未舗装の林道の行止に出ると、そこが白沢登山口でした。
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