南八ヶ岳と呼ばれる地域と北八ヶ岳と呼ばれる地域を3泊4日を掛けて縦走した山旅です。小淵沢駅を出発して、編笠山、赤岳、横岳を経て夏沢峠を越え、北八ヶ岳の山域を北に進んで蓼科山まで歩きました。梅雨の季節でしたので毎日雨に降られ通し、眺望はほとんど得られませんでした。
火山の八ヶ岳は岩場の稜線の山で、北アルプスの大キレットや八峰キレットや不帰キレットを歩く前の足慣らしには丁度よい道を持っていました。
小淵沢駅から観音平の登山口までは、バスの便はないので車道を歩きます。
行止の県道なのですが、登山者を運ぶのか大型バスが数台連なって通り過ぎて行きます。意外に交通量の多い車道でした。
編笠山から権現山、キレットまでは足だけで歩ける道でしたが、キレットから赤岳、横岳にかけては岩場が連続していて、クサリ場などもあります。
鞍部から硫黄岳にかけては広い稜線です。大きなケルンが立っていないと、霧が深いときには道を迷うでしょう。
硫黄岳の北の鞍部が夏沢峠で、この峠を境に山の印象が全く異なります。これほど劇的に変わる山域も珍しいでしょう。
南八ヶ岳が火山らしい岩がむき出した荒々しい景観で黒とオレンジの岩礫の色なのに比べて、北八ヶ岳は古い火山ですでに山全体が樹木で覆われていて緑色です。
一日のうちに、赤岳、横岳、硫黄岳の南八ヶ岳と、根石岳、天狗岳の北八ヶ岳を歩くと、その違いが印象深く記憶に刻まれます。
天狗岳から北はなだらかな下り斜面でこれといった印象に残るピークは、麦草峠の先の茶臼岳までありません。しかし、樹林の深さの一番印象が強く残った山域です。
北八ヶ岳の茶臼岳と縞枯山は印象の乏しい山で、すぐ北の岩峰の三ツ岳や大岳を登ってしまうと、記憶がかすんでしまいます。
大河原峠は蓼科山の日帰り登山の入山口として賑わっていて、今回の山旅で出合った全ての登山者の数の10倍以上の登山者を大河原峠から将軍平のあいだでみました。