第3日目 日光白根山-温泉ヶ岳-日光沢-鬼怒沼小屋

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行程

地名到達時刻所要時間
五色沼小屋04時41分
日光白根山05時57分76分1時間16分
国境平分岐08時32分155分2時間35分
金精峠09時28分56分56分
念仏小屋(温泉ヶ岳往復含む)11時42分134分2時間14分
根名草山12時53分71分1時間11分
日光沢温泉14時49分116分1時間56分
鬼怒沼北三叉路17時37分168分2時間48分
鬼怒沼巡視小屋17時55分18分18分
一日の歩行時間
13時間14分
日付:2013/09/23

山行記

白根山

草津白根山、白根三山など白根の名のつく山がいくつかあるが、名の由来は白い峰、つまり積雪によって白く美しい山となるからだろう。日光白根山は日光連山の最高峰だが「日光連山の奥の院」などと通称される様に戦場ヶ原からでも山頂部がようやく見える程度で、栃木の人間にはなじみの薄い山だ。

江戸時代から明治時代にかけての養蚕が盛んな時代に白根山への信仰登山が上州側から行われたと言うが、現在でも群馬県側にはロープウェーが整備・運行されているので、日光白根山は群馬県の山と言えるだろう。
登山ブームで多くの登山者が日光白根山の山頂まで登ってきているが、その殆どは群馬県がわから登って来ている。

この日、出発は日の出前で、五色沼小屋の周りは真っ暗だ。ガスに覆われた、というよりは厚い雲の中を歩いて白根山の樹林帯の斜面を登って行く。火山特有の岩場の上に土を盛った様な斜面で、とても歩きにくい。その上、ガスに電灯の光が反射して先が見通せない。人の踏み跡なのか、雨水の流れた後なのか、判断が着かない様な筋が幾つも斜面を横切っていて、登山道との区別がつきにくい。一度、道で無いところに入り込んでしまった。

森林限界を越えた辺りで東の空が赤く染まりはじめた。振り向くと一昨日、昨日と歩いた女峰山から太郎山にかけての連嶺が黒い影となって雲海の上に浮かんでいる。この朝の雲高は2000m前後で、日光連山の頂の殆どが雲の上に突き出ていた。

五色山

白根山の山頂から座禅山の尾根を経由して五色山へ行く道に出合うまで、山頂付近の岩場を歩かなければならない。山頂には小さな噴火口や爆発で残った火口壁があちこちにあって、その間を登山道が通っている。岩場の道は、はっきりした踏み跡の無いところも多く、登山者が思い思いに歩き回っているらしい。

早朝、岩場が朝露で濡れて滑りやすくなっていることもあって、安全のために大きく迂回して歩きやすい道を採ったので、時間が余分にかかった。

山頂から弥陀ヶ池に下る途中で西から雲が流れてきて尾根を包んで行く。
池に着いたときには視界が10mほどしか無くなっていた。

弥陀ヶ池から五色沼にかけては登山道が錯綜していて道が分かりにくくなっていた。2回ほど道を間違えたために、五色山に着くのがやや遅れた。
五色山の山頂からは、五色沼と白根山が見事な構図で見られるのだが、雲に隠れて見られなかった。

日光沢までの道

五色山を過ぎると、国境平、金精峠の鞍部があるものの、日光沢まで稜線歩きの道となる。途中には温泉ヶ岳や根名草山などユニークな名前のピークがあった。

さすがに三連休なので、金精峠の前後にはハイカーが多く歩いていた。途中に金精山という目印にもなりにくい小さなピークがあるのだが、ハイカーにとっては重要らしく、すれ違いざまに必ず金精山までの所要時間を聞いてくる。そういえば有ったかな、と言う程度のピークなので適当な時間を答えておいた。

温泉ヶ岳もハイカーには人気の山らしく、往復しているハイカー数組とすれ違う。温泉ヶ岳は縦走路からは少し離れていて、10数分かけて往復をする。

念仏平避難小屋の手前にある水場で補水し、小屋で休憩を取る。この小屋は新築して間もない建物らしく、室内はまだ木の香りが隠っていた。一泊すれば気持ちの良い朝を迎えられそうに見えた。

根名草山まで多少怪しい道の区間もあったが、まずまず歩きやすい登山道が続いている。温泉ヶ岳も根名草山も樹林に覆われた頂で眺望は無い。
根名草山から先は、国土地理院の1/25000の地図では北のピークを越えてから日光沢に下る様に登山道が描かれているが、実際の登山道はピークを西に巻いて急激に下ってから北上する様に着けられていた。

日光沢への下り道は急勾配で、つま先が痛くなる。ジグザグに着られているので、容易に日光沢との直線距離が縮まらない。
日光沢の登山口は日光沢温泉の建物の間に設けられていた。下る途中で小雨が降り出してきていた。

鬼怒沼

日光沢温泉の建物のひさしを借りて雨宿りを氏ながら休憩を取ってから、鬼怒沼へ登る。鬼怒沼はこの山旅の一番の目的でハイライトなのだが、季節的には花は見られず、また天候も雨では景観も期待できない。

日光沢から鬼怒沼を往復するハイカーは多いらしい。雨というのに、数組の降りてくるハイカーとすれ違う。
登山道の大半は木道は階段が設けられていた。登山道と言うよりは遊歩道に近い。

鬼怒沼に着いたのは日没の直前。
雲に覆われた鬼怒沼に差し込む日の光は僅かで、湿原の輪郭すらはっきりしない薄暗さだ。これでは興味の持ちようも無かったので、すたすたと湿原を縦に歩いて北端の三叉路に至ったが、これは失敗だった。鬼怒沼巡視小屋は三叉路の直前を右に曲がる木道の行止にあったのだ。

知らずに三叉路を北に進むが、300mほど進んでも巡視小屋が現れないので道を引き返す。辺りが真っ暗となった頃に、ようやく巡視小屋にたどり着いた。先着は男性が一名。夜まで山の話をする。

地図

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