地名 | 到達時刻 | 所要時間 | |
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常念乗越 | 06時32分 | ||
ヒエ平 | 09時03分 | 151分 | 2時間31分 |
穂高駅 | 12時38分 | 215分 | 3時間35分 |
一日の歩行時間 |
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6時間6分 |
日付:2011/09/09 |
昨夜、テントを張っている時、常念乗越が地形からとても風の強いところと言うことを思い出し、テントを固定する石を大きなものに代えたりしたおかげで、夜半からの強風でもテントが倒壊せずに済みました。
とても強い風に雨が混じっているので出発を見合わせていると、周りのテント泊の登山者も同様らしく、6時を廻っても出発のためにテントを畳む人は1組しかいません。テントの間を山小屋の人が走り回っています。一日停滞するか確認をしているのでしょうか。
この日は予定では大天上岳を越えて燕小屋まで行くつもりでしたが、この強風と雨の中を稜線を歩くのは危険と判断しました。1日様子を見るために停滞することも考えたのですが、丸々一昼夜をテントの中で過ごすというのは好きではありません。下山するには危険はないので、思い切って山旅を打ち切ることにしました。
テントを畳んで歩き出すと、以外にも常念小屋から沢山の人が出てきます。見ていると常念岳に登ってゆきます。常念岳を縦走して蝶ヶ岳を目指すのかと早合点をしたのですが(稜線歩きでも危険なのに、あの巨石の上をこの天候の中歩くのかと思ったのです)、後で人の話を聞くとそう言う登山者はほとんどいない様で、前日に一ノ沢から常念乗越の常念小屋まで登り、翌日に常念岳に登ってその日のうちに下山する人が大半のようです。
常念乗越から数歩降ると風が止みました。
降っていくうちに、雨はパラパラと降っていますが、雲は徐々にはがれて行き、木漏れ日が差してくる様になります。降ってきたのは失敗だったと少し後悔の念が起きますが、やむを得ません。
一ノ沢を降りきって林道に出た時には汗だくで着ているものがびっしょり濡れていました。気温も相当に高くなっていたようです。
一ノ沢の道はなかなか急な勾配をしています。嬉しいのは途中に水場があること。登山口の水場から相当登ったところにあるので、重い水を背負って登らなくても良いことです。
林道の終点が登山道の終点です。
トイレと小屋が建っていますが、小屋は登山者用のものではないので休憩などの利用は出来ません。
休憩をしていると日が差してきたので、濡れた雨具を乾かしたりしていると、降りてくる登山者を待っているタクシーの運転手が話しかけてきました。強風雨で危険と思い下山してきたと言うと、「それは良かった、戻る勇気が無いと遭難をしてしまうから」と言ってくれたので、気持ちが楽になりました。
穂高駅までは車道歩きです。観光地なのか車通りの多い林道で、歩道が無いので歩行者としては少し危険を感じます。と言うのも、避けてくれない車が多いのです。山で死ぬのならあきらめも付くが交通事故で死んだら浮かばれないと、変なことを考えます。
日が差して暑い道を歩いてゆきますが、時折ふり返ると、常念山脈には暑い黒い雲が相変わらずかかっています。