第1日目 新穂高温泉-三俣蓮華岳-黒部五郎小屋

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行程

地名到達時刻所要時間
新穂高温泉05時45分
わさび平06時48分63分1時間3分
秩父沢07時49分61分1時間1分
鏡池09時28分99分1時間39分
弓折乗越10時24分56分56分
弓折岳10時34分10分10分
双六小屋11時44分70分1時間10分
三俣蓮華岳14時11分147分2時間27分
黒部五郎小屋15時56分105分1時間45分
一日の歩行時間
10時間11分
日付:2011/09/26

山行記

新穂高温泉までの道のり

前日、半日をかけて新穂高温泉にやってきました。
9月も下旬となると登山シーズンは終わっている様で、松本から新穂高温泉までの直行の高速バスが終了していました。それでも平湯までは高速バスが出ていたのでそれを利用して、平湯から新穂高温泉まではローカルの路線バスを利用しました。

高速バスと路線バスは業務用無線で連絡を取り合っている様で、日が沈んで真っ暗の平湯のバスターミナルに1台の路線バスが待っていてくれました。このバスを乗り過ごしても、最終便がまだあったのでこの夜のうちに新穂高温泉に着けることには安心していたのですが、出来れば早く着きたいものです。

高速バスは20名ほどの客が乗っていましたが、路線バスで新穂高温泉まで行くのはわたしともう一人の登山者だけでした。採算が取れるのか心配になるところですが、この路線バスまで廃止になってしまうと松本から新穂高温泉まで行ける公共の交通機関が無くなってしまうので、何らかの助成金が地方自治体から出ているのかも知れません。

前回、新穂高温泉に来た時にはまだ自家用車を持っていたので、夕方に自宅を出発して高速道路を走り、その日のうちに着くことが出来たのですが、電車とバスで移動をするのは、それほど簡単ではありませんでした。

双六小屋までの道

早朝、日の出前の午前5時頃から、新穂高温泉の中を熊鈴の音を慣らしながら登山者が三々五々登ってゆきます。
初日は黒部五郎小舎まで行けばよいので、暗いうちに出発する必要も無いので。空が白み始めた午前5時45分に出発します。

1時間あまりの林道歩きの後に登山道に入ります。どんよりと曇った空で、鏡池からは穂高の下の方の山肌が見えるだけで、中腹から上は厚い雲の隠されています。
弓折乗越から弓折岳の頂を踏むために少し寄り道をしてから双六小屋へ至ります。
新穂高温泉からの入山者は意外に多くいて、わさび平や秩父沢、弓折乗越などで休憩を取っている人を見かけましたが、双六小屋の前にも数名の登山者がいました。これらの人の全員が三俣小屋の方へ向かった様で、黒部五郎小舎には一人も来ませんでした。

三俣蓮華岳の道

双六岳には昨年登っているので、このときは圏谷底を横切る道を取りました。
このルートは地図によって所要時間の表記がまちまちで双六岳越えの方が時間がかかる様に書いてあるものもあれば、圏谷底を横切る道の方が時間がかかる様に書かれている地図もあって計画を立てる時の妨げとなりました。最大限に時間がかかるという予想の元の通過です。
実際には圏谷底の道は約150分、双六岳越えの道が約130分で三俣蓮華岳に出られます。

圏谷というのは最も魅力的な地形の一つです。
日常の生活や旅行ではまず見かけることのない景観だからかも知れません。
双六岳の圏谷は、地図の上からは判別が尽きませんでしたが、歩いてみるとはっきりとした圏谷壁を持っています。
圏谷底を幾筋かの沢が流れているので、水場にもなります。ここで水が継げるのなら、背負ってくる水の量を減らせたのにと思うことしきりです。

正面、やや右手に鷲羽岳の大きな姿が見えます。
曇りでもこのくらい雲が高く四囲の眺望が得られれば双六岳の頂を通っても面白かったかも知れません。

三俣蓮華岳の山頂は圏谷壁の一ピークでした。
その圏谷壁の登りが大変な急坂です。山頂直下は垂直の様な岩場となっていました。

黒部五郎小舎の道

思った以上の良いペースだったので黒部五郎小舎には早く着いてしまわない様に、三俣蓮華岳で時間調整の長めの休憩を取ります。この山は景観の良い山で、正面に鷲羽乗越越しの鷲羽岳、その後に水晶岳と赤牛岳の連なりが見えます。左手が黒部五郎岳、その間に雲ノ平と薬師岳が見えます。

三俣蓮華岳から黒部五郎小舎への道は下りの一本調子です。岩とハイマツの道なので視界が広やかで黒部五郎岳と雲ノ平を見ながら歩きます。少しずつ山頂の圏谷が大きくなってくるので嬉しくなります。

小舎が見えてくると岩の坂道ですが、のんびり道というのが用意されていて、眺望はのんびり道の方が数段良いです。広角レンズでも圏谷が撮しきれないほど大きく眼前に広がります。

小舎からは黒部五郎岳の山頂が見えますが、少し距離のあるテント場からは見えなくなります。

地図

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