地名 | 到達時刻 | 所要時間 | |
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唐松山荘 | 05時41分 | ||
唐松岳 | 06時20分 | 39分 | 39分 |
不帰キレット | 08時07分 | 107分 | 1時間47分 |
天狗山荘 | 10時40分 | 153分 | 2時間33分 |
鑓ヶ岳 | 11時58分 | 78分 | 1時間18分 |
杓子岳 | 12時53分 | 55分 | 55分 |
白馬小屋 | 14時24分 | 91分 | 1時間31分 |
一日の歩行時間 |
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8時間43分 |
日付:2011/09/19 |
唐松山荘から唐松岳は、一息で登ります。
早朝、歩き始めにはやや厳しい急坂を登ってゆく、体が坂道になれる前に頂に着きます。山荘から短い時間で往復が出来るので、山荘の宿泊客が朝食前に登るようです。このときも何組かの登山者が居ました。
天候は昨日と同様に晴れで、眼下に雲海が広がっています。山頂から剣岳を見ると、朝日を浴びた剣岳に唐松岳の影が投影しています。影唐松岳とでも言うのでしょうか。早朝から歩き始めた登山者へのご褒美です。
唐松岳からは剣岳と立山が見られましたが、五竜岳は雲に頂を隠してしまい、全景が見られませんでした。唐松岳を下ってゆく途中でライチョウのオスが走り回っていました。
後立山連峰を縦走する際の難所の一つの不帰キレットを越えます。昭文社の山と高原の地図のこの地域の登山道には、点線で記されています。わたしが知っている限りでは、登山道が点線で記されているのは、ここと西穂高岳−奥穂高岳の縦走路だけです。
唐松岳を下ると岩場が始まるのかと思っていたのですが、そうではなく、しばらくの間は足で歩ける稜線を登っては下ります。
拍子抜けして歩いていると、小ピークを越えたところからいきなりクサリ場が始まります。
岩場は嫌いですが苦手ではありません。西穂高岳−奥穂高岳の縦走路も、大キレットも歩いてきたのですが、ここのとっかかりのクサリ場では、初めて一歩を踏み出してから恐怖がこみ上げてきて躊躇しました。
クサリに手をかけ、岩場に足をかけたのですが、次の一歩がどうしても踏み出せません。やむなく戻り、心を落ち着けました。頭の中で最初に手をクサリにかけ、最初に踏み出す岩の位置を確かめ、その次に足をかける岩場を確認するという、シミュレーションを行うことで、ようやく落ち着きを取り戻せました。
気持ちを落ち着けると楽になり、すいすいと先に進んで不帰キレットの鞍部にたどり着けました。不帰キレットの面白いところは、それまで岩場の森林限界の上を歩いていたものが、鞍部の南側では樹林帯となる事でしょう。樹林の中にクサリ場やハシゴ場が設けられていて、ちょっと奇妙な感じがします。
不帰キレットが見えてきた岩場で登山者とすれ違ったのですが、「ここまで歩いたくらいで根を上げる様でこの先通れるでしょうか」と質問されて戸惑いました。不帰キレットの先がどの程度の難所かまだ分かりませんので比較が出来ません。
この手の質問は穂高岳の大キレットで良く受けました。答えようも無いので大丈夫だと思いますと無責任に答えて先に進みます。
湿度が高いのか、まだ8時過ぎというのに、東側の谷から雲が湧いてきて、正面の白馬三山を隠そうとしています。天狗の頭に着いた時には雲で視界がほとんど無くなり、天狗山荘で休憩を取っている時は深い濃霧となってしまいました。
天狗山荘は残雪が9月でもあるところに建っています。水があるからか高山植物がまだ咲いていて、ミヤマリンドウやウサギギク、トウヤクリンドウの花が見られました。
槍ヶ岳、杓子岳は雲の中で、登頂しても何も見えません。
白馬小屋に着いた時はまだ時間が早かったので、雪倉避難小屋まで足を伸ばそうかと検討したのですが、感で天候が崩れそうな気がしたのでここにテントを張ることにしました。
テントを張り終えたとたんに暴風となり、雪倉岳を目指さなかったことにほっとすると共に、昨日、五竜山荘で泊まらずに、唐松山荘まで足を伸ばしたことに感謝しました。