四季折々「春」
春に見られる花
錦仙峡では4月下旬から花が咲き始まります。
冬の長い滝上の町に住む人は好んでクロッカスを多く植えます。
雪が溶けると新鮮な匂いのする土の中から、何よりも早くクロッカスが顔を出し華やかな色彩で町中に咲き誇って、どんなにぼんやりした人にもきちんと春を告げてくれるからです。
そして遊歩道のあちこちにもどこから来たのかクロッカスがぽつりぽつりと咲くのです。
まだ寒い寒いと言いながら春を探す為に人が散歩を始めるようになる頃には
あでやかな黄色で福寿草が沢山咲きます。
怖いほどの激流にそびえる岩の割れ目にそっと咲く福寿草は
まだまだ景観の厳しい四月の渓谷の最初の春の慰めになってくれるのです。
福寿草の季節が終わりに近づくといよいよ春の花園が始まります。
エゾエンゴサクが青色の絨毯を敷き、
ニリンソウ、エンレイソウが楚々として咲きます。
水芭蕉はたくさんは咲きませんし、時期も短いのよくよく注意して花を待ちます。
しゃがんで見つめなければ気付かれないような小さな小さな花も沢山あります。
川面にぐっと乗り出すようにして桜が咲く五月中旬には
濁っていた河は本来の青みを取り戻し、何もかもが冬を忘れてこの世の春を謳歌します。
日本列島でもっとも遅い桜が終わると今度は町の名物の芝桜がむせかえるようにして咲き、
町じゅうが様々な花の匂いで溢れかえります。
穏やかになった流れの上に小さなふわふわのカモの赤ちゃんが浮かびます。
いつの間にか錦仙峡は楽園に姿を変えています。
更新日:2006-06-22
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