通常は層雲峡、ないし旭岳温泉から高根ヶ原を縦走してきてトムラウシ山に向かう途中で踏まれる頂です。この登山の時も、ヒサゴ沼か忠別小屋から縦走してきた登山者数名とすれ違いました。
山頂には登山道が交差していますが、日帰りで登れる道は、天人峡温泉からの道だけになります。
天人峡からの道は、前半がトドマツの森の薄暗い道、中間が湿地の泥道、後半が森林限界の上のハイマツと高山植物の花の道です。
前半で見られる景観の白眉は羽衣の滝の全景です。落差200mを越える日本でも指折りの大きな滝で、滝壺まで歩道がありますが、全景を見るには登山道の辺りまで距離を置かないといけません。
中間では湿地を好む高山植物の花と円錐形の旭岳の景観が登山者の目を楽しませてくれます。
後半は黒い山塊のトムラウシ山の景観でしょう。
長い距離を歩く登山道ですが、激しい高低差のあるのは天人峡温泉から入ってしばらくの間だけです。羽衣の滝が見える展望所までくると、化雲岳の山頂までだらだらした上り坂が続きます。
道は全体にはっきりしていて歩きやすいですが、中間の湿地のところだけは、木道が不完全で、途切れ途切れに泥道を歩いたり、池の中を歩いたりします。
花の季節は7月中旬が第一公園から第二公園にかけての中腹が見頃のようです。7月下旬になると、小化雲岳の登りから山頂までが見頃となります。地面一杯、地平線まで続くチングルマの大群生はすばらしいです。
化雲岳は大きな岩のあるだけのピークですが、ここから見るトムラウシ山は圧巻です。このトムラウシ山の姿をみて登ろうという登山意欲をかき立てられない人は希でしょう。