地名 | 到達時刻 | 所要時間 | |
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両俣小屋 | 05時18分 | ||
野呂川越 | 06時22分 | 64分 | 1時間4分 |
高望池 | 08時36分 | 134分 | 2時間14分 |
休憩 | 08時44分 | 8分 | 8分 |
仙丈ヶ岳 | 12時53分 | 249分 | 4時間9分 |
北沢峠 | 15時54分 | 181分 | 3時間1分 |
北沢駒仙小屋 | 16時07分 | 13分 | 13分 |
一日の歩行時間 |
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10時間49分 |
日付:2012/07/22 |
両俣小屋から稜線に出るまでの登り道がこの日一番苦しい道です。
両俣小屋の利用者は、は野呂川出合から歩いて来た登山者がほとんどです。両俣小屋は、テント泊と山小屋泊をあわせると15名以上の、多くの利用者がいる山小屋なので、小屋から稜線までの道はしっかりとした道でもおかしくはないのですが、踏み跡程度の箇所が多く、倒木で妨げられたりもします。しかも、びっくりするような急勾配の箇所がいくつかあります。
この日は、途中にある水場は一カ所だけなので、水の量をどの程度にするか、出発するまで迷っていたのですが、地図には途中に高望池と言うのがあって、ここに水場もあると書いてあるので、それを当てにして、1Lを持つだけとしました。
昨日は3Lの水を背負って広河原から北岳にのぼり、さらに北岳を下って両俣小屋までを歩いたのですが、さすがに重く感じて体力の消耗が気に掛かるようになっていました。
稜線に出る野呂川越は樹林の中の鞍部で、これといった特徴がありません。
「野呂川越」と名前が付いていることが不思議に感じられるほど、あっけな鞍部です。樹林に囲まれているので眺望もありません。ベンチなどもなし。
野呂川越では後発した10名近いグループに追いつかれてしまい、すこし騒々しいのでここでは休憩を取らずに先に進みました。
横川岳も樹林に覆われて眺望のないピークですが、岩がいくつか露見していて、小人数で休みを取るにはなかなか良い場所です。ピークからは三つの稜線が流れていて、そのうちの南の稜線から上ってきて、北東の稜線に進むのですが、注意書きが無ければ、北西のピークの方がとりつきやすいので、道に迷うかもしれません。
横川岳を下ってしばらく歩くと、高望池に着きます。
どよんだ汚い水の池で、そのままでは、ちょっと飲料にはなりません。
地図ではこの池の西がわ50m下に飲料水が湧いているはずなのですが、その降り口まで行ってしたを見ると、途方もない急坂の先のさきに水がちょろちょろと流れています。往復する時間と体力を考えると、水を汲みに行く元気がなくなりました。
と言って、水の量は、ここで汲んでゆかなければ不足する可能性もあるので、高望池から流れ出している水を、濾過器で濾してからペットボトルに詰めることにしました。こうしたとき、携帯濾過器は重宝します。
結局、この水は、この後の天候が悪化して気温が上がらず雨も降ってきたので、水分が汗で蒸発しなかったために必要としませんでした。
高望池から登って行くと、やがて森林限界を越えた尾根道となります。
眺望がきき気持ちの良さそうな尾根道なのですが、残念ながら尾根に出てすぐに横殴りの雨が降り出してきたので、楽しむ余裕はわずかしかありませんでした。
樹林帯から岩の稜線の道にかけて、数は多くはないですが、高山植物の花を見ることが出来ます。イブキジャコウソウやミヤマキンバイ、タカネツメクサなどが花を咲かせていました。
標高2975mの大千丈岳まではだらだらとした上り坂で、きつい傾斜の勾配と言うほどではありません。
大千丈岳から仙丈ヶ岳までは岩のヤセ尾根で、この日は強い横風もあって、油断をしていると谷底に落ちるのではと言う危険性もちらりと頭に浮かぶような道でした。
今回の山旅で森林限界を越える稜線の道は仙丈ヶ岳が最後なので、ここで雷鳥に出会わなければ、この後は見られないと思っていたら、悪天候で安全と見極めたのか、雛鳥をつれた雷鳥を見ることが出来ました。ただ、雨風がすさまじいので満足のいく写真は撮れません。
以前に北岳から見た仙丈ヶ岳の優雅な姿にあこがれていたのですが、せっかくの頂も暴風雨では楽しむゆとりもないので、頂上は歩きすぎてしまいました。
道を見失ったのか、ご夫婦らしい男女二人組が右往左往しています。たぶん、藪沢カールに降る道を探しているのでしょう。
仙丈ヶ岳から北沢峠までは一途な下り道です。
途中に山小屋に至る道の分岐がいくつかあります。
ほかに、五合目、三合目と書かれた道標が立っています。
小仙丈ヶ岳までは森林限界を越えた道でしたが、やがて樹林帯の道に入ります。
これといった特徴のない道なのは、野呂川越からの樹林の中の道と同様です。森林の美しさは奥秩父の稜線の道に及びません。
北沢峠の手前に小ピークがあります。
このピークを越えると峠に止まっているバスのエンジンの音や、人の声が聞こえてくるのですが、下って行くと容易に北沢峠にたどり着けません。
意外に下り道が長いのです。
北沢峠に着くと、ちょうど戸台に向けてシャトルバスが出発するところでした。
広河原行きのバスは、まだ発車していません。
峠の切明様の地形なので風はなく、雨だけが降り続いていました。
横柄な態度と話し言葉のバスの誘導員にテント場の位置を確認してから、北沢峠を広河原の方に少し下ります。
水場があったので、水筒に水を汲んで飲んでいると、広河原に向かってバスが走って行きました。
北沢駒仙の小屋は車道から5分ほど入った所にあります。
途中で、大勢の人とすれ違いました。
新築中の北沢駒仙小屋に泊まろうと行ったのに、泊まれないので、北沢峠にある長衛小屋にでも行くのでしょうか。
北沢駒仙小屋は、宿泊用の建物を新築中なので、泊まるのにはテント場しかありません。
受付と売店を兼ねた仮小屋があります。
夕方4時を過ぎていたので、新たにテントを張る登山者はなく、すでにテント場には10張り以上のテントが張られていました。
仮小屋の前に仮設テントがあって、そこにテント場の受付用紙がおかれて書くようになっていました。小屋の中で書くよりも、ここで書く方がよほど気が楽です。
受付を済ませてテントを張ることにします。
テント場は、入り口に近いあたりは大人数のグループに占拠されていますが、やかましいので、もちろん、入り口付近にテントを張るつもりはありません。
奥まで歩いて、最奥の静かなスペースを見つけてテントを張ります。
受付は午後7時まで開いていると聞いたので、午後6時半過ぎに仮小屋に行って翌日と翌々日の山旅に不足している食糧を買い足しました。
受付は、妙齢のふくよかな女性で、とても雰囲気の良い人でした。