地名 | 到達時刻 | 所要時間 | |
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空木平 | 04時55分 | ||
空木岳 | 05時48分 | 53分 | 53分 |
南駒ヶ岳 | 07時29分 | 101分 | 1時間41分 |
越百山 | 09時48分 | 139分 | 2時間19分 |
南駒ヶ岳 | 12時38分 | 170分 | 2時間50分 |
空木岳 | 14時30分 | 112分 | 1時間52分 |
空木平 | 15時16分 | 46分 | 46分 |
一日の歩行時間 |
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10時間21分 |
日付:2012/08/26 |
空木岳から越百山までを空荷で往復するだけなので、朝の出発はゆっくりとすることが出来て、日の出前の4時55分に発ちました。
空木平はカール風の地形をしていて、西に空木岳がそびえ、空木岳から派生した尾根がカール壁の様に空木平の南北に延びています。開いているのが東がわで、朝日で空がオレンジ色に染まって行きます。
空木平から空木岳までの登り道はなかなか時間がかかります。
山と高原の地図には約45分と書かれていますが、前回、このルートを山頂から下ってきた時に感じたのはとても45分で山頂には達せられないだろうと言うことでしたが、実際に登って見るとその通りで、縦走の装備一式を小屋においてきたにもかかわらず、50分かかりました。
山頂に達する時間が日の出すぎになるようにした甲斐があって、四囲の景観が恣に見られました。西に御岳の大きな姿、その北に乗鞍岳、笠ヶ岳、穂高岳と槍ヶ岳の連嶺。東には八ヶ岳と南アルプスが長い島のように雲海に浮かんでいます。
朝日は、八ヶ岳と甲斐駒ヶ岳の間から登って来ます。
空木岳の山頂は、山頂直下の駒峰ヒュッテ泊まりの登山者で賑わっていたのですが、ご来光を見終えたので、三々五々ヒュッテに降りてきたので、わたしが頂上にいる間、岩陰の二人を覗いて人影のない静かな時間を過ごせる場所でした。
空木岳から南駒ヶ岳までは、一度ぐっと下ってから登り返すのですが、途中、これと言った目印になるピークや鞍部がありません。
かろうじて東がわの斜面の底に建っている摺鉢窪避難小屋の赤い屋根が印象に残る程度です。
摺鉢窪と呼ばれる斜面の底の風景と、そこに建つ避難小屋の赤い屋根は、アルプスのチロルを思わせる景観です。白馬岳の大池の風景にも通じていて、日本でありながら伝統的な日本の景観の枠を離れています。
水場は無いようですが、一晩過ごしたくなるような場所です。
南駒ヶ岳からの眺望は、空木岳とあまり離れていないのでそれほどの変化はありません。
ただ、北の視界が空木岳に遮られるので穂高連峰の姿が隠れて見えません。焼岳から西穂高岳にかけての稜線がかろうじて見える程度です。
その代わり、空木岳からは見えなかった越百岳までの稜線が見られます。ハイマツの緑に覆われた岩稜はとても美しい姿をしています。
南駒ヶ岳から越百山までの稜線は、最初に仙崖嶺の難所を越えます(仙涯嶺と書く場合もあるが現地の表示は「仙崖嶺」、また文字の意味からも「がけ」を意味する崖を使用するのが正しい)。
南駒ヶ岳を下って最鞍部に降りて行くと、前方に鋭い錐の先のような岩峰が見られます。
「あの岩峰を越えて行くのか」と見ただけで歩く気力を失わせるような岩の峰ですが、登り始めるとすぐに道が西に巻くのでほっとします。
この岩峰は、鋸の歯のように岩の突出がいくつも連なっていて、南の端の岩の頂だけが上れます。
ここまではクサリ場もあり、40度を越える滑りやすい斜面もあってなかなかの難路です。
仙崖嶺を越えると、越百山までは尾根歩きで楽な道です。
ハイマツが生えているだけの尾根の道なので、視界が遮られずに眺望はすこぶる良いのですが、残念ながら9時を過ぎた頃から雲が谷から湧いてきたので、視界が隠されてしまいました。
越百山から西に伸びている尾根の鞍部に黄色い建物が見えます。越百小屋です。山小屋には珍しい屋根も壁も黄色に塗られた建物なので、遠くからでも目立ちます。
景観から浮き上がってしまう黄色の塗装には賛否があるかもしれませんが、遭難を防止するために遠くからでも目立たせるという意味合いがあるのかもしれません。
越百山は木曽駒ヶ岳から南に延びている山脈の南端ですが、山の姿は小突起です。
その先にわずかに低い南越百山が見えますが、降りてみるとハイマツと矮樹で道が覆い隠されていて、そうとうに体力を消費しないと歩けない道なので引き返しました。往復一時間と書かれていますが、ハイマツ漕ぎを計算に入れると1時間半はかかりそうです。
空木岳から越百岳までの道は、徐々に標高の低い山を越えて行くので登山と言うよりも下山に近い楽な道ですが、復路は2613mの越百山から2863mの空木岳まで登り返すので、登山となります。
越百山から少し下ると、仙崖嶺の岩の登り。仙崖嶺を登ると、南駒ヶ岳の登り。
南駒ヶ岳を登ると後は空木岳に登るだけなので、漸くほっと出来ます。
空木岳に着いたのは午後4時を廻っていて、辺りは深い雲に覆われていました。
空木平避難小屋は昨日とかわって静かで誰もいません。空木岳の人気は週末だけのようです。日が暮れてシュラフに潜り込んだこと、二人の登山者がなだれ込んできました。
空木岳は日本百名山なので登山者が多いと予想できますが、空木岳から越百岳まではあるく人は少ないようですが、それでも往路復路で10組30名ほどの登山者を見かけたので、やはりそれなりの人気はあるルートの様です。