第1日目 十勝温泉−富良野岳−三峰山−上富良野岳−上ホロカメットク山−十勝岳−十勝温泉

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行程

地名到達時刻所要時間
十勝岳温泉05時37分
富良野岳08時19分162分2時間42分
三峰山09時45分86分1時間26分
上ホロカメットク山10時42分57分57分
十勝岳11時50分68分1時間8分
十勝岳温泉15時21分211分3時間31分
一日の歩行時間
9時間44分
日付:2007/07/31

山行記

富良野岳

中腹にある十勝岳温泉が今回の登山口です。
この温泉までの道は冬でも除雪されているので、訪れることが出来ます。冬に入浴できる温泉としては、北海道で最も高所にあるかもしれません。
標高は1250mほどです。

十勝岳から噴火で裂けて出来た谷を安政火口の方に歩いて行く、途中で涸沢を南に渡って化物岩の下の道を富良野岳に向かいます。
この辺りの道の周りは噴火から時間が経過しているのか、緑に覆われていますが、谷筋だけは草木が殆ど見られません。雨水による浸食が厳しいのか、谷の奥に活火山の噴気口があって有毒物質を発生しているのか、どちらでしょうか。

十勝温泉から富良野岳への登山道は、既に先に登っている人であふれていました。
登山者の多い道の様で、急斜面には木製の階段が設けられています。安直な道です。この辺りの道の脇は、大群生は見られないものの、高山植物の種類の多いところです。チシマノキンバイソウやトカチフウロウなど様々な花が見られました。

富良野岳と三峰山の鞍部に達し、見上げると富良野岳の山頂が遙か彼方に見えます。
しかし、登って見るとたいしたことはありませんでした。
富良野岳の西がわの斜面はお花畑でした。中でも大群落を作っていたのはエゾヒメクワガタとエゾウサギギク、トカチフウロウでした。花の季節は終わりに近かったようです。

富良野岳の山頂は小さな広場です。
南西にある原始ヶ原からの縦走路が登ってきていました。
十勝連峰の南端と言うことで、大変に眺望のよい場所なのですが、あいにく雲が湧いてきてしまって北にあるはずの十勝岳が見られません。
風よけに岩陰に入って雲が晴れるのを待ちました。
雲は完全には晴れてくれませんでしたが、十勝岳の火口壁や背後の大雪山が雲を透かして見えたので満足して先に進みます。

上ホロカメットク山

富良野岳を下り稜線を上ホロカメットク山へと進みます。こちらのルートは人が少なくすれ違う登山者も疎らです。
稜線を歩くので旭川のある西側の上川盆地の景観と、東側の十勝の山波を同時に楽しむことが出来ます。
道は良く整備されていました。

三峰山から上富良野岳にかけてはハイマツの中の岩稜を歩きます。
ハイマツの中の草原にはエゾウサギギク、岩礫の上にはコマクサが小さな群生を作っていました。
三峰は名前の通り、三つの頂を持った山です。真ん中のピークが最高地点の1866mでした。三峰山の正面には赤茶けた上ホロカメットク山とその背後の十勝岳が、振り返って見ると後ろにはハイマツなど緑に覆われた富良野岳が見えます。色彩のコントラストが違う面白い風景です。

上富良野岳の山頂をしめす標識が立っていますが、ここはピークとも言えないような上ホロカメットク山から南に流れる稜線上の本当に小さな突起です。ただ、十勝温泉に下る分岐があるので、呼称で上富良野岳分岐と呼べるのは便利です。
上富良野岳からいよいよ安政噴火口の火口壁の上を歩き始めます。左手下には、噴煙の上がる爆裂孔を見ながら進みます。

上富良野岳分岐から上ホロカメットク山は急な斜面を下り、登り返します。
標高差はわずかです。
上ホロカメットク山は頂を迂回するルートもあるのですが、すぐ先に避難小屋もあるので、あえてピークを踏まない登山者や、夕方、疲れ切った状態で避難小屋を目指す登山者には、この坂道は邪魔でしょう。
上ホロカメットク山からは、円錐形の十勝岳の山頂がよく見えます。頂は火山のために草も生えていませんが、山肌にはヨツバシオガマの大きな群生がありました。南がわの鞍部にもありますが、北がわの避難小屋のそばの群生が見事でした。

十勝岳

上ホロカメットク山までは比較的草花が多く見られますが、ここから十勝岳への道は瓦礫です。わずかに緑が見える程度です。荒涼という言葉がピタリに感じます。
稜線の砂礫の上に、イワブクロやメアカンフスマが数十株の小さな群生を作って咲いていました。

十勝岳の肩に掛かると、正面に円錐形の火山礫の山容が覆い被さってきます。活火山の山なので当たり前ですが、火山礫がごろごろして悪い道です。道に沿ってロープが張られていますが、これだけ目印がないと、霧が立ちこめればロープなしでは簡単に道迷いするでしょう。

上ホロカメットク山から十勝岳までは、他の登山者を見なかったのですが、十勝岳の頂は人であふれていました。
休憩する場所を探すのも大変なほどです。
有名な山というのは大抵はこんなものなのです。
あいにくと十勝岳を境に北に厚い雲がかかっていて美瑛岳から先の山を見ることが出来ませんでした。

下山

復路は上ホロカメットク山を経由して上富良野岳分岐から十勝温泉に下りました。途中、安政火口に立ちよりました。
安政火口から十勝温泉に至わずかな区間で左膝が痛み出しました。無理な登山をしていたようで、膝を壊してしまったようです。このときは単なる炎症で数日安静にしていれば治ると思っていたのですが、甘い見通しだったことを後に思い知らされました。

地図

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