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荒川岳・三伏峠(山小屋)

南アルプスの玄関口の一つの三伏峠から南に下って荒川岳(悪沢岳)に至るルートです。

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三伏峠から小河内岳まで登り道で、小河内岳を越えると、荒川前岳にかかるまでは登り道はわずかしかありません。小河内岳までは崩落地の稜線の上を歩く、多少スリルを感じる道です。1、2カ所道が崩落していて、しかしまだマーキングはされていなくて、足下を見ないで歩いていれば間違いなく落下してしまうようなところもあります。稜線の道は一高一下しながら進む道ですが、丈の低いハイマツに覆われているので眺望がすばらしいです。早朝に歩けば、朝日に焼けた赤い雲を背景にした富士山が格別美しく見えます。三伏峠から上河内岳までは2時間ほど歩くのですが、景観が良いので登り道も苦になりません。
小河内岳からの景観も同様です。北には塩見岳が中心に座っています。その背後に間ノ岳の山頂がわずかに見えます。左には白い三角錐の甲斐駒ヶ岳、その左に仙丈ヶ岳が見られます。
上河内岳の下りはなかなか強烈です。道を降りきると、樹林帯の中の平坦な区間となります。途中、板屋岳の崩落地の上を歩くのを除くと変化の乏しい道です。八月中旬、タカネナデシコやミヤマコウリンカが花を咲かせていますが、花の数が少ないので、それほどの楽しみはありません。マルバダケブキの黄色い花に囲まれた窪地が高山裏避難小屋でした。
高山裏小屋を過ぎると、荒川前岳の北のカールの壁に掛かります。壁を途中まで上る道は急勾配です。勾配が無くなってしばらくすると、カールの底にでます。底からカールの頂点まで、よどみのない坂道が続きます。黒部五郎岳のカール底から壁に掛かる道もすごい坂道ですが、荒川前岳のこの道はそれを上回るかもしれません。それにしても樹林に覆われたカールというのは珍しいでしょう。穂高岳や槍ヶ岳、薬師ヶ岳、立山、剣岳などの北アルプスのカールや、北海道の日高の幌尻岳や戸蔦別岳のカールは、石がごろごろした森林限界の上にあるカールで、樹木は全く見られないか見られてもダケカンバの矮樹が点在している程度です。荒川前岳のカールは、カール壁の大半は樹林に覆われていて濃い緑色です。カール底も面積の半分は樹木に覆われていて、上半分が森林限界に突き抜けています。
荒川前岳のカールを登り切ると、カール壁の上を歩くのですが、カールの向こう側は荒川前岳の大崩落地です。道も数カ所崩落していて無くなっています。黄色にペンキを塗られた歩道を示す石が谷の下の方に引っかかっているのが見えます。霧が深く見通しが極端に悪いときは危険かもしれません。荒川中岳から標高3141mの荒川東岳(悪沢岳)までの岩稜は、一部痩せた岩の尾根道です。花の多い岩場で、八月中旬にはタカネナデシコやマツムシソウ、チシマギキョウなどが大きな群生を作っています。荒川中岳から下って行く稜線から見た荒川東岳は左右に尾根を張り出した立派な山です。荒川中岳から伸びる稜線の先がぐっと落ち込んでいて鞍部となり、その先にふくらむように荒川東岳が載っています。鞍部から荒川東岳の頂上までは多少の岩場があり、手を使わないと上れませんが、危険と言うほどのことはありません。
荒川東岳の頂上からの眺望はすばらしいです。南の方角は赤石岳が唯一の見物で、聖岳も光岳も大無限岳も赤石岳の大きな図体に隠されてしまっています。北の主座は塩見岳です。山頂からちょうど荒川東岳の方角に北俣尾根をのばしている姿が立派に見えます。塩見岳の肩の左に、左から仙丈ヶ岳が見えます。塩見岳の右に蝙蝠岳の尾根が伸びていて、その上に間ノ岳、農鳥岳が見えます。間ノ岳の後に小さく甲斐駒ヶ岳が見えます。木曽山脈、その右手に乗鞍岳、穂高連峰と槍ヶ岳も見られます。富士山は、雲海からわずかに頂だけを覗かせています。
荒川岳へは二軒小屋や椹島から登ってくる登山者が多いです。

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Yuichi Mizunuma H.N.う

Yuichi Mizunuma (H.N.zen)
当サイトの執筆・撮影とシステムの製作等全てを行っています。
2007-2013にかけて、北海道利尻礼文から九州屋久島まで日本の主要な登山道を歩いてきました。日本百名山は2013年9月に全山登頂を達成。

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2013年まで、春夏秋冬、北海道から九州沖縄まで、ツーリング・登山・サイクリング・パドリング(カヤック)をしています。年間のテント泊数は40泊から60泊程度、日帰りを含めると年間80日くらいはアウトドアにいました。

現在は八王子市に居住中、今後は八王子市から離れることはありません。

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