長野県と静岡県の県境に聳える山で日本百名山の一座です。。標高は3052m。塩見岳から赤石岳までは人里を遠く離れている山脈です。塩見岳は西峰が3047m、東峰が3052mの双耳峰です。三角点は標高の低い西峰にあります。塩見岳は単独では登るルートの無い山です。南アルプスの縦走路を三峯岳から南下して頂を踏むか、三伏峠から縦走路を北上して頂を踏むかのどちらかです。
三峰岳から熊ノ平小屋に向かうと、最初、岩稜の下りが待っています。熊ノ平小屋の標高が2600m位なので、300mほど下るわけです。岩稜を終えても急坂道は続き、広い尾根にジグザグに切られた道を降ります。八月中旬、ダケカンバの大木がまばらに生え、下草にはマルバダケブキが大きく黄色い花を咲かせています。この辺りは、マルバダケブキ(丸葉岳蕗)の大群生のようで、斜面数100mが黄色い花で埋め尽くされていました。
熊ノ平小屋の前に展望用のテラスが設けられていて、農鳥岳の大きな姿を一望できます。トイレは綺麗に清掃されていて、黄ばみがありません。嬉しいことに、トイレの出入り口に手洗い用の水が引かれています。テント場は、小屋の下に点在しています。斜面の平坦地に、こちらに5張り、あちらに2張り、と言うように、散在しています。
熊ノ平小屋から北荒川岳までの所要時間は2時間50分から3時間20分ほど、北荒川岳から塩見岳西方までの所要時間は2時間45分から3時間ほどです。
熊ノ平小屋から北荒川岳までの道は樹林の中を歩くので、眺望がありません。わずかに岩峰の上から周囲の山を見られる程度です。樹相はダケカンバに針葉樹の混合林で、幹の太い木はあまり見あたりません。木々の数はとても多いのですが、樹林の下は意外に明るく、「鬱蒼とした」と言う雰囲気ではありません。早朝に歩くと東に見える西農鳥岳と農鳥岳に浮かぶ雲に朝日が当たって濃いピンク色に染まっている景観が楽しめます。
樹林からひょっこりと禿げた尾根の頭の上に出ると、それが北荒川岳でした。北荒川岳は塩見岳から伸びてきている尾根の上の小突起ですが、眺望のすこぶる良いところで、特に塩見岳の大きな姿が良いです。西に木曽山脈、その先に乗鞍岳と穂高連峰も一望できます。北に目を転じると、これまで歩いて来た間ノ岳から三峰岳の稜線や、その背後に仙丈ヶ岳も見られます。
北荒川岳から森林限界の上を歩くことになります。八月中旬、北荒川岳からの稜線歩きは高山植物の花を多く見られる道で、タカネビランジとイブキジャコウソウ(伊吹麝香草)のピンクの花が群生を作って目立っていました。稜線を少し降りて旧北荒川岳キャンプ場を通り過ぎると、ダケカンバとマルバダケブキの一帯となり、ここでは黄色い花が満開です。
ダケカンバの樹林を抜けると塩見岳の尾根の登り道となります。下の方はなだらかですが、山頂に近づくにつれ傾斜がきつくなり、最大斜度は30度はありそうに見えます。道はジグザグに切られておらず直登します。足場は土の路面で滑りやすいです。稜線を登り切ると、蝙蝠岳からの尾根道の分岐がすぐにあります。岩の頂が東峰で平たい頂が西峰です。東峰は人が混んでいます。
三伏峠から本谷山までは少し急坂のある登り道です。本谷山から塩見小屋までは樹林の道で、標高が上がるとハイマツ帯となります。小屋を過ぎると岩稜歩きとなります。塩見小屋から見た塩見岳は山と言うよりも岩の固まりでした。この岩稜にクサリ場が一カ所もないのが不思議な気がします。北や南から塩見岳を越える縦走の登山者にはちょっと堪える道です。塩見岳へは西峰に取り付きます。最高地点を踏むならば東峰まで歩きます。
間ノ岳から派生した尾根の突起の三峰岳の南部の鞍部にある有人の山小屋です。南アルプスを縦走する登山者が多く利用しているようです。三峰岳からの下り道は強烈で、つま先が痛くなり、精神的にもう“まいった”と思う頃にようやく熊ノ平小屋の屋根が樹林の中に見えてきます。テント場は、小屋の周りの樹林の中に散在しています。
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北アルプスの針ノ木峠、秩父山脈の雁坂峠と並んで日本三大峠の一つに数えいます。従来利用されてきたのは塩川からの登山道でしたが、塩川小屋まで車で入れなくなったためか、近年は鳥倉林道を利用する登山者が多いようです。旧三伏小屋とそのテント場は廃止となっています。しかし水場は、旧三伏小屋まで往復しなければなりません。
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聖岳の南にある有人の山小屋です。静岡県側の椹島からの登山道と、長野県側の易老渡からの登山道が、ここで縦走路と出合います。小屋は縦走路から少しは言ったところに立っていて、冷たい水が引かれています。テント場は小屋の前にあります。
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