第4日目 木曽駒ヶ岳-将棋頭山-権現山-下島駅

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行程

地名到達時刻所要時間
頂上山荘05時20分
木曽駒ヶ岳05時35分15分15分
将棋頭山07時28分113分1時間53分
西駒山荘07時56分28分28分
五合目(辻山)09時40分104分1時間44分
権現山10時31分51分51分
下島駅12時54分143分2時間23分
一日の歩行時間
7時間34分
日付:2012/08/28

山行記

木曽駒ヶ岳からの眺望

駒ヶ岳の山頂までわずかの時間で達せられるので、出発時間を遅らせます。先週の山旅に比べて日の出の時刻が少し遅れているのです。5時を過ぎた頃にテントを畳んで出発をします。

木曽谷も伊那谷も雲海の下にあり、山々は雲海に浮かんだ島のように見えます。

木曽駒ヶ岳の山頂からは、御岳が手を伸ばせば届くくらいの距離に見えます。膨大な山容は富士山に次ぐもので圧倒されます。北アルプスの乗鞍岳から穂高岳、槍岳に連なる連嶺は、斜めに見えるために、長さが詰まって見えるので、北岳や八ヶ岳から見る姿よりも引き締まっています。
乗鞍岳と焼岳の鞍部に笠ヶ岳が浮かび、槍ヶ岳の手前には常念山脈が、後には後立山連峰が見えます。

将棋頭山

木曽駒ヶ岳から将棋頭山まではハイマツに覆われた岩尾根の道です。北と南の両アルプスを見ながら歩ける贅沢な道です。
なだらかな曲線を描いて伸びている尾根は、先端の茶臼山の先で雲海の中に沈んでいます。半島の先の岬のようです。

将棋頭山は西駒山荘の手前の分岐からすぐにあり、眺望が抜群です。
木曽駒よりもやや北東に位置しているので、北アルプスや乗鞍岳がより大きく見えます。木曽駒からの姿よりも将棋頭山からの北アルプスの姿の方が良いかもしれません。
目を北に転じると、妙高山、火打山、焼岳の頸城三山と高妻山などの飯縄連峰が雲の上にわずかに顔を出しています。

西駒山荘の前にはコマクサが植えられていました。
植生の回復を図っているらしく、ロープで囲われていますが、自生したコマクサがロープのソトにまで勢力を広げていて、他所のコマクサよりも濃い赤い花を咲かせていました。

中央アルプスにコマクサが咲いているという話は耳にしたことがなく、また、季節的にも8月下旬はコマクサの花は終わっているはずなので、ここでコマクサの花が見られるとはと驚きました。

眺望の楽しめる稜線歩きは西駒山荘の先の将棋ノ頭までで、ここを過ぎると樹林帯に入ります。

権現山と権現尾根の下り道

将棋ノ頭に人工物が設置されているので西駒山荘からここまでは、わりとはっきりとした道が着けられているのですが、その先は踏み跡程度の道となります。
道を見失ったり迷ったりするような悪い箇所は無いですが、時に背丈ほどもある笹藪をかき分けなければなりません。

将棋ノ頭を下るとすぐに針葉樹とダケカンバの樹林帯に入ります。
上の方は気候が厳しいので人の背丈ほどの矮樹の林です。

将棋ノ頭から辻山までは目印らしい箇所は何もなく、きつい傾斜の坂道をひたすら下ります。
ほっと出来るのが辻山の手前の鞍部で、なだらかな坂を登ると辻山の頂ですが「辻山」と書かれた標識は無く、「五合目」と書かれた標識が立っています。

国土地理院の1/25000の地図では、登山道が描かれているのは将棋ノ頭から辻山までです。
それを裏付けるように、辻山から権現山までは笹藪漕ぎの連続で、道が笹に隠されている区間がほとんどで、倒木や切り株に躓いて何度も転びかけました。

権現山は地元の人の信仰を集めていた社跡だったらしく、祠が建っていたらしい平らな跡が残されています。小学生が学業で登らされている様です。

権現山から土俵跡まではジグザグを切った下り道ですが、草は綺麗に刈り払われていて道も整備されています。小学生を登らせるので当然でしょう。
土俵跡を過ぎると道の傾斜は多少緩やかとなり、歩きやすくなります。

その代わり、どんどん標高が下がって行くので、気温が高くなります。
スキー場の上端の林道に出る頃には、気温は25℃を超えていました。標高が800m以上もあるので高原と言えば高原なので、平野部に比べればしのぎやすい気候なのですが、連日2500mの稜線の涼しい風の中を歩いて来たので、下島駅までの車道歩きの暑さは堪えました。

下島駅の東に国道153が通っていて、道沿いにスーパーなどの量販店が並んでいます。スキー所からの下り道は、これらの看板を目印にすれば駅にたどり着けます。ただ、下島駅は無人の小さな駅で、駅の周りに「下島駅」を示す標識は全くありません。

飯田線は電車の往来の多いところで、日中でも一時間毎に電車が来ます。
駅について5分ほどで岡谷行きの電車が入ってきました。
久しぶりののんびりとした山旅がこれで終わりました。

地図

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